雨降り

幽霊について

2017 年秋のヘビーローテーション

 

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久しぶりに CD シングルを買いました。

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シングルにわくわくするのが久しぶり。MV にほんのり映画「メッセージ」の香りがするのもいいし、全編サビのようでおしみない。短い。きゅっとつまっていて、あっという間に終わる、おもしろい映画のかなり出来のよい予告編のようでわくわくします。この曲が収まるアルバムが楽しみになりました。 

 

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今年、9月8日に発売になっていた the National の新譜。今年の新譜なので、まだ聞きこなせていないのですが、買って以来毎日毎日聴いていて、自分がちょっとこわいほどです。

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the National は元々ちょっと好きで、ちょいちょいチェックをしつつ、どちらかというと彼らの the Red Hot Organization のプロジェクトや、リサ・ハニガンのプロデュース、映画音楽の方を追いかけていて、いわば、「友達が大好きなバンド」くらいの距離感でした。

でも考えてみれば、the Red Hot Organization のプロジェクトでかなり好きな盤もあるし、デスナー兄弟のレーベルはちょこちょこチェックしているし、これで本体の方を素通りというのも不自然だなと、試聴してみたところ、即「大好き」、結論「大好き」ということで、毎日聴いています。シンプルな気持ちになれて良いです。

 

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これも今年 9 月に発売になっていた新譜『Two Windows』。Lali Puna はずっと好きで聴いています。7 年ぶりのアルバムでうれしい。ドイツの名門 morr mussic のヘッドライナー的な位置づけなんでしょうか。

これもまた全然聴きこなせてはいないんですが、購入して以来来る日も来る日も聴いています。かなりお気に入り。もしかして、Lali Puna で一番好きかも。攻撃的なところと穏やかなところのバランスが今聴くのにちょうど良くて、聴きながら「あっ、こういうのを聴きたかったなあ」と思えます。

 

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Grizzly Bear もずっと「ちょっと好き」で、Apple Music などでちょこちょこ聴いてはいたんですが、なぜか今年突然大好きになって、ちょうどよく 8 月に新譜が出ていたので、買って、ずっと聴いています。朝聴くととりあえずいろんなことがどうでもよくなります。今年は夏も秋もあんまりゆっくりできていないので、この、別にせかされるわけではないけど、頭の芯でヒヤッとさせられつつ、素朴な気持ちになれる音楽がぴたっとはまっているようです。

「基本的にシリアス、でもちょっと変、そして素朴な気持ちになれる」というのが今、音楽に求めていることみたいです。

ざべすの気まぐれ日記:2017 年 8 月と 9 月に見た映画

ざべすよ!

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おひさしぶりね。ごきげんいかがかしら。雨子が忙しいって言うんで、代わりに書いています。

 

8月13日「スパイダーマン:ホームカミング」@TOHOシネマズ新宿

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見た直後の雨子の感想:http://h.hatena.ne.jp/poolame/228784026408443174

雨子、これどういうこと?

雨子「う〜ん……」

勢いで書いたの?

雨子「う〜ん……」

まあ、なんとなくわかるわよ。

雨子「わかる?」

わかるわ。「スパイダーマン:ホームカミング」はひとつの現実として成立してたってことでしょ?

雨子「そうです」

なんかのたとえとか、象徴じゃなくて、独立してたってことでしょ。だから見終わった後もピーターくんやメイおばさん、今頃どうしているのかなあって思うのよね。ざべす、この映画に出てくる人はみんな好き。敵だった人も悪い人たちじゃなくて、あの人たちはあの人たちでアベンジャーズだわ。大きな鳥になって空を飛んで、大金持ちからちょこっと何かいただくのはそんなに悪いことかしら?

雨子「盗むのは悪いことだけどね」

そんな話したいんじゃないのよ!

雨子「もうしわけありません」

この人だって世が世ならトニー・スタークだったのよ!

雨子「そうですね」

雨子はトニーが好きだからそう思わないかもしれないけど……。

雨子「ううん、そう思うよ。ていうか、ざべすはトニーが好きじゃないの?」

好きよ! だってお金持ちだし、けちくさくないし、優しいんだもの。

 

9月7日「ベイビー・ドライバー」@立川シネマシティ

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見た直後の雨子の感想:http://h.hatena.ne.jp/poolame/81819450571995963

雨子、なんでこれ見て泣いたの?

雨子「わかりません……」

ざべす、これとってもおもしろかった。おしゃれって人を守ってくれるのね。この子は音楽と車に守られて生きているんだけど、だんだん車も音楽も守ってくれなくなっちゃう……。車じゃ、もうどこにも行けなくなるってところまで行っちゃった。ざべすだったら逃げきっちゃうと思うんだけど。

雨子「ざべすはそもそも、逃げる必要ないでしょ」

そうね!

雨子「ざべすはあんまり、内と外って考え方しないでしょ。ベイビーにとっては車の中だけが安全で親しみの持てる場所だったんだけど、だんだん外が見えてきて、侵食されていくような感覚を味わうのね」

ハンドルを持って、外の音を聞かないようにしているんだけど、人が殺されるところを見てしまうのよね。ざべす、あのとき、「あっ、世界がこわれちゃった」って思ったわ。それに、車をどんどん乗り換えていくところは、何度も変身しそこねるヒーローみたいでかわいそうだったな……。

雨子「そうねえ。かわいそうだったわね。でも最後には、彼にとって内も外もなくて、ただ信頼に値する社会が見えていたというのが良かった」

ベイビーはどうして(ネタバレ)のかしら?

雨子「それはやっぱり、いろいろあると思うけど、一つには彼が大衆音楽を聞きながら育ったってことがあるんじゃないかなあ。彼を支えた音楽を生み出した社会っていうものを、ベイビーは根っこのところで信頼してたってことなんじゃない」

雨子もそうなの? 信頼している?

雨子「ベイビーみたいに、信頼して飛び込んだ瞬間はあったよ」

ふうん。

あっ、ざべすはそれから、お父さんのいないベイビーに対して、男の人たちがお父さんになりたがったっていうのもすっごくおもしろかったです。

 

9月13日「スキップ・トレース」@TOHOシネマズ新宿

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雨子の直後の感想:http://h.hatena.ne.jp/poolame/227148632800278628

雨子はジャッキー・チェンの映画を見る前はいつも複雑そうな顔をしているの。見終わった後も大抵、複雑そうなの。どうして?

雨子「ジャッキーが複雑だからよ」

そうなの?

雨子「うん」

ふうん。ざべす、この映画は楽しかったわ。ユーラシア大陸を二人の男が旅するの。主人公たちは立場や職業は全然違うけど、考え方や話し方がシンプルで、ざべすにも言っていることがよくわかりました。みんな、あんな風だったらいいと思わない?

雨子「うん。それがジャッキー・チェンなのよ」

ふうん。

 

9月27日「ダンケルク」@TOHOシネマズ新宿

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雨子の直後の感想:http://h.hatena.ne.jp/poolame/81819895420375114

こわかった。

いっぱい考えたんだけど、(考えたことは)忘れちゃった……。

最後に新聞が出てきて、そこにこの撤退戦を賞賛する言葉が並んでいて、二人いた兵士さんのかたっぽうはとても読めなくて、もうかたっぽうが読むでしょう。

あのとき、すごく不安になったわ。言葉にした瞬間、なんかおかしくなっちゃう。

あと、1940 年のお話なんだけど、ここからみんな、立ち直っていないんだなあと思いました。今、この映画がこんなふうにできて、すこし、立ち直りつつあるのかなとも思うんだけど、そういう人ばっかりじゃないから、先のことはわからないと思いました。

ざべすからは以上です。

コーヒー映像千本ノック (8) 回復しない

ミスティック・リバー

原題:MYSTIC RIVER

監督:クリント・イーストウッド

2003年、アメリカ

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ジミー、ショーン、デイヴの三人が乾く前のセメントに名前を掘って遊んでいると、手錠を持った見ず知らずの男が現れ、有無を言わせず車でデイヴを連れ去ってしまった。ジミーとショーンは去りゆく車を呆然と見送った。数日後、デイヴは帰ってきたが、それ以来三人で遊ぶことはなくなった。

25 年後、事件が起こった。ジミーの娘が遺体で発見されたのだ。ジミー(ショーン・ペン)は被害者(の父) として、ショーン(ケヴィン・ベーコン)は担当刑事として、デイヴ(ティム・ロビンス)は容疑者として再会する。

三人の中で、生きているケイティの姿を最後に見たのはデイヴで、デイヴは「ケイティは幸せそうに見えたよ」とジミーに言った。それを聴いてジミーは頷いて、デイヴが立ち去ると泣き出した。とにかくこのシーンが好き。

下は、ジミーがケイティの死体を確認した後のシーン。担当刑事としてショーンが経緯の確認をします。コーヒーを二つ手にしてやってくるのはショーンの上司にして相棒のホワイティ(ローレンス・フィッシュバーン)。

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ホワイティがコーヒーをひとつ、ジミーの前に置いて、自身は後ろのテーブルでコーヒーを飲みます。このコーヒーをジミーは飲まない。このとき、ジミーは足を洗ってまっとうな商売をやってはいるんだけれども、元は評判のワルで、刑務所に入っていたこともあり、その時の仲間と付き合いがゼロというわけではなく、このシーンの直前にも「警察より先に犯人を探してやる」とケイティに誓い、実際仲間に調査を頼み、警察とは別行動をとります。その警察との関係が、テーブルに置かれたまま誰の口にも入らないコーヒーに象徴的に映っています。実際、ホワイティはジミーのことをこのとき「前科者」と見抜き、「娘が亡くなったばかりなんだ、緊張くらいするだろ」とショーンをいらつかせます。

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ホワイティとショーンは衝突しながらもすぐに仲直りをするような相棒同士なんですが、仕事の仕方は大分違っていて、ホワイティは自分の勘を信じて見込みでどんどんストーリーを前に進めるタイプ。ショーンはあまり予断を持たずにあらゆる証拠をおさえたいタイプ。

そんな二人は映画を通じて何度か言い合いをします。下の写真はそのひとつ。ここは大好きなシーン。カフェでコーヒーをテイクアウトしたものの、それが高くてまずいということでぶーぶー言う二人。

 「たけえ!」とボス。ショーンはひとまずごくり。

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まだまだ「なんでこんな高いんだ」とボス。ショーンは「……まず」という顔。

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しげしげとカップを見つめるショーン。「まずいなー」と思っているのか「高いなー」と思っているのか、ピュアな表情に胸が撃たれます。

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この後、ホワイティは「デイヴが怪しい」と言い出すのですが、ショーンは「そんなわけあるか」と思っています。このシーンの少し後で、やはりホワイティが「デイヴが犯人像に近い」と断じ、ショーンがその矛盾点をつくと、「友だちだからかばうんだろ」と言われ、「友だちじゃない! もしあいつが犯人だったら、真っ先に俺が手錠をかける」と珍しく感情を爆発させます。

この「友だちじゃない!」が痛ましくて、なんど見てもはっとします。三人は 11 歳のときの誘拐事件以来、距離が出来てしまって、ジミーの娘、ケイティの殺害事件によって再び引き合わされるのですが、それはやはりデイヴが車で連れ去られたあのとき、あの場所に引きずり戻されることでもあり、回復しない傷をえぐられることであり、どうしても埋められない距離を意識させられる日々でもあります。

この映画は第 76 回アカデミー賞主演男優賞にジミー役のショーン・ペンが、助演男優賞にデイヴ役のティム・ロビンスがノミネートされて話題でしたが、私にとってはショーン役のケヴィン・ベーコンの名演が光る映画です。

ほとんど大抵のことにおいて、非映画的なリアルさで楽しませてくれるこの映画で、最も映画的なのが、ジミーやデイヴの話をじっと聞くショーンの姿です。

例えば先の、最初の経緯確認のシーンでは、ジミーは突然、デイヴが連れ去られた日、あれがデイヴでなくて自分だったらと思うという話を始めます。そして次にはケイティの母親がどれほど魅力的だったか、自分はどれほどの情熱を傾けて彼女に愛を告げたかと話し続ける。どこへ向かうかわからない、この長い話をショーンはただ黙って聞くのです。

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話を聞きながら、ショーンの目に一瞬何かが光るようにも見えたり、笑っているようにも見えたり、とにかく、ただ黙って最後まで聞く彼の微妙な表情が印象的です。

下はデイヴに話を聴いた後、立ち去るデイヴをただ見送るショーン。ただ聴いて、ただ見ているショーン。

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日本公開は 2004 年の 1 月。アメリカ公開は少し前の 2003 年 10 月。先にも述べたように、2004 年 2 月第 76 回アカデミー賞主演男優賞ショーン・ペンが、助演男優賞ティム・ロビンスがノミネートされていました。公開前にもどって、2003 年で考えると、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」、「マトリックス リローデッド」、「マトリックス レボリューションズ」、「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」あたりが興収的には話題だったのかなあ。個人的には「インファナル・アフェア」、「呪怨」、「マッチスティック・メン」あたりに思い出があること、「ほえる犬は噛まない」や「猟奇的な彼女」など韓国映画を日常的に見出した頃だったということ、「東京ゴッドファーザーズ」は後で DVD で見たのですが、これは冬に見るのにいい映画だなあということなど、水準と強度がばらばらの映画体験の記憶があって、そんな中「ミスティック・リバー」も見ていたと思うと不思議な感じがします。

隅から隅まで非常に苦い映画で、甘い結末じゃないところにむしろ優しさを感じます。おそらく誰もこの事件からは立ち直れない。そうしたことが、「価値」だとか「意味」だとか生産的なことを良しとすることとは少し違った価値観のもと、静かに映されていきます。おそらく、立ち直れない。そして、それは 25 年前の事件も同じだった。あのときデイヴが乗せられた車をただ為す術もなく見送ってしまった二人の少年の傷もまた回復しえなかったこと、「今もほんとは11歳で三人で穴蔵の中にいるんじゃないかって気がする」とつぶやいたショーン、「あの時誘拐されたのが俺の方だったら」と言いながらデイヴには「誘拐されたのは俺じゃない」と言ったジミーが二人で一瞬「あの場所」に立って、あの車が立ち去る瞬間を二人で幻視した、ただそれだけのことがかけがえのない一瞬で、ただただ痛ましい。その痛ましさに付き合うだけの二時間の、正直さにどこかでほっとしてもいる、不思議な映画です。

ざべすの気まぐれ日記:2017 年 7 月に見た映画

ざべすよ!

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雨子が「ケヴィン・ベーコン(の映画を)見るのに忙しい」って言うから、ざべすが代わりに書きます。ケヴィン・ベーコンさんは細い目の俳優さんで映画監督よ。

7月7日「クリムゾン・タイドBSプレミアム

核戦争が始まりそうよ! というお話。そのボタンを押すか押さないかでもめるの。なぜなら無線が壊れちゃって、命令が潜水艦にちゃんと届かなくなっちゃったから。もしかして「撃て」って命令が来てたんじゃないか、いや、「攻撃中止」の命令だったんじゃないかって大もめするの。

副船長さんは「命令を確かめるまでボタン押したらダメ」っていうの。当然よね。それに彼は軍規を守るから、まだ若い、経験のない副船長さんだけど、彼に従う人もいるの。でもこの船には経験のある船長さんがいて、その人が「先制攻撃されたらどうするんだ」「今この瞬間にも攻撃されるかもしれない」って言って、ボタンを押そうとするのよ。この船長さんに従う人もいます。それで船内は大騒ぎ。もう、はらはらしたわ〜。海の中って密室なのよ! とてもくるしかった……。無線直しなさいよーーーー!! って何度も叫んだわ。副船長さんもそう言っていたので、ざべすは副船長さんの味方です。

7月7日ミッション:インポッシブル3」@BSプレミアム

ざべすこれはあんまりよく覚えていません。ハンサムなスパイの人が……結婚して……妻が誘拐されて……。でも雨子はきゃーきゃー言ってテレビの画面を写真におさめたりしていました。これがそのときの写真です。

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7月8日「ライフ」@立川シネマシティ

ざべす、これとってもおもしろかったです!

火星でちっさな細胞が発見されて、宇宙ステーションの実験室でその生き物を調べることになるの。優秀な人達によるチームよ! とっても仲が良くて幸せそうだったわ。でもその生き物は目の前にあるもの何でも噛み付いて食い殺しちゃう怖い生き物だったの。「くっちゃいなさいよ!」ってざべす最初は思いました。でも、消化できなさそう。謎の強さなの。宇宙空間に放り出されても死なないのだもの。そういえば、火星で死ななかったのだものね。ああ、こわかった〜! 入ってこられないようにドアをしゅー! と慌てて閉めるでしょう。そこにばーんびたーんとその、透明なイカみたいな、くずもちみたいなのがぶつかってくるの。その度にざべす、こわかったです。は〜こわかった。こわかったしか言えないわ。

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7月9日「ジョン・ウィック:チャプター2」@TOHOシネマズ川崎

ざべす、これはよくわかりませんでした。雨子は「ぶほわ」って笑ってたけど……。だって……「困った弟」が出て来るの。こいつの存在がそもそも大迷惑なのよ。弟が権力ほしさにお姉さんを殺してって「血の掟」だかなんだかを盾にジョンさんに強要するのよ。ジョンさん、その過程でおうちふっとばされちゃうの! 許せないわ。おうちってとても大切だもの。でもその命令に逆らえなくて、お姉さんを殺すでしょう。そしたら今度はその弟、「姉を殺した敵だ」とか言ってジョンさんに殺し屋を放つのよ! 何なのあの弟。ざべす、今年会った人で一番くらいに嫌いです。あと、ニューヨークの人たちがすごかったです。銃弾が行き交う中、標準的な速さで徒歩、殴り合いが始まった電車内で特にさわぐでもなくじっと耐える……。全員殺し屋なのかしら?

7月13日「メアリと魔女の花」@TOHOシネマズ新宿

練習っていう感じでした。

7月22日「スター・トレック」「スター・トレック BEYOND」@DVD

ざべす、もっとずっと小さい時に話に聴いた「アメリカ」ってこんな感じだったなあと思い出しました。いろんな人がいて、いろんな人と協力して、冒険するの。冒険自体はずっと続くと思うわ。

7月23日「ロスト・バケーション」@DVD

大変なことでした。

女の子が一人で波乗りしていたら、人喰鮫に襲われて、なんとかかんとか岩の上に逃げるんだけど、そこって「秘密のビーチ」だから、あんまり人が来ないのよ! 視界に浜もあるのに、密室じゃないのに、女の子は岩の上に閉じ込められちゃって、そのまわりを鮫がぐーるぐーる回っていて……こわかったわ。とってもとってもこわかった。女の子が鮫をくっちゃえたらいいんだけど、力の差が大きくてそうもいかないの。基本的に海と鮫と女の子とかもめちゃんしか出てこなくて、時々あまり役に立てない人が出てきては……消える……のですが、どうしてこんなにずっとはらはらさせられどおしなのかしら、ってくらいずっとずっと目が離せなかったわ。

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7月23日「ワイルド・シティ」@DVD

ちょっと待ってね。わりとつい最近見たんだけど……雨子が言うには「酔っぱらいの女の子を一晩面倒見たら、マフィアの抗争に巻き込まれることになって香港の街を右往左往するはめに陥った人たちのお話」だそうです。

そうそう、そうなの。香港、大変そうだったわ! それと、主人公の人たちがそれなりに年齢を重ねた感じなんだけど、青春ぽくて、不思議だなあと思いました。

7月24日「高慢と偏見とゾンビ」@DVD

ベネットさんちのリズとダーシーさんはどう考えても気が合って、仲良くなれるはずなのに、喧嘩ばっかりしているの。そこに、ゾンビたちと、ゾンビを束ねて革命的なことを起こそうとする人とが絡んでもう大変! なんとなくおしまいの方になると、「ゾンビさんたちの気持ちとか、意向も確認した方がいいんじゃないかしら」っていう気がしてくるから不思議ね。ドレスがとっても素敵でした。

ほかに「オブリビオン」「トレマーズ」「スーパー!」を見ました。どれもおもしろかったです。 

 

2017 年上半期映画ベスト 12 をフィギュアスケート女子シングル FS にたとえると

*何らかの意味で間違ったことを言っている可能性があります。最初からお詫びしておきます。許してにゃん。

*音楽は「太陽に吠えろ」〜ガーシュウィン「三つの前奏曲」〜ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」を想定していますが、お読みの際はどうかお好きな曲で再生してください。

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  冒頭は 3Lz = マグニフィセント・セブン。大きな、そして完璧にコントロールされた絶品のルッツに早くも客席から「待ってました!」の声、その声に合わせたかのようなおかしなステップから笑顔で 2A = トッド・ソロンズの子犬物語。まるで音楽に合わせて降りてきたかのような美しさにちょっぴりこわくさえなりましたが、腰がひけるとか言っている場合ではありません、お待ちかね、前半の山場、3F+3T = マギーズ・プラン! 見事です! こんなに大きな、ゆったりしたジャンプで一体どこへ行くのかマギー、とはらはらさせておいて、ラストはすばらしい笑顔で着氷。着氷後のカーブがまた美しい。早くも客席では涙と笑いが止まりません。

 そこで FCCoSp = 人魚姫です。フライングキャメルから入るコンビネーションスピン。鮮やかです。一瞬どっちが前かわからなくなりますがそれも楽しみのひとつ。大事なのは勢いです。続けて FCSp =ドラゴン✕マッハ! またことさら大きなフライングキャメルです。すきあらば跳ぼう、跳ぼうとしています。その姿勢、素晴らしい。しかしこのキャメル、目線、軸足の膝の向き、フリーレッグのかたち、何もかもがこわい。人間はそのような動き、姿勢になって良いものでしょうか。

 と、あわてていると、もう後半。一時も目が離せません。スケーターがにやっと笑顔を浮かべたかと思うとくる〜んくる〜くる〜んとターンから 3Lo = キングコング:髑髏島の巨人きたわあ! 着氷したその足でスパイラルよ〜!

 そしてそこから謎の厳しい表情で 3Lz+2Lo = ザ・コンサルタント! まさかこの局面でルッツからのコンビネーションをこれほどクリーンに見せてもらえるとは。しかもぴょこん! と跳んだ ループの愛らしさ。跳ぶ前の緊張感が嘘のようです。その笑顔のまま、3S+2T+2lo = T2 トレインスポッティング。三つのジャンプの高さと幅もさることながら、ジャンプの間隔の長さも完璧です。笑顔がとまりません。しかし、CCoSp = ナイスガイズ! への間隔は短い! 少しでもミスをしたら大変なことになる構成ですが、見事に決めました。基本姿勢を変えるごとに変わる表情、トップスピードに至る速さ、それでいて変な手の動きに場内、泣きながら笑っています。笑いながら泣いているのかもしれません。

 スピンが明け、さすがにもはや本気で「どっちが前?」なスケーター、大丈夫かと思いきや、靴にエンジンでもついているのか謎のフルスピードスパイラルで ChSq = イップマン 継承を見せてくれます。愛に満ちる会場に、静かに StSq = ムーンライトで踏むエッジの音が響きます。

 最後は忘れた頃にやってくる、単独の 3S = メッセージ。くるーんくるーんくるーんと回って描いた奇跡、それは過去なのか未来なのか……(バタッ

ベスト人類 2017

2015年ベスト人類「フェリオサ大隊長

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2016年ベスト人類「スポットライト 世紀のスクープ」のみなさん

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に続き、2017年ベスト人類はこの人、嗣永桃子に決定!

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嗣永桃子アイドル 15 周年ということは、この 15 年、私の人生は嗣永桃子とともにあったということで、どうも

「大変な 15 年を生きてしまったなあ……」

と思います。

この 15 年、まわりでは様々な困難があったのですが、私自身は至って穏やかに暮らしており、その静かな暮らしになぜかももちの格闘がぴたっとはまり、結局ももちなしでは生きていけない生活習慣ができあがってしまいました。

ももちは決して悪口を言わない。

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かわいいこととおもしろいことしか言わないという姿勢は大いに評価できる。だから私も二ヶ月に一度くらい「金輪際悪口を言わないようにしよう」と決心して結局一日と持たず「嫌いっ」とか言ってしまうのであるが、悪口は良くないという姿勢はこの 15 年で大分リアルなものになりました。あと 10 年くらいでなんとかできそうな雰囲気です。

ももちはオリジナルにかわいい。

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アイドルとしての仕事がある中、黒髪、薄化粧で通すのは大変だったと思う。色白そばかす、かわいい! だが芸能界では(多分)鋼の心がなければ押し通せない。もちろん私達が「ももちかわいい、かわいい」を言い続けたというのも少しは支えになっているかとは思うけれども、それにしても強い。私も自分の着たいものを着て元気に暮らしていきます。

ももちはなんとかする。

これがいつ見てもすごかった。最初は歌もダンスもそれほどうまいわけじゃなくて、ZYX の頃の映像なんかを見るとそれなりにあわあわしているのですが、その頃から、回ってきたパスは必ず何とかするところがあって、ソロに強かった。上手いわけじゃないけど、何となく「場がもつ」歌で、曰く言い難い魅力がありました。いろんな声が出せるのがいいのかな。

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鈴木愛理夏焼雅っていう歌手が生まれたわけだから、ハロプロキッズはプロジェクトとして成功したと言っていいんだと思う。そこに嗣永桃子が加わらないのはとても寂しいけれど。

Buono! のラストライブ「Buono! ライブ 2017 〜Pienezza ! 〜」、「楽しい」ってことで言えば、ちょっとこれまでに味わったことのないような楽しさを味わいました。立ち見席だったので、ライブハウスの PA 前みたいな空間を想像していたのですが、一人ひとりにゆったりした空間が確保されていて快適で、舞台にも近くて嬉しかった。そこで Buono! の歌をじっくりと聴いて「もし、ももちが高校生のときにこの二人と出会ってバンドを始めていれば、音楽を一生の仕事にしたかもしれないなあ」なんていう妄想を搔き立てられました。別の物語が見えました。

6月30日の「嗣永桃子ラストライブ ありがとう おともも」は朝からの雨も昼過ぎには上がり、夕方には何と晴れ間もあり、残照に映える嗣永桃子がかっこよかった。登場した瞬間「あっ……!」と息を呑むほどの美貌、ふくらはぎの筋肉、繊細なビブラート、ひばりのような高音、温もりのある低音、はにかみながらのトーク、立たせ続けた小指をぎゅっとたたんで拳を見せつけての退場、すべてがかっこよかった。

ほんとはセットリストの一番上、アンジュルムの「次々続々」から事細かにコメントしたいくらいだけど、そうすると全部で30曲くらいになってしまうような気がするのでそれは自分だけでするとして、今日は一つだけ、メドレーで披露された「大人なのよ!」について。

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これはイントロが好き。

雅ちゃんの曲というイメージ。でも一度、ももちのソロで聴いてみたかった。正確に言うと、聴いた瞬間、ずっと自分がそう思っていたことがわかった。ももちの喉によくあってたし、「ああ、こういう曲だったんだなあ」というひらめきを与えてくれました。ももちの「この曲はこういう曲よ」という主張はいつもはっきりしてる。そのはっきりした主張のもとで一度聴いてみたかったの。とても良かった。

ハロプロの曲は、レコーディングしてからライブという順番で歌われていくので、CD 音源が一番歌としては質が低くて、その後ライブを通じて良くなっていく傾向があります。今回、彼女が 15 周年ということで「がんばっちゃえ!」といった昔の曲から最近の曲までカバーしてくれて、「ついに完成形が CD に収まったなあ」と感慨深く思いました。

細い道になってしまったアイドル歌謡の、ひとつの完成した姿が手元にあって幸せです。

私は大丈夫です。

と、彼女は言い、そして後輩の山木梨沙ちゃんと小関舞ちゃんに歌わせて、小指をたたんで引退していきました。かっこいい! 「私は大丈夫です」って若いときに言ってみたかったな。あのとき、会場にいた全員がそう思ったんじゃないでしょうか。

ももちがいるテレビやラジオはおもしろかったです。特にテレビって全体に保守的だから、そんなにフレッシュに楽しい時間ってないけど、あの中に数年間ももちがいたと思うとそれだけで愉快な気持ちです。

今後もももちの歌とともにおもしろおかしく生きていきたいです。どんなときも薄ら笑いを浮かべて。

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ざべすの気まぐれ日記:2017 年 5〜6 月に見た映画

ざべすよ!

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むしむしするわあ。ざべす、湿気は苦手よ。

雨子、珍しくこのところ本格的に忙しかったみたい。それでも時々はざべすと一緒に映画館に行きました。

「さみしい」って言えない男の人のお話よ。言っちゃえばいいのに! ってずっと思ってたわ。でもどうしても言えないっていう気持ちもわかります。

  • スウィート 17 モンスター@ヒューマントラストシネマ渋谷 5/2

17歳の暴れん坊の女の子が、それで結局本人が一番困りますってお話よ。しょうがないわね。高校の先生がすっごく先生ぽかったわ。

びっくりした。頭をきれいに剃り上げたお坊さんみたいな髪型のいかつい男の人がいっぱい出てきたので、最初だれがだれだかわからなくて混乱したわ。でもようするに、頭髪のない人はいいものなんだなってわかって安心しました。赤ちゃんを誘拐するのは決してやってはいけないことだと思います。

  • トンネル 闇に鎖された男」@シネマート新宿 5/20

男の人がトンネルに閉じ込められちゃったの。ざべすなら耐えられない。ざべすもうトンネル通りたくないわ。雨子が手を握ってくれなきゃ。

アパートで一人暮らししているおじいさんのお話よ。ピアノの先生なの。みんなシーモア先生が大好き。つい打ち明け話をしてしまうの。先生って素敵なお仕事なのね。ざべすは特に打ち明け話がないんだけど、何か話したい気分になったわ。

ざべすはこれ、眠ってしまってよく覚えていません。困った顔の男の人が困った状況になってずっと困っていて、ああこれで大丈夫かしらって思ったらまた困ってるの。雨子は二回見たんですって。かわってるう。

  • メッセージ」@TOHOシネマズ新宿 6/15

おもしろかった〜。わくわくよ! 宇宙人がやってきてなんとかコミュニケーションを取ろうと双方必死なの。新しい言葉を学んでいく過程で未来が思い出せるようになるのよ。そんなことあるかしら? 絶対にないとは言えないわね。ざべす、時々英語を勉強しているの。英会話のラジオを聴いていると、いつもと違う自分になったような気がしておもしろいわ。でもすぐ忘れちゃう。

男の子が、傷つきながら大人になるの。お父さんが第一次世界大戦のときの兵隊さんで、戦争に行っておかしくなってしまったのね。お酒におぼれて家族に暴力をふるうようになって、男の子は夜ベッドに入っても階下のお父さんの怒号に震えるの。そして、「汝殺すなかれ」っていう聖書の言葉を支えに必死で生き延びたの。そこに太平洋戦争が始まって、まわりでは従軍できないってことで心に傷を負った人が自殺してしまったり、お兄さんがあれほど戦争で苦しんだお父さんを見ていながら軍隊に入ってしまったりするのね。それで男の子は衛生兵として戦地に行くっていう選択をするの。それ以外ないのよ。それ以外ないってことなんだわ。ざべすもざべすの道を行くしかないのだもの。

それから、20世紀って罪の世紀なのだなあと思いました。これからわたしたち、どうなるのかしら。

孤児たちが集まって、手に手を取って「ガーディアンズ」になるの。そしたら、主人公のお父さんっていうあやしい人が出てきて大変なことになりました。お父さんっていっても育てていないから、あんまりお父さんじゃないのよね。ほんとのお父さんは別にいるの。主人公はそのことを深く理解するのよ。それから、グルートって子がもたもたしていてはらはらしたわ。でも小さい子がいるって気分がしゃんとして、いいのよね。ざべす、お姉さんだからわかるの。

 

2017 年上半期のヘビーローテーション

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年明けくらいに急に radiohead にはまって、レンタルできるだけレンタルして一通り聴いた後、一番新しい "A MOON SHAPED POOL" を買って朝から晩まで聴いているうちに電気グルーヴの新譜のニュースが飛び込んできて、どうしたものか突然ファーストアルバムから聞き直す「電気の旅」に出、そうこうしていたらタイミングよく高まったところで "TROPICAL LOVE" が出まして、これが朝から晩まで聴いていても全然飽きなくて恐怖……。恐ろしいまでのいい塩梅さ。

そんなこともありつつ、基本的には早朝は "SULLY" のサントラ、まわりが起きだしたら "MAGNIFICENT SEVEN" のサントラかクラムボンの "Re-clammbon"、"Re-clammbon 2" 、日中は仕事するんで音楽聞かないんですけど、休憩中は大体 WILCOを、どうしてもやる気がないときはももちの歌を聞き、夜はリサ・ハニガンを。仮に昼間全然仕事が進まなくても日が暮れてからリサ・ハニガンの歌を聴いていると、「ああ……つかれた……なんとか今日もおわた……(ばた)」という気分になってケリがつく。

そんな風にしていたらあっという間に半年経っていてびっくりしました。

今夜一晩生き延びて映画大賞 2017

映画には「ラン・オール・ナイト」(2015 監督:ジャウム・コレット=セラ)ですとか、「とにかく今夜一晩生き残れ」「今日さえ無事に過ぎれば明日は……」という感じのジャンルがあります。「とにかく今は生き延びることだけを考えろ」映画とでも言いましょうか。今年はそのジャンル、早々に大賞が決定しましたのでここに発表します。

 

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原題:Moonlight

監督・脚本:バリー・ジェンキンス

原案:タレル・アルビン・マクレイニー

2016 年 アメリカ

小柄で内気なシャロンは今日もいじめっ子たちに追いかけられていた。必死に逃げ、行く宛もなく廃墟に隠れていると「ここよりはマシだぞ、こいよ」とフアンが連れ出してくれた。フアンはほとんど何も話さないシャロンを連れて帰り、妻のテレサに紹介し、食事を出してやる。そして帰りたくないという彼を泊めてやり、翌朝家に送っていくのだった。そんなことを繰り返すうち、シャロンがフアンに懐いていくのだが、彼は麻薬の売人で、シャロンの母親はフアンから麻薬を買う常習者だった。安心できる場所のないシャロンにとって、ただ一人安心できる相手が友人のケヴィンだった。

優勝。

シャロンには少し癖があって、人と相対しているときすぐに俯いてしまう。 それで上目遣いになってしまったり、ただ押し黙ったりすることになる。テレサやケヴィンが「また俯いている」と指摘するとそのときだけ顎を上げる、といったこともなくやはり俯いてはいるのですが、それでも、ちょっと相手の方を見て困ったような、悲しいような、嬉しいような表情をするわけで、そういう顔をされるとこっちだって泣きたくもなります。半分くらいは人間だもの!

すぐ俯いてしまうシャロンのそばにいるから、画角が絶妙な狭さ、低さで、スタイリッシュな画角まであと三歩くらいのところでふわふわと揺らめいている。それが見たことあるようなないような、やっぱり見たことのない感じで、シャロンのそばから離れたくなくなる。

見終わって半日経った今でも目の前にシャロンがいるような気がする。

シャロンが追い込まれたある日の事件というのは、別に麻薬がらみとか、売人たちがどうこうとか、あるいは母親がどうこうとか、そういうことではなく、学校の中でのことで、他の人から見れば、何もそこまで思いつめることはないんじゃないか、標準的な手続きを踏んで問題を解決すればよかったんじゃないか、と言えるようなことかもしれないけれど、私はシャロンがあの日死んでしまわなくてよかったとしか思えない。間違ったかもしれないけど、まずはああして、生き延びて、その後もずっと間違っていたかもしれないけど、死なないで生き延びてくれてよかった。

 

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原題:The Edge of Seventeen

監督・脚本:ケリー・フレモン・クレイグ

2016 年 アメリカ

ネイディーンにはクリスタという親友がいる。小 2 のとき、クリスタが一緒に毛虫を育てることを提案し、ネイディーンが快諾したときからのつきあいだ。ネイディーンには出会い系サイトでダメ男にひっかかったりする眉毛のきれいな母と、せっせと筋肉を育てていること以外は特に欠点のない兄がいる。兄は勝ち組、私は負け組とネイディーンは子どもの頃からひがんできた。その兄がよりによって……

これはこれで優勝。

ピタゴラスウィッチかというほど見事なテンポと規模で重なるトラブル。ネイディーンは自殺を決心し、それを担任に伝える。担任は「今から自殺する」という彼女のスピーチを聴いた後、静かにこう言った。「偶然だな。俺もだよ」そして、遺書を読み上げるのだった。

上の「ムーンライト」と同じ日に見ました。

家では麻薬常習者の母に育児放棄され、学校ではいじめられ、というシャロンの姿を見た後では、プール付きの家に住み、クラスメイトの家にもプールがあるようなクラスの高校生がどたばたしているのを見てもぽかーんとしてしまうだけなのではと心配しつつ見始めました。心配は無用でした。始まってすぐ、ぐいぐいとネイディーンの生活に入りこむことに成功し、ラストでは涙をふりしぼられました。

ネイディーンはネイディーンで痛切でした。

始まりは「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」的な語りで、そこで卑屈さや自己嫌悪、ねじまがった自意識がぱっと露わになるので、最初から見る方が主人公よりちょっと上に立たされることに。どちらかというと担任の先生とか、お兄ちゃん、そして親友のクリスタあたりと同じ目線に立って、はらはらどきどき、ははは、ははは、たはははは、……あ〜あ……あーーーーー! と慌てていると終わる。

ネイディーンの最悪の一晩はなかなかの最悪さ。本人からすれば立ち直るのは難しそう。それでも、ある年上の人物が彼女にささやいた「私も最悪のときがあったのよ。時間が解決するわ」という言葉に嘘はないと見ている側はわかっているので、がんばれネイディーン、やけを起こさないで、とりあえず家帰って風呂入って寝ろ、と思う。

そしてこう、つらつらと思い起こしてみるに、大体の映画は「何とかこの時を、生き延びよう」というメッセージを含むと思われるので、この賞自体はまたおいおい考え直すとして、今日は「ムーンライト」と「スウィート 17 モンスター」を続けて見たら意外なことにどっちもとても優しい映画だと思えたよということを書いてもう終わりにします。

ざべすのきまぐれ日記 2017 年 4 月に見た映画

ざべすよ!

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雨子がなんだかわかんないけど忙しいっていうんでかわりに書いています。

4 月は雨子、ぼんやりしていたの。イップマンていう人が好きなんですって。そのイップマンさんの新作があるもんで気もそぞろだったって言うのよ。そっかあ。

 

4月2日 「東京家族」@BSプレミアム

ざべすこれはよく覚えていません。雨子は「なにこれおもしろいどんがらがっしゃーん」とか言っていたわね。酔っ払っていたと思います。ざべすには少し長かったです。末っ子が家族からダメ人間扱いされているんだけど、しっかり働いているし、震災の後は手伝いにも行くし、素敵な恋人がいるし、どこに出しても恥ずかしくない人だと思うのに、どうしてお父さんやお兄さんにわかってもらえないのかわかりませんでした。あれじゃあ、今自分が何を考えていて、どうしたいと思っているかなんてとても言えないと思うわ。でも家族って、もしかしたら、そんな話はしあわないものなのかしら。友だちや恋人とは違うのね。

4月3日 「ホワイトハウス・ダウン」@午後のロードショー

お嬢さんに尊敬されたくて転職活動をしているお父さんが、それはさておき見学に行ったホワイトハウスでテロに巻き込まれて大変というお話。おもしろかったわ。アメリカって、こないだまで大統領がハンサムな人だったでしょう。パートナーの方も素敵な人で。あの人たちがアメリカのみなさんに与えた夢ってこんな感じなんだなあと思いました。

4月6日 「はじまりへの旅」@ヒューマントラストシネマ渋谷

ざべす、これはとっても気に入りました! 山で、街のみんなとは違う暮らしをしている家族がいるの。でも病気で入院していたお母さんが亡くなっちゃうのね。それで家族はそのお母さんの遺言通りに弔わなくちゃいけないっていうんで街に降りるのよ。そこでいろんなことがあって……っていうお話。お父さんの子どもたちに対する「子ども扱い」が街のみんなと違うの。大人って、子どもを害のありそうな食べ物や情報、人から遠ざけようとするでしょ? その「害のありそうな」っていうところの判断基準が全然街の人と違っていて、子どもたちが知りたいって思ったことはちゃんと全部答えるし、答えた上で本も与えるし、ワインは消化にいいからって飲みたければ飲ませるの。それで子どもたちは聴いて、知った上で自分で考えるのよね。「これはぼくにはちょっとまだきついな」って思うと本を返したり。それでこういう話って、極端から極端へ行って、嘘くさいわりに夢も希望もないことになりそうなんだけど、この映画はとってもドリーミングでほんとうなの。あの人たち、ほんとうにいると思うわ。お父さんもがんばったし、子どもたちもがんばりました。それにお母さんもがんばっていたの! ざべすもがんばるわ。

4月14日 「キングコング:髑髏島の巨人」@立川シネマシティ

すっごくおもしろかった! キングコングさんは寝るときどうしているのかしら。それが心配になったわ。だって、あの島で最後の一人なんでしょう。だからあんなに悲しげな目をしているのかしら。カメラマンのお姉さんとじっと見つめ合って何か伝え合うの。素敵だったわ。敵のトカゲも大変ね。後ろ足が退化したかなにかしちゃったんでしょう。どういう仕組みなのかしら。生きているだけで痛かったりしないのかしら。ふーん。あと、人間のみなさんも、せっかく戦争が終わって帰れると思ったのにあんなところに行かされて大変だと思いました。仕事とはいえ、大変すぎるわよ。何とかならなかったのかしら?

4月14日 「T2 トレインスポッティング」@立川シネマシティ

20年前、友だちのお金を盗んで逃げた人が故郷に戻ってきて、それで色々するお話。人生いろいろだなあって思いました。まあまあおもしろかったです。

4月20日 「エイリアン」@DVD

地球に帰れる〜と思ったらなんか変な星に不時着しちゃって、そこの星の生き物に取り憑かれたみたいなことになって大変だっていうお話よ。謎の生き物がほんと強くて怖くて、さすがのざべすも震えました。でもざべすがいたら勝てると思う。

4月20日 「プレデター」@DVD

すっごくおもしろかった! とうめいな敵と戦うの。

4月20日 「エイリアン VS プレデター」@DVD

ちょっとよくわからないところがあったんだけど、雨子が「気にするな」って言うからそれは置いといて……置いといていいのかしら? まあでも、よくわからないから置いとくしかないわね。とうめいな人と黄色い汁を出すさそりが戦うんだけど、それはそもそもとうめいな人がなんでか始めたゲームで、とうめいな人は負けるつもりはなく……うーん、よくわからないわ! ともかく、「動かすな」って言われたのに動かした人にはざべす、とても腹が立ちました。今年見た人で一番きらいです。

4月22日 「グレートウォール」@立川シネマシティ

ヨーロッパの傭兵が火薬を求めて宋っていう国に向かって、長城にいた軍隊にとらわれの身になってしまい、しかし、とうてつっていう妖怪みたいな、王蟲みたいなのがうじゃうじゃうじゃ〜って攻めてくるもんで、単にとらわれているわけにもいかず、みんなと一緒に戦っているうちに、大切なものに気づくというお話です。いいお話でした。とうてつっていう妖怪の仕組みはよくわかりませんでした。

4月23日 「イップマン 継承」@立川シネマシティ

ざべす、これはとっても感銘を受けました。ちょっと泣いてしまったし。出て来る人みんなに「がんばれ」って思いました。イップマンさんがとっても献身的なの。街や人に対して。すごいなあって思いました。