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雨降り

幽霊について

第82回全日本選手権大会@さいたまスーパーアリーナ鑑賞記録 12/22 女子シングル SP

12月22〜23日と、さいたまスーパーアリーナに出かけてきました。まわりでは「チケットが取れなかった」という声も聞かれたので、2 日間だけではありましたが、隅から隅まで楽しんできました。
さいたまスーパーアリーナの正面広場にはクリスマスマーケットが出ており、始まる前にそこで友だちとワインを飲んだり、前日の男子シングル SP の結果について……多くを語らなかったり(胸が…)して、雰囲気を高めていきました。
この日の席は 400 レベルで、リンクからの見た目の階としては 3 階になるのかな? 端っこの席だったので、ひょいっと立てて快適でした。客席のすりばち具合が急なため、多少前かがみになったりしても全く互いに影響がなくて見やすいのも良かったし、演技も良く見えました。
現場で見てみると、意外と遠くからでも表情は見えるというのが、やはり印象的でした。顔立ちはわからないのだけど、「めっちゃ笑ってる」とか「顔、決まってる!」とかは見える。これはいつ見ても不思議。バレエや、フラメンコ、他のダンスなんかでも同じで、客席から演者までが遠くても、表情は見える。顔の情報量ってすごい。この辺り、今井遥安藤美姫浅田真央村上佳菜子鈴木明子らは抜きん出ていたので、「トップスケーター」ってそういうものなんだなあ、と思いました。それから、ジャンプの両足着氷、回転不足、スピンの軸のぶれ、トラヴェリングなどはテレビで見るより「大きなミス」として映るのもわかりました。テレビで見ると「ちょっとしたミス」に見えることが、現場で、広いリンク込みで見ていると、「あっ……」と思うようなミスに見える。反対に、音楽に合ってるかどうかは、テレビよりわかりやすい。同じ音楽の中にいるせいもあるだろうし、テレビでは聞こえない、低音部分とかに対する身体上の反応もあるだろうと思う。上半身よりも、足首や膝、腰がぴたっと音楽にはまってると見応えが増すし、ちょっとしたミスなんかはそれで帳消しになるほど。
テレビでは、10 人の演技が放送されたのですね。テレビに映らなかった選手も素晴らしかったので、長くなりますが、第1グループから順番に一言ずつ、感想をメモしていきます。思い出せるかぎり。

  • 第1グループ
    • 1. 村元哉中「黄金の七人」…エレガント。全身がスウィングしてましたし、動きが滑らかかつポーズがきれいで、大好きな選手です。
    • 2. 松田悠良「Espana Cani 」…3Lo+3Lo! 元気が良くて上手でした。
    • 3. 國分紫苑「パリは燃えているか」…低めのポニーテールに、グレーに赤の差し色の衣装。全体にレミゼのときのラフエンテっぽい方向でお洒落。両日通して、個人的ポニーテール大賞。とても素敵なプログラム、素敵な演技だった。ふわっとしたきれいさと、きりっとしたところ、両方があって。
    • 4. 三原舞依「SAKURA」…3F+3T! かわいかった。
    • 5. 本郷理華「ドン・キホーテ」…ジュニアのチャンピオン登場。大きくて華やかな演技。ラインが昨季よりきれいになってる。これからどんどんきれいになっていきそう。
    • 6. 藤沢亮子「Swan Lake」…上手。もっと行ける。スピンで会場が沸いた。
  • 第2グループ
    • 7. 山田さくら「Harem」…ジャンプでミスが続いたものの、臆してないのが良かった。
    • 8. 小槙香穂「The Artist 」…ちゃんと、「あっ、いい曲だな」って感じがしましたよ。
    • 9. 細田采花「死の舞踏」…とても良かった。「死の舞踏」に乗って、高めにきりっと結んだポニーテールがひゅんひゅんと鳴ってかっこよかった。肩のラインとか、若いのに洗練されてる。美的センスをばりばりと感じた。
    • 10. 安原綾菜「マラゲーニャ」…マラゲーニャな感じあった。
    • 11. 庄司理紗「黒い瞳」…ジュニアからシニアへの移行期にある、ジャンプの不調にはまっているのだろうけれど、この優雅さは貴重。ここ数シーズンは得意な曲というよりはアクセントが強めの曲で、地道に表現の幅を広げているところという印象。似合ってないなと思うような曲もあった。でも彼女の「黒い瞳」はとても素敵。ふわっとしてて、優雅で優しくて良かった。あらためて期待がむくむくとわきおこってきた。
    • 12. 鈴木沙耶「Art On Ice」…氷上に白い衣装きらり、きちっとした演技。
  • 第3グループ
    • 13. 加藤利緒菜「Flower Duet」…コーチに「Anthony Liu」の名前。だからってわけじゃないけど、だからってわけじゃないよ、がんばーーーー! まだ小さいけど上手。スケーティングが滑らかで、結構無茶な組み合わせでもひょいひょい行ける感じ。
    • 14. 谷川詩織「Reflections 」…ミスはありましたが、一所懸命滑りました。ラストの印象は良かった。
    • 15. 木原万莉子「コットン・クラブ」…トム・ディクソン振り付け。すごく良かった。明るい、コミカルな感じとちょっと強気な感じと、うまく演じていました。うまくなりそう。
    • 16. 坂本花織「Anything Goes」…ぽんぽん跳んでノーミス。小さいのにびっくり。2000年生まれかー。
    • 17. 岡本万柚子「Winter Sun」…ジャンプでミスが出たものの、ステップできちっと演技した。
    • 18. 上野沙耶「シェルブールの雨傘」…すっごく良かった。単独の 3Lo の着氷が流れなかったくらいで、後はすべてきちっとまとめたと思う。哀愁をおびたピアノの旋律に合う、素敵な滑り。「シェルブールの雨傘」、いい曲だなあ、っていう感じがした。
  • 第4グループ
    • 19. 宮原知子戦場のメリークリスマス」…いいですね……!
    • 20. 山本真由「to love you more」…ジャンプでミスが続いてしまったんですが、スピンは上手でしたし、会場をわかせる瞬間もありました。
    • 21. 大庭雅テンペスト」…大きい。3Lo+3Lo の予定が単独に。…と思ったら次の 3S にあっさり 3T をつける。すごい! バレエとも違う、ダンスとも違う、何とも見えない、「大庭雅の動き」としか言いようのない動き。スケールが大きい。好き。門奈先生はもっと点数が出ると予想していたところ、本人はもっと出ないと予想していた(最初のジャンプがつまったのと、トランジッションが本人としては良くなかった)とか。ジャンプがつまっちゃったのとかは、傍で見てるより本人が一番「ああ、やっちゃった!」っていう感じがするのかな。
    • 22. 西野友毬「黄昏のワルツ」…あーん。ジャンプでミスが続いて、コンビネーション入らず。ああ、SP 怖い。この人とか、大庭雅、それに安藤美姫のような、バレエでもダンスでもない、その人が音楽に合せて動いているとしかいいようのない動きが好きで、こういう選手がいることこそがフィギュアスケートの楽しみの一つだと思っているので……うまくいくといいなあ、と。彼女はいつも不思議とぴたっとはまる曲を選んでいるというので、基本的にスタッフに恵まれているのだろうとは思います。この曲も、良かった。
    • 23. 中塩美悠「フォッシー」…東日本選手権優勝者に続いて、西日本選手権優勝の選手。クリーンできちっとした演技。
    • 24. 今井遥メンデルスゾーン 無言歌 op.109」…すごいスピード。びゅんびゅん行く。3S+3T を含む、クリーンかつびゅんびゅんした演技。一時期より荒っぽい気もするけれど、ちょっと荒っぽいくらいのが、彼女には合うのかも。
  • 第5グループ
    • 6 分間練習…華やかにリンクイン。世界でもトップをはるスケーターがわっとリンクに一斉に飛び出していく様はほんとにかっこいい。安藤美姫は先ず最初に中央でしゅびっとした 3S を決めると、後はいつも通り、リンクの際のところを慎重に走りながら、ジャンプを順番に確認していってました。
    • 25. 安藤美姫「My Way」…質の良い 3T+3T と 3Lz の入った SP を披露してくれたという事実にまず感激。私はやはりこの人のつくりだすラインが好きだし、この人の長い腕が指し示す先が好きだし、この人がリンクの上にいるというだけで幸せを感じる。しかも、3+3 とルッツ込みの SP を見せてくれるなんて。
    • 26. 浅田真央ノクターン」…なんかよくわかんないけど、素晴らしかった。疲れてるのかなという感じはしたけれども、この人独特の、なんて言ったらいいか……すーっとしたきれいさがあって、良かった。個性的だと思う。
    • 27. 森衣吹「The Question Of You」…ジャンプでミスが出て、コンビネーションが入らなかったもんで……。でも、きちっと最後まで踊ったので、印象は全然悪くなかった。
    • 28. 友滝佳子トゥーランドット」…最近の若い子はみんなスピンが上手ですね。彼女もジャンプでひとつミスがあったのですが、スピンでプログラムをひきしめていました。
    • 29. 村上佳菜子「バイオリン・ミューズ」…良かった。こうして以前のプログラムを滑ってみると、あのときのような力みや強引さがなくなってきているのがよくわかる。それに、今回見てみて、「あ、この曲って、こういう曲だったんだ」というのもびしばしと感じた。「ああ、こういうリズムだったんだ」と、彼女の滑りを見て知った。
    • 30. 鈴木明子「愛の讃歌」…この冬のヒロイン。もちろん、全日本に出場した30人全員がヒロインで、もっと言えば「誰かにとってのヒロイン」なわけだけど、この冬、この季節のヒロインは、鈴木明子だと思う。鈴木明子が、バンクーバーで、あるいは「屋根の上のバイオリン弾き」で競技生活を終えてなくて、ほんとに良かった。この冬、最高の幸せを味わった。

 

と、まるで「最終回」のようなノリで書いてしまいましたが、もちろん、三日目、12月23日編に続きます。