雨降り

幽霊について

第82回全日本選手権大会@さいたまスーパーアリーナ鑑賞記録 12/23 女子シングル FS


 
この日も友人たちとワインを飲んだりしつつ、会場入り。お弁当に持っていった柿の葉寿司を「歌舞伎か!」と笑われたり、謎のお菓子を配ったり、わけてもらったお菓子を速攻でなくしたりしつつ。
席は前日より少しだけ地上に近い 300 レベルの、A 席でした。後ろが壁で、ゆったりできる席。そこでポンジュース餅を食べたり、柿の葉寿司を食べたりしながら見ていました。
(以下、メモを見ながら書きますが、情報としては不正確なものであるおそれがあります。特にジャンプの種類)
(基本的に、「残念」というような演技はひとつもなかったと思います。その記憶だけは確かです)
 

  • 第1グループ
    • ここで庄司理紗西野友毬といった選手が出てきてしまうということにこの競技のハードさを感じました。
    • 1. 安原綾菜「江 姫たちの戦国」…そうか、「江」って音楽は良かったんだなと思いつつ。PCS、40〜の演技。
    • 2. 三原舞依「ウエストサイド物語」…ぴょんぴょん跳んでた。3連続が 2A+3T+2T でびっくり。会場、いきなり盛り上がる。PCS、43〜。
    • 3. 友滝佳子「アメリ」…「アメリ」はどうしてこうスケートと合うんだろうなあ、などと考えていました。3S+3Lo を…跳んでた、ような気がする……。PCS、44〜。
    • 4. 庄司理紗コルンゴルドのヴァイオリン協奏曲ニ長調」…ああ、いい曲……。スピンのとこが、音楽的に聴かせどころになってるのも良かったし、全体的にくるくるふわふわとまわっていて、お花のようだったわあ。サーキュラーステップ、見応えがありました。要素ひとつひとつを丁寧に見せつつ、全体としてもゆっくりと、美しく展開していく上品で素敵なプログラムでした。PCS、47〜で、フィンランディアあたりと同様の評価。
    • 5. 西野友毬「こうもり」…シーズン初頭と違って、スピードも出ていたし、全体のムードも良かった。不思議な上品さ。PCS、49〜で得点も出てます。
    • 6. 國分紫苑オペラ座の怪人」…2日連続ポニテ。良かった。オペラ座は下手をするとせかせかしたプログラムになりがちなのですが、これは華やかでドラマチックなだけでなく、どこか静けさもある、素敵なプログラムでした。3S をこらえたのが印象的でした。PCS、44〜。
  • 第2グループ
    • お気に入りプログラム続出で悶絶グループ。
    • 7. 加藤莉緒菜「エリザベス ゴールデン・エイジ」…大きなジャンプ。成功しても失敗しても見応えがあった。疾走感があって良かった。PCS、48〜。
    • 8. 小慎香穂「ガーシュウィン ピアノコンチェルト」…ミスは最小におさえて、よくスピードに乗って演技をしていました。
    • 9. 細田采花「Rag Time」…うーん、お洒落。この日もきりっと高く結んだポニーテール。そして、ミスがなかったような気がする。最初から最後までお洒落でキュートで、見ているこちらがずっと音楽に集中していられました。とっても素敵。PCS、48.32で評価もされたんじゃないでしょうか。
    • 10. 藤沢亮子「ジゼル」…上品で良かった。PCSは、45.92。
    • 11. 村元哉中「カルメン」…このカルメン、素敵! とてもポーズが美しい選手。3階からでもはっきりと背中や指先の演技が見える。ジャンプがいくつか回転できず終ってしまったのが残念。入ったトリプルが 3T だけで、3S だけはなんとしても入れたかっただろうと思うんですけど、タイミングが合わず。それでも PCS で52.08 の高評価。納得。
    • 12. 松田悠良「Crazy for you」…ポニテでぴょんぴょん跳んで見せてくれました。ジャンプのミスはほとんどなかったんじゃないかなあ。PCS、46.64。
  • 第3グループ
    • 最終入り候補グループ。
    • 13. 上野沙耶「序奏とロンド・カプリチオーゾ」…上手。後半に行くにしたがって良くなっていったので、現時点でももっとできるんだと思う。PCSは、49.68で高評価。そういう感じだった。上野沙耶さん。覚えたよ!
    • 14. 坂本花織「アラジン」…最初の 3Lz や 2A からのコンビネーションでミスが出、「がんばれ」的なムードが立ち込めたところで、3S+3T を入れたりしたので、場内ざわめきが。回転不足とはいえ、3S+3T って後半に跳んでいいジャンプか? 終盤は集中できたみたいで、クリーンに。一所懸命滑ってました。PCSは、44.56。
    • 15. 中塩美悠「アランフェス協奏曲」…スムーズなプログラム。衣装の色がきれいだった。首の表情を工夫してたのが3階席からでもよく見えました。ジャンプも正しく跳ぼうとしていて、良かった。3Lz も正しいエッジで跳べるようになりそうなムード。PCS、48.56。
    • 16. 本郷理華「ミス・サイゴン」…3Lz のエッジと、後半に入っていからの 2A+3T の回転不足以外にミスがない。すごい。ステップが音楽にはまっていて、ムードが良かった。曲のスケールにちゃんと合っていて、ドラマチックでした。PCSは、54.00で、この演技から会場がぐっと熱くなった。
    • 17. 木原万莉子「真夏の夜の夢」…「真夏の夜の夢」! こうして wrong edge のルッツをたてつづけに見ると、ルッツって難しいんだなあと思う。とはいえ木原選手も基本的に上手できれい。レイバックスピン、きれいだった。PCS は 48.88。
    • 18. 大庭雅レ・ミゼラブル」…いろいろびっくりした。なんかそう言えば 6 分間練習のときに……? まあ、最初から言おうか。まず、ブルーの素敵衣装ですよ。背中の開いた、かっこいい衣装にポニーテール、長い手足。それをまずジャッジに魅せつける! ♪ちゃっちゃー! で、なにげに 3A! だが転倒! だが転倒がどうした! 次の 3F は余裕で決めますよ。思わず加点ばーんですよ。そして曲がかわりシットスピンが、最近の子は最初からうまいなあ。3S なんか、息するみたいに跳んで、次のステップのスケールが大きいこと! なんというスムーズなプログラム。途中でコゼットの声が聞こえたよ! コゼットのお母ちゃんの声込で! PCS、51.20。やったー!
  • 最終グループ
    • 6分間練習…はっと、後から振り向いてみれば、最終にいるべき6人がちゃんと最終にいる。すごいメンバーだなあ。個性的で明るくて華やかな6人。総じて、良い感じの仕上がりに見えました。安藤美姫はやはりリンクの際をゆっくり進みながらジャンプをチェック。おわりごろに跳んだ 3S+3Lo、素晴らしかった!
    • 19. 宮原知子「Poeta」…上手! この状況でこのクリーンさ。この先生のとこの子は昔からそうだけど、音楽を大事にするよね。PCSは、60.56。
    • 20. 鈴木明子オペラ座の怪人」…ああ! 2A+3T がきれいに決まって、そこでもうぶわっと涙が出ちゃったんだけど、「これは見なきゃ!」と目を見開きました。フライングキャメルの途中で伸ばす腕にすら物語を感じた。ステップシークエンスでふっと立ちどまると、そこから飛んでいきそうに見えたし、音と音の隙間にも意味を感じたし、曲と曲の変わり目がスムーズでひとつの曲に聞こえたし、痛みと苦しみと喜びが無理なく共存していた。先生! PCSは、72.88!
    • 21. 安藤美姫火の鳥」…最後の FS の PCS は、59.68。リンクインした瞬間、あまりに美しくて涙が出た。でも「これは見なきゃ!」と目を凝らした。美しかった。磨きぬかれた 3Lz+2Lo とフライングシットスピン、意地の 2A+3T の後のコンビネーションスピンで足を変えた後、2つ目のポジション、そしてその後、曲が変わった時の、全身のライン。いま、音楽が聞こえてきた、というような表情、どこから聞こえる音楽なのか、確かめようとするような、メロディラインそのものであろうとするようなスケート、何度もトライするサルコウからのコンビネーション、美しかった。この曲、大好き。きっとこれからまたうまくなる。彼女にとって、最後まで試合が「挑戦の場」であったことが素晴らしい。これからまた、別の挑戦をしながらスケートを続けていくんだろうなという、次の夢を見せてくれた。リンクを降りるとき、もう一度振り向いて大きく手を振ってくれた姿が目に焼き付いている。次の選手がスタンバイしているので、やめなきゃいけないんだけど、どうしても拍手が止められない私たちに向かってもう一度手を振った姿が目に焼き付いている。
    • 22. 今井遥「恋人たちの夢」…フレッシュ!! 涙のとまらない私を 0.5 秒で振り向かせた。終盤の 2A 以外ミスなし、しかも疾走感と可憐さの共存という彼女にしか出来ない演技を見せてくれた。素敵! PCSは、61.44。やった!
    • 23. 村上佳菜子「Papa, can you hear me ?」…愛らしか。今井遥とはまた違う疾走感。この音楽をわかってる感じがする。音楽表現の方向性が Perfume で言うとのっちだね! PCS は納得の 66.00。3階からもはっきりと見えるその表情に切なくなったり幸せになったり、オレは忙しかった。そして泣いたね。
    • 24. 浅田真央ラフマニノフのピアコン二番」…スケート、きれいになったなあ。滑ってるっていうより、飛んでるように見えるところが増えた。きれいさの方向が個性的で、うまく説明できない。一番きつそうなところで笑顔がこぼれるのが素敵。PCS、70.80。

 
この日のことは、とても素敵な時間で、一生忘れられないと思う。こんなこと、そうそう、ない。それぞれの来し方があって、達成できること、できないことがあって、見られる夢とそうでない夢があって、その全部がかけがえのないことだと思える瞬間は、そうそうない。忘れないようにしようと思う。