プール雨

幽霊について

ゴールド「エル・チョクロ」、マイナー「New York State of Mind」、マライア・ベル 「7月4日に生まれて」、宮原「ため息」、ジェイソン・ブラウン「ピアノレッスン」、アモディオ「Winston Churchill's Boy、Nemesis」

GPS Skate America が先週末にあって、男女シングルの演技を BS 朝日でゆっくり見ることができました。

SP ではグレイシー・ゴールドの「エル・チョクロ」とロス・マイナーの「New York State of Mind」が印象的でした。

グレイシーはスピン二つ終了後、その流れの中でシャーロットスパイラルを入れて 2A を跳び、降りた右足で流れを変えずゆっくりとターンして、そこで曲調が変わるというのが何とも言えずキュートでゴージャスでした。バレエジャンプ入りのステップシークエンスも見応えがありました。

マイナーはまずスターティングポジションがかっこよかった。アクセントの強いピアノの音に合わせて(技術要素のジャンプとは別に)ぴょんぴょん跳ぶのが、姿勢の良いマイナーにぴったり合っていました。クライマックスでのバレエジャンプからのイーグル、とても楽しい。憂鬱すぎなくて良かった。

FS ではマライア・ベル「7月4日に生まれて」、宮原知子「ため息(リスト)」、フローラン・アモディオ「Winston Churchill's Boy、Nemesis」、ジェイソン・ブラウン「ピアノレッスン」が気に入りました。

マライア・ベルはまだ若いんですが、体の動かし方がきれいで音楽的で印象が強かったです。特に腕の動かし方がきれいなこと、スピンが美しいこと、技から技への移行が丁寧で切れ目がないことなどが印象に残りました。ジェイソン・ブラウンと同じ、コリ・エイド先生のチームだとかで、すごいリンクだなあと思いました。

宮原知子も丁寧で四肢の伸ばし方が大きくて見応えがありました。彼女の所属しているリンクもみんなスケートがきれいで、優秀なチームだなと思います。

アモディオのフリーは、シーズン序盤だというのに最初から「あっ、いい曲だな」と思わせるものがあって、そこが素晴らしいです。特に序盤は歌とピアノだけのトラックにぴたーっと動きが合っていて、音符に無関係な動きが一切なく見応えがあります。ドラムが入ったときに膝でビートを刻むのも素敵だし。すごく充実した 120 分ある映画のクライマックス直前の一番ぞくぞくする場面を見ているような感じで感銘を受けました。

ジェイソンは「ピアノレッスン」から「愛の香気」という、この選曲からして好み。この、ちょっと儚いような美しさのある曲に、躍動感を与えるジェイソンのスケート。技の一つ一つも見応えがあって、あっという間に終わってしまいます。緊張感のあるシリアスな映画に登場する、明るい若手スターという感じがおもしろいと思いました。

創造的な演技が多くて楽しい大会でした。