プール雨

幽霊について

決壊

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映画『ヘリオス 赤い諜報戦』公式サイト

原題:赤道 Helios

監督:リョン・ロクマン、サニー・ルク

2015 年 中国

韓国で超小型核兵器 DC-8 が奪われるという事件が発生する。首謀者は謎の組織「ヘリオス」。香港警察は彼らが香港でこの兵器の取引を行うという情報をつかみ、韓国から核の専門家チームを迎え、核兵器の奪取、そして韓国政府への返還を狙うが……

印象としては「決壊した」という感じで、ラストの奔流にすっかり流された気持ちになりました。客電がついて、映画館のスタッフがドアを開けてくれて「ありがとうございましたー」と言ってくれて、それで私、「で、あなたこの映画、どう思います……?」って過去最大に聞きたかったです。その方、映画が始まる前にカウンターの中でジャッキー・チェンの話をしていたので。

映画が始まる前といえば、予告で、ローマ帝国と中国の戦いっていうのが流れて、そういう伝説があるのかもしれませんけど、その場合ローマも中国も果てしなく範囲が広いわけで、どこまで領域を広げた話なのか、そして予告とはいえそれをローマとか中国とか呼ぶのはありなのかとか思いました。

クライム・アクションに期待することは大体収まっていて、終盤近くに吹き抜けの上から見る階段のショットまで入って、入れたいもので入れられるものは何でも入れてやるという気概を感じました。

でも話自体は支離滅裂で、さすがにここまでやってしまうと、うまく行かないなと感じました。脚本はめちゃくちゃでも乗れてしまうっていうことはあると思います。「カンフー・ジャングル」は「あれっ」っていうことの連続だし、「MOZU」は基本的に何が起こってるかわからない。でもドニー・イェンの必死な姿を見たら、西島秀俊のぎりぎりな姿を見たら、「間違っているのはわかっているけど、最後までつきあうよ」という気分になります。

映画には「間違っているのはわかってるけど、最後までつきあうしかない」っていうことだってあるわけで、最後までつきあわせてくれたらそれでいいってこともあるわけで。