プール雨

幽霊について

マギーはやたらと計画を立てる

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原題:Maggie's Plan

監督・脚本:レベッカ・ミラー

撮影:サム・レビ

2015 年 アメリカ

 マギーは恋人と長続きしないのが悩み。それでついに結婚はあきらめ、信頼できる友人から精子提供を受け、子どもだけは産みたいと計画中。そんな中、自分と似た名字を持つ文化人類学者のジョンと知り合い、彼の書きかけの小説を読むうち、うっかり恋に落ちてしまう。ジョンには同じ文化人類学者のジョーゼットという妻と、二人の子どもがいた。

マギーはせかせかと大股で出勤する。ダイエットのためだと言うが、いつ見ても大股でごつごつと歩いているので、そういう歩き方なのだと思う。

彼女には何かと世話を焼いてくれる友人夫婦がいる。フェリシアはマギーの同僚で親友、フェリシアの夫トニーは学生時代、マギーとつきあったこともあるが、全然続かなくて(45 日とか言っていたかな?)、今は弁護士。

マギーが精子提供を受けようとしているガイも大学の同級生だ。

学生時代から続いている友人がいて、仕事にも献身的。マギーはちょっと突拍子もないし、そそっかしいところもあるが、正直者で真剣で、なかなかいい人だ。いつも真剣で大真面目。あれこれ世話を焼いしてしまうフェリシアやトニーの気持ちもわかる。こんな人、目の前にいたら気になって思わずちょっかい出してしまうし、第一おもしろくてたまらないだろう。

まさかそのマギーが不倫の恋なんて……いや、いかにもありそうな話だ。マギーはうっかりしているから。知り合って、「この人どういう人かしら」とか「どういうつもりかしら」とかいちいち考えない。頭の先からつま先までチェックしたりしない。「君の話をして」と言われると、そうだなあ、と亡き母の話をしてしまう。一人で幼い自分を育ててくれた母との、大慌てだったけど幸せな日々の話。それでちょっと苦いけれど、何とも言えず幸せな気持ちになってしまう。それが相手にも伝わる。なんてうっかりしているんだろう。

一方ジョンは自分が書いている小説の読者が欲しかった。妻は多忙で相手をしてくれない。そこに公園を大股でつっきる愉快なマギーが現れた。ジョンの書きかけの小説を読んで楽しむマギー。ジョンにはマギーこそが自分の小説の宛先であるように思えた。ジョンもまた、相当うっかりしている。ちょっとばかなのかもしれない、二人共。

まあでも、なかなかいい人たちでした。

子どもたちにとってはたまらないけど、あのしっかりして優しい子がいつか自分もうっかり恋をして、ばかになって、ジョーゼットには相談できずマギーに相談したりするだろう。そして思い切り、両親が離婚して辛かった日々のうっぷんを彼女にぶちまけて、後悔したり、でもすっきりしたりする。

そんなこともあるだろうな、マギーなら。