プール雨

幽霊について

開幕! 夏のファン・ジョンミン祭り

アジアのアイドル、世界のアイドル、ファン・ジョンミン。

みんな大好きファン・ジョンミン。

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『華麗なるリベンジ』では罠にはめられる検事、『コクソン』ではジャージのアップリケが印象的な霊媒師、『傷だらけのふたり』ではカタギに恋する闇金のお兄さん、そして『新しき世界』ではチョン・チョン……チョン・チョン、チョン・チョンに会いたいよ〜〜〜〜!!

というわけで、正気を保つために「ファン・ジョンミン祭り」を開催しました。

 

8 月 3 日『国際市場で逢いましょう』(録画)

ファン・ジョンミンは朝鮮戦争のときに離ればなれになってしまった父と妹を探しながら働きぬいたユン・ドクス。老人になったドクスが孫の手を往来で離しそうになった瞬間、彼は少年時代に引き戻される。妹の手をつかんで興南から脱出しようと必死で走った日に。第二次世界大戦朝鮮戦争ベトナム戦争も終わって、今は穏やかに日々を暮らしているのに、ドクスは辛かったときをつい、思い出してしまう。

すべては基本的にドクスの思い出として語られます。そのためなのか、朝鮮戦争、西ドイツの炭鉱への出稼ぎ、ベトナム戦争と、とても過酷な思い出なのに、過酷すぎないというか、どこか「お話」めいていて、それが良いと思いました。

このドクスが誰にむかってその思い出を語っているのか、誰に話しかけているのか、ということは終盤明らかになります。だから、一生をともにした友人がいたこと、辛い出稼ぎの最中にすてきな女性にあって恋に落ちて結婚したことなどは、とりわけじっくり語られていくことになり、「そのため」と言ったらいいのか、「なのにむしろ」と言ったらいいのか迷うところですが、語りながら「辛かった、辛かったよ」と泣き崩れる場面がより胸にせまりました。友だちがいるんだ、妻もいるし、店も開いたよと素朴に来し方を語ってきたその筆致とのギャップが鮮烈で、今、思い出しても、喉の奥がぎゅっとなります。

このユン・ドクスという人物の青年時代から現在の老年までを一人で演じきるファン・ジョンミン。ということは、当然、一生をともにした親友(オ・ダルス)と妻(キム・ユンジン)も、一人の俳優が演じきったわけで、その思い切りがすばらしいです。

おすすめです!

 

8 月 14 日『工作 黒金星と呼ばれた男』(シネマート新宿)

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ばばん

金大中が大統領になれるかどうか、そして北朝鮮核武装してしまうかどうかと揺れる韓国で、北朝鮮に潜入するスパイ、パク・ソギョンがファン・ジョンミン。作戦は、実業家を装い、広告代理店を巻き込み、北朝鮮で CM 撮影をとりつけ、さらには観光の誘致も狙っているとアピールし、核開発の情報に近づくこと。

ソギョンが作戦を遂行する最中にも国境で北朝鮮による軍事行動が行われ、朝鮮半島の情勢は緊迫する。しかし、そこでソギョンは、なんだこれは、どういうことだと違和感をもつ。ひとりの部屋で銃の重みを確かめ、考えながら自分のこめかみに当ててみる。銃口を感じながら、一体だれがだれに銃口を向けているんだ? と考える。

ソギョンの作戦が進行すれば、北朝鮮と韓国の交流は広がり、朝鮮半島統一への機運は高まるはずだった。これはそうした、長いスパンの作戦だったはず。

なのに、思いがけないところから思いがけない横やりが入る。

これは一体何だ、だれがだれに銃口を向けているんだ? と考えぬいたソギョンは賭けに出る。「真実を口にする」という賭けに。ふたりの人間がまっすぐ前を向き、直立不動の姿勢で、真実を語るシーンのアクションに、私も自分の首が絞められているような感覚を味わいました。

スパイものでバディものでもあり、冒険映画でもあり、歴史映画でもありました。

大ヒット上映中。私が結末まですべてを書ききってしまう前に劇場でご覧ください。おすすめです!

 

8 月 18 日『ベテラン』(録画)

ヤング・アソータローのようなドラ息子対ファン・ジョンミン。ファン・ジョンミンはオ・ダルス室長率いるチームで働く刑事、ソ・ドチョル。冒頭の二つの逮捕劇はとにかく楽しい。車のトランクの中からファン・ジョンミンがくるーんと登場するシーンなどはほんとにただ単に私たちを楽しませようとしているとしか思えない。

事件が起こるのはそのあとで、賃金不払い、不当解雇などの改善を求める労働争議中に、大企業の社屋でひとりの男が自殺をはかる。一命はとりとめたものの、意識が戻ることは期待できそうにない。

これは財閥のドラ息子のやらかしの結果なのだが、ドラ息子の手法は暴力を知り尽くしたもののそれで、『マッドマックス』のあれと同じ質と水準を維持している。やっぱり、悪いやつの悪い行動というのはそれほどオリジナリティあるものではないらしく、大体、「改竄&隠蔽する」、「攻撃対象自身ではなく、まずまわりを攻撃する」、「賄賂で抱き込み巻き込む」といったことに終始する。まとめると、単独で行動している個人を暴力の構造に巻き込んで抜け出せないようにして支配することに尽きるわけで、これに対抗するには、「ちょっとした改竄」だとか「ちょっとした賄賂」だとかの時点でつっぱねる肝の太さが必要で、それを短時間にびしっと表現するのが、ソ・ドチョルの妻、イ・ジュヨン。ドラ息子の秘書から現金の詰まったブランドもののをバッグを手渡されるや、「これ、持ってるわ。意外とつかいにくいのよ」と言いながら、中からその現金を出し、喫茶店のまわりの客に見えるように、聞こえるように、「なにこれ!?」と言う。そして、その足で警察に赴き、ソ・ドチョルに顛末を話し、決然と言い放つ。

「堂々と生きましょ」

ソ・ドチョル、よかったね。

ソ・トチョル、なんとすばらしい妻と人生をともにしているの?

もちろんドチョル本人もすてきです。財閥のドラ息子は当然、警察の幹部ともつながっていて、ぐいぐい巻き込み、捜査を妨害します。

そんなことであきらめるドチョルではありません。あきらめないドチョルとチームは粘り強く捜査を重ね、証人を見つけ出し、徐々に包囲網をせばめていきます。その彼が、ヤング・アソータローの秘書にかける言葉が印象的です。ヤング・アソータローの秘書はすべての罪を自分がかぶって自首することで事態の収拾をはかろうとします。秘書にドチョルは尋ねます。

「(ドラ息子が)謝罪すれば済むことなのに、なぜ?」

ほんとだよ。

ほんと、そうよ。問題を明らかにすれば済むことなのに、なぜいちいち改竄&隠蔽&懐柔&脅迫&暴力に打って出るのでしょう。時間もお金も人間ももったいないじゃん。

あまりにおもしろくて、ラストまで書いてしまうところでした。

とにかく、おすすめです!

 

まとめ

ファン・ジョンミンにはずれなし。

ここで問題です。以下の画像は、私が上記の映画を見ている最中に残したメモです。一体、どの映画について書いたものでしょう。

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今村夏子芥川賞受賞記念読書会

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ばばん

何人かいる、新作が出たら即買って読む作家のひとり、今村夏子が『むらさきのスカートの女』で芥川賞を受賞しまして、記念に読書会をしました。以前から「今村夏子で読書会したいね」とは話題にあがっていたので、よい機会となりました。

声をかけてくださったみなみ(id:south-NewWell)さん、ありがとうございました。

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じゃじゃん

会場は本とコーヒーとビールの街、西荻窪にある、BREWBOOKS(麦酒と書斎のある本屋)さんです。

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かわいい街のかわいい本屋さん

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こんな書店がわが街にもほしい……

みんなが到着する前につい、買い物。

「どこかいいところで出くわしたら買いたいな」と頭の隅に置いている本が次から次へと見つかる書店で、「ここでこれ見つかったから、もう買わなきゃいけないな」とあきらめがつきます。西荻散歩の際にはぜひ寄りたい場所です。

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この書店に来て手ぶらで帰れようか

ちなみに、この BREWBOOKS さんのそばにタビーという文具店もあって、ついそこでも便せんと封筒を買ってしまいました。

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これで手紙を書かざるをえない

会場の書斎はこんな感じです。ここにテーブルを出していただいて、四人で食べたり飲んだりしながら、『こちらあみ子』を中心におしゃべりしましょうという趣向です。

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旅館ぽい!

とりあえず、暑かったので一杯。乾杯!

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久我山の工房で醸されているクラフトビール

おのおの持ち寄ったおつまみ。私はなぜか「今日は飛び込みで若い人がいらっしゃるかもしれない」という思い込みにとらわれ、コロッケを大量に買ってしまいました。でも、女性四人で、コロッケをいくつも食べられるわけはなく、残りは持って帰って食べました。

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女子会から遠く離れて

『こちらあみ子』は、語り手とあみ子の距離が近いので、全体像がわかるのにすこし時間がかかること、そして状況がわかっても、あみ子から距離を取れるわけではないので彼女がはっきりと言葉にしていない疎外感の種みたいなものにつきまとわれて、「疎外感」という言葉を口にするよりずっと辛い状況に置かれること、それでいながら、他の登場人物の置かれている状況もわかって、これまた辛いことなどなどを吐露しあいました。

私はあみ子に限らず今村夏子の小説を読むと、疎外感(のようなもの)を味わっていた生家でのことを思い出して、それが引き金となるのか、大体こわい夢を見ます。『むらさきのスカートの女』を読んだ夜は、13 階段を上がった先に自分の部屋があって、その部屋にたどりつくまでのアプローチがゴミためになっていて、そのゴミをよけつつドアを開けると、中で弟がゲームをしているので、「お願いだから私の部屋から出て行ってくれ。私は何も思い通りになることがないのだから、私の部屋から出て行くくらい、してくれたっていいでしょう」と泣きながら弟に頼むのだけど、弟はこちらに顔を見せることもなく、ゲームをしつづけ、するうちに視界の隅には父親までいることがわかって、二人に泣きながら出て行ってくれと懇願するものの、彼らは反応すらしてくれないという悪夢を見て夜中に目を覚ましました。

泣きながら家族に懇願するが、耳をかしてもらえないというのはよく見る夢です。

あみ子は「こちらあみ子です」とトランシーバーに話しかけるけれども、それが誰にもつながらず、彼女がついに死者に語りかけようとするする辺りはあまりに切ないです。でも、彼女が意図しない、意識しないところでその声をふっと兄が聞いたり、同級生が聞いたりし、ラストでは祖母の声を彼女が大きく受けとめ、そんな、望んだり意識したりしたところとは別のところから彼女の元に届く声が「ある」ということがとてもうれしかった。

今回、こういう機会があって、あみ子を再読して、初めて読んだときよりもさらにわっと震えるような感じをおぼえましたし、切ない、辛いだけではなく、彼女に誰かが声を届け、彼女がそれを真剣に受けとめる(受けとめたいと願う)という場面が終盤繰り返されることで、何といったらよいかわからないのですが、いちばん近い言葉としては「よかった」というような気持ちになりました。

こういう体験はやっぱり小説ならではだし、そして今村夏子ならではだと思うので、おすすめです!

 

こちらあみ子 (ちくま文庫)

こちらあみ子 (ちくま文庫)

 
あひる (角川文庫)

あひる (角川文庫)

 
星の子

星の子

 

そしてそのあとは盛大に愚痴大会へと突入してしまい、しかし「こんな愚痴はここでなきゃ話せないから」と、お互い思い切り話して、それぞれに悩みを言語化しあいつつ、最終的にはにこにこと、また読書会しましょうと解散しました。 

私たちの絵

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じゃん

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じゃじゃん


日本銀行の脇を通って、

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じゃん

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じゃじゃん

三越だ〜。「今日は帝劇 明日は三越」の三越だ〜と思いつつ歩く日本橋です。

日本橋、ぺかぺかしていて、心なしか他の街より暑かったです。実際この日は暑かったので、どこにいても暑かったのでしょうけど、街がまぶしくて。あんまり逃げ場所もないし。

そんな颯爽とした街を、へろへろと歩いて、三井記念美術館で開催中の『日本の素朴絵 ゆるい、かわいい、たのしい美術』を見てきました。

www.artagenda.jp

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じゃ〜ん

長い日本美術の歴史上、表だっては出てこないものの、時々ちらっちらっと私たちの前に姿を現しては「……!?」という反応を引き出してきた素朴絵が一堂に会しました。

七つある展示室の二つ目を見終えるころにはすでに「……これ、どうやって集めたんだろう?」と不思議な気持ちになりました。

そもそもこの「素朴絵」は矢島新が提唱する新概念。

リアリズムを目指さないおおらかな具象画というほどの意味をもたせようとしたのだが、新たな言葉を造ったのは、日本語の中にも適当な言葉が見当たらなかったからだ。

      矢島新「素朴絵の系譜」『特別展 日本の素朴絵』図録より

日本の素朴絵

日本の素朴絵

 

これまで、ひとつのまとまりとして対象化されることのなかったものにスポットを当てているので、それには確かに新しい言葉が必要です。

おもしろいなあと思ったのは、この展覧会の英文タイトルをめぐってのどたばたです。「素朴」の訳語がみつからないのです! simple でもない、naive でもない、unsophiscated でもない、と専門家とともに検討に検討を重ねてたどり着いたタイトルは " Soboku-e : Japanese Innocent Paintings through the Ages "。Innocent かあ。主催者側はまだ、ぴたっと納得しているわけではないそうです。それでも Innocent で行こう! と飛躍して決着した瞬間を想像するとおもしろいです。

" through the Ages " ってことですが、これがほんとに時間的にかなり長いスパンで、古墳時代から江戸後期の南画や禅画までを一挙に見ることになりました。たっぷりしていました。

描き手はいわゆる庶民ということになるのですが、時々、「あっ、これは描ける人がさらさらっと描いたんだな」という、プロによる素朴絵もあって、そうするとさら〜っと見られる。うまいって確かにすごいです。

でも、うまくないけど一所懸命な絵はぎくしゃくしていて、見ていてすっと次に移れない、一回一回つまずくような感じがあって、とっても楽しかったです。

図録やグッズも充実していました。

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素朴絵グッズの数々

図録の角が丸いのでとてもうれしいです。めくりやすくなるのです。

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角が丸い本、久しぶりでうれしい

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めくりやすく、かわいらしい

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たまらないかわいさ

ふあ〜っとぼんやりした調子で表に出ると、そこは灼熱の日本橋。島根の料理が食べられるお店があったのでぱっと入って島根名物のがいな丼をいただきました。

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ぺろりと食べてしまいました

最後はお出汁を入れて、お茶漬け風にして食べるのです。おいしいものでした。このあと、長崎の物産館にも寄って、そこで「長崎出身の方ですか?」と期待をこめた目で見つめられたり、買おうとした石けんが意外と高価でびっくりしたりしつつ帰ってきました。

 

おわり






 

幸子さん


Juice=Juice『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』(Promotion Edit)

今年の上半期に話題だったこの曲が私、びたいちもんぴんとこなかったのです。

先に言っておきますと、全部私の責任です。

時は 2016 年。

年末の音楽番組を見ておりまして、「今年、10 代に人気だった曲ベスト10!」的なくだりが始まりました。その数年前から、「一年でいちばん売り上げがあった曲を、年末時点で聴いたことがない」という事態は展開中だったので、「今年もそうだろうな、おまけに 10 代じゃ、無関係だもの」とか思いつつ見ていたら、なんと 1 〜 3 位のバンド(パフォーマー)名が読めなかったのです。「名前くらいは見たことあるけど、よく知らないなあ」という余裕すらない、「読めない」。

それで、「これはついに私もきたな」とあきらめ、もう、以後そういうランキング番組とか見るのはやめました。

 簡単にいうと、「あとはわかいもんにまかせた」と思いました。

まあ、だって、じぶんちにある CD 聞きこなすのだったできてるかどうかあやしいのに、新しいのにちょっかい出してどうする。

そんな、ナイス・エイジな人が言うことなので、この「『ひとりで生きられそう』って……」が好きな方にとってはほんとに、「ねじれの位置」といいますか、無関係といいますか、おそらく、まったく理解できないことを申し上げることになると思いますが、私はこれを聞いて、「これは、聞いた人にどう反応してほしいと思っている曲なのかな? ひとはこれを聞いて、どういう情感を抱くものなのかな? これが街で流れて、その街の風景はどうなるのかな?」と思いました。まとめると「とっかかりがなかった」のです。

 

「ひとりで生きられそう」っていうのは、どういう悪口なんですかね……ずいぶん荒々しい人間関係のようですけれども……と、がまんして聞いていくと最後には、「まあ、言いたいやつには言わせとくわ、私は強くなって自分を大事にして、愛せる誰かのことを大事にして生きていくのよ」といったことを我らが金澤朋子様が高らかに歌い上げるのでちょっとほっとします。

Juice=Juice 金澤朋子 ファーストビジュアルフォトブック「tomorrow」

Juice=Juice 金澤朋子 ファーストビジュアルフォトブック「tomorrow」

 

 私は「ひとりで生きられそう」と言われるような状況にいたことはないのですが、「幸薄そう」とはよく言われました。この「幸薄そう」には「弱いまま、ひとりで生きていきそう」という予測も含まれると思います。どんな気持ちでみんな、私に「幸薄そう」って言ったんでしょうね。幸が薄そうだから「幸子さん」と呼ばれたこともあります。そんな私の手元にひらりと舞い落ちたこの漫画。

 

幸子、生きてます(1) (ワイドKC)

幸子、生きてます(1) (ワイドKC)

 

 

幸子、生きてます(2) (ワイドKC)

幸子、生きてます(2) (ワイドKC)

 

 私 金子幸子

33 才独身の地方公務員です

旅に出たんです

女一人旅に

元彼からもらった魚拓を持って

 っていう。

それで思わず音読してしまったんです。

「魚拓を持って」

「ええ 魚拓を」

「ええ 魚拓です」

幸子がある日、テレビで絶景を見て、そこの観光サイトを見たら「大切な人と見てほしい景色です」って書いてあって、「大切な人」がいないと見ちゃいけないのかと悲しくなってそっとサイトを閉じたのだそうです。それで幸子は友人に言われるんですよ、「幸子の解釈では『大切な人』=『恋人』であると?」「幸子は大切な恋人とその絶景を見たいと?」「幸子は恋人に下手に出る質だ」「そんな相手と絶景を見にいっても 絶景より相手の反応が気になり絶景を心から楽しめない!!」って。矢継ぎ早に。そんで、「大切な人」ってじゃあ、恋人じゃないとしたら誰だろう、親? 友人? と話し合っていってついに幸子の出した結論は……!!

ふう。

ちょうおもしろかった。

マッチングアプリでどうのこうのして何度かデートした人がいるんだけど〜っていう話を飲み屋で不倫中の友人にしていたら、そのオフリン中の子のくだと、偶然居合わせたマタギのおじさんのくだがマッシュアップされてもうたいへんなことになったり、まあ、毎日毎日幸子は大変です。

わたくしは、Juice=Juice の金澤朋子様はこちらがわにいらっしゃるんじゃないかとにらんでおります。だって「『ひとりで生きられそう』って〜」の解釈がひとりだけ違うんだもん。

箱の名前

〜家族との会話〜

雨子「リビングのテーブルのわきに、私が平素使うなんやかんやを入れとく籠があるじゃない」

雨夫「うん」

雨子「あれの名前ってなんだっけ?」

雨夫「雨ちゃん箱でしょ」

雨子「そうじゃなくて、『道具箱』とか『とりあえず箱』みたいな一般的な名前があったと思うんだけど」

雨夫「あれは雨ちゃんの個別的なものだから、一般的な名前があるわけないじゃない」

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謎の箱というか籠

いや、そうじゃなくて。

こういう、ちょっとしたものをぽいぽい入れておく箱的なもののをことを呼ぶ、ちょっといい感じの名前があったと思うのです。私はそれを雨夫さんから聞いたような記憶があって、彼が籠を指さしながら「そういうの○○箱って言うらしいよ」って言って、「へえ〜」と返事した……と思うのです。

なんだっけなあ、というお話。

 

原宿散歩

今日、日曜日。

原宿を散歩しました。

まず、降りたってびっくりしたのが、駅の前の横断歩道で、この信号がひんぱんに切り替わるのです。駅から出て「あ、青だ〜」と横断歩道に向かっていって、ちょっと人とぶつかって「すいません」とか言っているともう赤になっている。

スピード感が大都会です。でも駅は不便です。

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原宿駅の駅舎ってどうなるんだっけ?

本日のお楽しみは太田記念美術館「異世界への誘い 妖怪・霊界・異国」でした。

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じゃじゃん

大体 19 世紀中頃〜末の浮世絵から、妖怪や幽霊など異世界を描いたものを一挙大公開。歌川国芳月岡芳年を中心にした展示で見応えたっぷりでした。

妖怪の撃退方法は「一喝」「煙に巻く」などで、撃退できない場合は放置するという態度が素晴らしいと思いました。幽霊に対しても大体そうで、根本解決をしないため、ずっと出続けるという、大変なことになっておりました。また、どの浮世絵も一枚のポスター(?)として隅々まで充実していて、やはりなにかを売ろうと思ったら手を抜いてはいけないのだなと思いました。たいへん勉強になりましてよ。

見終えた後は人の波に逆らうでもなく、逆らわないでもなく、流れ流れてベアードタップルーム原宿という、クラフトビールが飲めるお店に行きました。クラフトビール。たまに、まずい場合があるクラフトビール。「にがすっぱうす」となってしまうこともあるクラフトビール。ここのはおいしかったです! 何を飲んだかは忘れましたが、フルーティでおいしかったねえ。

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駆けつけ一杯

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二杯目はじっくり

飲みながら、話は「西島秀俊のこれから」について。「香川照之西島秀俊加瀬亮が真ん中にいるのが日本映画界の現状、ならば……」といった話で、どうかって思うくらい盛り上がりました。加瀬亮の名前が思い出せず、「筧利夫みたいな、漢字三文字で、宮崎あおいと結婚してたのにある日突然失踪してどっかの牧場に潜り込んでた薄情な男をやってた……吉高由里子と妻子持ちのくせにつきあって調子いいこと言ってた……あ! アウトレイジでいちばん嫌な死に方した! あのひと……」とかなり長時間にわたって苦しみましたが、思い出せてほんとうによかったです。

西島秀俊については、コーヒーの CM でえらい人に一目置かれる若造を演じているが、どう見ても若造ではないので、意味がさっぱりわからないことになっている、ああいうことをしていてはいけない、といった話になりました。

意外にも相当酔っ払って外に出ると、手袋が落ちていました。私がトム・ハンクスなら素敵なポエトリーを添えてこれを公開するところですが、私にその腕がないのがざんねんです。

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持ち主はどうしたことでしょう

ところで話は変わるのですが、私はこの日、「帰りに銭湯に寄ろう」というさくせんでした。たまには大きなお風呂に入りたい。ところが上記のように酔っ払ってしまったので、このままでは銭湯に入場不可ですから、「銭湯にたどり着くまでにこの酔いがさめていますように」という願いをこめて、ゆっくり、ゆっくり、線路と夕陽を見ながら帰りました。

工事中の原宿をじっとりと眺めたり、

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工事中の原宿駅

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すこーし日がかげってきました

乗換駅で無意味にホームの端まで歩いてみたり、

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乗り換えの駅

夕陽を眺めてセンチな気持ちになったり、

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このとき、横に立っていた親子が私を「テツ? テツなの?」という目で見ていました

線路脇の花壇を眺めたり、月を見たり、

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どんどん沈んでいきます

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うすく見えるお月様

そんなことをしながら歩いても、酔っぱらっているという事実から逃れられなかったので、すごすごとじぶんちに帰って、ぬるい風呂につかりました。

おしまい

 

一カ月かけて 2019 年上半期を振り返る・ファイナル 読書メモが見つかりませんでした

あきらめました。

掘っても掘っても見つからないので思い出せる限りでメモします。

 

1. 偽史偽書もの

偽書で歴史を好きなように書き換える行為は死者の口をふさぐようなもので、やっていいことと悪いことの分類でいうと相当悪いことだと思います。でも、偽書はなくなりません。書くこと、語ることにはどうしても演技や嘘の要素があって、偽書づくりに飛び込んでしまうきっかけはどこにあるかわかったものじゃないってことなのかなあ。

 

2. 言葉をめぐる本

  • 山下泰平『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』
  • 温又柔『来福の家』
  • ロンブ・カトー『わたしの外国語学習法』
  • 齋藤兆史、野崎歓『英語のたくらみ、フランス語のたわむれ』
  • サンキュータツオ『ヘンな論文』
  • 田村隆一詩集(現代詩文庫)』
  • 『続・田村隆一詩集(現代詩文庫)』
  • 宇多丸『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』

 このジャンル(注:雨子の勝手な分類)では何と言っても『舞ボコ』という久々の大ヒットがあったのが大ニュース。ちょうどアベンジャーズの『エンドゲーム』を見たころだったので、「物語作家のあきらめの悪さ」みたいなものを味わいました。

 

3. コーヒー

こういうのはコーヒーじゃなくても紅茶でも砂糖でも柑橘類でも何でもいいのですが、たまたま私は親戚が珈琲屋さんで、小さいときから身近だったのです。おいしいなと飲みながらも頭の隅でいつも「不思議な経緯を踏んだ飲み物だ」ということがちらちらとうごめいています。その「ちらちら」を『コーヒーが廻り、世界史が廻る』は落ち着かせてくれ、『珈琲が呼ぶ』はむしろ散らかすという感じで、コーヒーに関する読書はいずれにしろざわざわするものです。

 

4. ミステリ

ムッシュー』と 『82 年生まれ、キム・ジヨン』はいわゆるミステリではないのですが、語っているのがどういう人間かというところにしかけがあるので、ここに入れました。『探偵たちよ スパイたちよ』には小林秀雄江戸川乱歩の対談が収録されていて、「昔の対談は適当だな」と思わずほほえんでしまうようないいかげんさがあって、それが今読むと楽しいです。小林秀雄が『アクロイド殺人事件』に本気で腹を立てているので、好感度が上がりました。この中で普通に「おすすめです!」と言えるのは『グレイヴディッガー』と『82 年生まれ、キム・ジヨン』かな。どちらも読み出したら止まりません。

 

5. 東山彰良津村記久子綿矢りさ/今村夏子/……

新刊が出たら大体すぐ買って読む構えでいる作家が何人かいて、2019 年上半期は東山彰良の新作を読みました。幕末ものでした。幕末は支離滅裂で、理もへったくれもなくなっていくなか、「哀れじゃない新選組」を描いたところがこの人らしかったかなと思います。

 

6. 気まぐれに手に取って読んだもの

  • 岩村暢子『残念和食にもワケがある』

タイトル通りの本。和食好きな人からすれば眉をひそめた食卓にも理由や事情があるのです、というレポート。

  • 川上和人『鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ』

いち研究者のドタバタした日々。本人はたいへんそうだけど、楽しい本でした。

 

おしまい

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ざべす、読書中

 

ぽーちゃん、ぽーの一族かもしれません

はじめまして、ぽーちゃんです。

今日は雨子がくたびれたというので、ぽーちゃんが代表して日記を書きます。

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ぽーちゃん、ポーの一族は愛読書です

ぽーちゃんはつねひごろ「もしかしてぽーちゃん、ぽーの一族かもしれないな」と思ってきました。なぜなら、雨の日に元気がなくなるからです。たしかアランもそうだったと思います。ぽーちゃん、アランの気持ちわかります。

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ぽーちゃん、雨が降るとぼんやりします

今日は、雨夫と雨子が「ポーの一族展」につれていってくれました。特になんにもいわれなかったけど、「ぽーちゃんのためかな」と思いました。

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お花いっぱい届いていました

いっぱい、『ポーの一族』の漫画が飾られていて、見るのが大変なほどでした。アランやエドガーがベッドや、ベッドじゃないところで熟睡したりぼんやりねころがっている絵に共感を抱きました。ぽーちゃんでたとえると、下図のような姿勢です。

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ぽーちゃん、重力を感じます

図録を買ったら、スケッチブックがついてきて、エドガーたちの下絵がたくさん載っていて、雨子が「雨子感激」って言ってました。言い忘れたけど、ぽーちゃんは『11人いる!』とか、宇宙に行くお話も好きです。

その後、教文館というキリスト教の本を扱う書店におじゃましまして、そこのカフェで一休みしました。

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バラのケーキです

さらにこのあと、銀座を散歩する予定だったのですが、気づいたら有楽町にたどり着いており、みんなで「銀座から弾き飛ばされた!」ってひとしきり騒いだあと、サンドウィッチがおいしい喫茶店に行きました。

テーブルの上には昔懐かしいナプキン入れや占いをする機械があって、とてもリラックスできました。それに、サンドウィッチ、おいしかったよ。

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ぽーちゃん、なつかしいと思います
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焼いていないサンドウィッチと焼いたサンドウィッチ

有楽町に行ったら、ぽーちゃんたちは必ず東京交通会館に行って、むらからまちから館でソフトクリームを食べます。おいしいです。その後はいろんな物産館を訪ね歩いて、かわったお菓子や調味料、麵などを買って、夢一杯の気持ちになったら、最後に君嶋屋という角打ちをしている酒屋さんで一杯飲むきまりです。

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雨子はワイン、雨夫は日本酒です

ぽーちゃんはここで必ずたこ焼き食べます。たこ焼きが大好きだからです。

そして、帰りました。

おわり。

ざべすの魚肉放浪記

ざべすよ!

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舶来もののかごよ!

ざべすたち、夏休みの帰省というものに行ってきました。雨夫のふるさと探訪です。

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みんなで小旅行です。グリーン車に乗って行きました。

じゃん!

雨夫のふるさとは海沿いの素敵な街です。

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久しぶりに日に当たって殺菌よ!

到着したらすぐ宴会です。雨子は白ワインをがぶがぶ、雨夫は日本酒をちびちびやりながら、弟やお父さんがつくってくれるごはんをお腹いっぱい食べました。

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夏野菜の素揚げよ!
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魚肉(ぎょにく)たっぷりよ!

雨子が写真を撮り忘れたのですが、あなごの天ぷらもどーんと出てきて、最終的には二人とも額に脂汗を浮かべるほどおなかいっぱいになったそうです。だらしないわね! ざべすはまだまだ食べられましたが、二人がそういうんじゃしょうがないのでごちそうさましました。

とってもおいしかったのよ! きんめだいってぴんくできれいでつやつやしていておいしいなあという学びがありました。きんめだい。

このあとはおうちに住み着いている猫と遊んだので、さすがのざべすも疲労困憊で熟睡しました。

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くまぽーのおねいさん、くまぷーさんです。

二日目は海に浮かぶ、ラピュタみたいなところにつれいていったもらいました。名前は猿島(さるしま)だそうです。

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不思議な鳥のいる島です。

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日にいっぱい当たりました。

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歩きやすいように、木で道がつくられていました。

展望台まで行くと、元の見張り台がありました。ざべす、こういうの、こないだ映画で見ました。ここで敵影などを確認するのだそうです。その映画では、残念ながら殺人事件が起こってしまいました。

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見張り台。ドラマを感じます。

島側から見ると、神奈川県は大都会でした。秋や冬の、湿気があまりないときだと、富士山が見えるのだそうですが、この日は湿気がもうもうしていたので見えませんでした。

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神奈川県をいつもと反対側から見ました。

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トンネルこわいです。

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おんもは安心です。

島をひとまわりして、売店でジュースをごくごく飲みました。海水浴にお見えの方々もいらっしゃって、その人たちように、ドローンで荷物を運ぶサービスもあるそうです。

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雨子はこらえきれずビールを飲みました。
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猿島、ばいばい。

島から陸にもどって、まずアイスを食べました。関口農場の牛乳たっぷりジェラートです。とってもおいしかったのよ。

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おいしかったわ!

お昼ごはんは、雨子が「もう、生の魚は食べたくない」とか信じられないことを言い出しまして、みんなが気を悪くするんじゃないかとはらはらしましたが、なんとみなさま、そうだそうだと同意し、突然すき焼きを食べることになりました。

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魚肉はひとやすみ。

ざべす、魚肉も好きですが、うしさんも好きですわ! ぱくぱくいただきました。

この日はこの後、餃子とたこ焼きを食べてワインを飲んで寝ました。

ぐうぐう寝て起きると、お昼ごはんにイタリアンに行こうというお話がまとまっていました。そのイタリアンは、マダムのおばあちゃまのおうちを引き継いでお店にしたそうで、20 席くらいの小さなお店でしたが、とっても素敵でした。でも撮影はご遠慮くださいということで、写真はありません。とうもろこしとメロンと生ハムとしらすとタコと豚と牛をいただきました。どれもおいしくてきれいだったのよ。

その後雨夫と雨子は炎天下のふるさとを二人でお散歩しました。

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雨子が撮った謎写真。

この町にはおいしいコーヒー豆のお店があって、コーヒー好きの雨子はここでたくさんお豆を買いました。

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いっぱい、コーヒーを買いました。

それからおうちにもどってお昼寝して、そして、ふるさと探訪はおしまいです。

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また行きます。

冷蔵庫の中に自分を収めてみる

プリンスアイスワールド 2019 東京公演に行ってきました。会場は東伏見にある、ダイドードリンコアイスアリーナで、通年で氷が張られているリンクなので、さすがの寒さでした。一年ぶりのことでそれをすっかり忘れていました。寒かったです。

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冷え冷えです。

きーんと冷えた、まだ人もまばらなリンクで、スタッフさんに開演前なら写真を撮ってよいか尋ねましたら「どうぞどうぞ(にこにこ)」と言ってもらえました。ですがなにせ真ん中に氷がででんと張られた巨大な空間ですので、似たような写真ばかりを撮ってしまいました。この時点(午前10時半くらい)で寒さによるエネルギーの枯渇を感じましたので、急遽早弁をしました。サンドイッチをよくよく噛んで食べました。

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開場早々着いてしまい、似たような写真を一杯撮りました。

油断していたらばばーんとショーが始まりまして、キャストが客席からぶわっと現れたり、火柱がぶおんっと立ったり、とにかく「楽しませるぞっ」という気概に溢れた素敵なショーでした。

プリンスアイスワールドの魅力は何と言ってもプリンスアイスワールドチーム総勢 24 名(2019 年時点)による群舞。去年までは「何かを目指しているけれど、『何か』っぽい感じの直前で終わっていて、もうすこし資金が潤沢にあったらバレエ団なみに練習をつめて仕上げてこられるんだろうなあ」というようなことをちらっと頭の隅で思ってしまう、そんな、演出と振り付けとスケーターたちの間のちょっとしたずれのようなものがあったのですが、今年はそれがなくて、最初から最後まです〜〜っと夢中で、ず〜っと楽しかったです。

ショーの中心だった八木沼純子さんが辞められてからのこの数年、チームとしてせっせと、こつこつと、一歩一歩やってきたのだろうと思います。一年に一度、ショーを見ているだけの方からすれば、最初の数年は「うーん、がんばー!」という感じで、去年やっと「ちょっとよくなったけど、これからどうなるのかなあ」というところでした。そこに、今年いきなりの「何にも似ていない、プリンスアイスワールドチームというプロフェッショナル集団出現」感。

突然、ぱっと花が開いたように見えました。

ラインだけでなく、隊形で見せる演出が充実していたのもあるのかなあ。うわあ、スケート、楽し〜〜いと思いました。はや〜い、すご〜い、まわってる〜と純にスケートを楽しみましてよ。

パンフレットにはチームメンバー個人毎のページ、3 ページにわたるメンバー同士での座談会、メンバーの加入年・出身地・犬派猫派が一望できる相関図、振付師の方々のインタビューなどが載っていて、充実。そうなのです。これは、パンフレットがほしくなるようなショーで、そのパンフレットを何度も読み返したくなるようなショーでありました。

おすすめです!

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みなさんにお見せしようとしてせっせと撮った、幕間の製氷機、ザンボさんのお仕事姿

インターミッション後最初に「フィギュアスケートの技とは」というお勉強タイムがあって、そこも妙に楽しかったです。「アクセル、トーループサルコウ、ループ、フリーップ、ルッツ!」というアナウンスに合わせて、メンバーがぴょんこぴょんこ(アクセルだけダブルでほかはトリプル)飛んでいったのですが、やっぱりルッツで盛り上がりました。

このパートで、ふつうに滑るとブレードが氷をひっかく音はほとんどしない、という説明があって、実際、そのとき滑った方がとても上手で、革靴の中で重心移動する音は聞こえるのですが、ブレードが氷と接触する音はほとんど聞こえませんでした。これに対して、わざと音を立てて滑る場合もある、といってやってみせてくれたのが、アイスタップ。スケートの音だけで音楽を表現。素敵だったわ。何年か前、まだ八木沼純子さんがいらしたころの演目で、音楽ではななく、風や波の音といった自然音だけの演目があったのですが、あれを思い出しました。ああいうの、またやってほしいです。

演目は Swan Lake もあれば Star Wars もあり、夜を徹して働いた勤め人が昇天するという謎の演目もあり、いつも通り「多岐にわたっていた」ともいえるのですが、不思議とまとまりがありました。これがプリンスアイスワールドチームです、というお披露目感があって、"Brand New Story" というテーマにふさわしい充実感とフレッシュさでした。

ゲストスケーターは、私が行った回は荒川静香本田武史小塚崇彦安藤美姫織田信成村上佳菜子樋口新葉本田真凜本田望結という面々で、ゴージャスでした。馬鹿みたいな感想で申し訳ないのですが、やっぱりみんな、普通じゃなくうまいのですねえ。

早くも来年が楽しみなプリンスアイスワールドです。

ほわわわ……と外に出たら、「あったかい……」。ずっと雨続きだったのに、この日突然晴れたのです。だから体は色々とびっくり。しばらく雨がちだった中、冷蔵庫の中に二時間以上押し込められたと思ったら今度は真夏の晴天で。

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久々に天気が良い日でした。

近くに大きな公園もあるので、お散歩しようかなと思っていたのですが、あまりの晴天に驚いてまっすぐ帰りました。

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東伏見のホームから。

ところで、安藤美姫。私はやっぱり彼女が好きみたいで、彼女が登場して滑り出しただけで震えてしまいました。いつまでこうして、安藤美姫が滑っているところを見ていられるかわかりませんが、見続けられるかぎり、見続けたいなあ。

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ジュニア時代の安藤美姫ちゃんと現在の美姫様。

おしまい