タイトル「ポツリと」
角を曲がって細い小路へ這入った時、津田はわが門前に立っている細君の姿を認めた。その細君はこっちを見ていた。しかし津田の影が曲り角から出るや否や、すぐ正面の方へ向き直った。そうして白い繊(ほそ)い手を額の所へ翳すようにあてがって何かを見上げ…
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