プール雨

幽霊について

フィギュアスケート

フィギュアスケート、いいじゃない。
立ってるのもままならないようなところで飛んだり跳ねたりして、おまけに音楽が流れるっていうのがいい。
そもそも氷が好きだ。
雪や氷で覆われる、というのが好きだし、その静けさと、エッジの音と、音楽があれば満足だ。
 
一定のルールがあって、その中でやるっていうのも、いい。
これは虚構ですっていう宣言がそこにはあって、その中でこそ生き生きしている人たちを見ると、ああ、楽しいなあ、きれいだなあと思える。
 
でもフィギュアスケートをめぐる言葉は最悪だ。
その言葉を通じてフィギュアスケートが嫌いになりそうだ。
実際ちょっと、嫌いだし、うんざりしている。
そこにはいろんな水準のでたらめがあり、無責任な冷やかしがあり、差別があり、悪意すらある。
フィギュアスケート」が含まれる文章をしばらく読みたくない。
 
ここからもう一度、「ああ、私、フィギュアスケート大好きだなあ」って思うことはかなり難しい。
そもそも戦争めいた文体が心底嫌いだから、「その中に含まれる」ってことでフィギュアスケートも嫌いだ、で片付けてしまいたい気持ちにすらかられる。
-
一部はそれで片付くけれど、そこからはみでる気持ちがあって、困惑してる。