プリンスアイスワールド 2019 東京公演に行ってきました。会場は東伏見にある、ダイドードリンコアイスアリーナで、通年で氷が張られているリンクなので、さすがの寒さでした。一年ぶりのことでそれをすっかり忘れていました。寒かったです。
きーんと冷えた、まだ人もまばらなリンクで、スタッフさんに開演前なら写真を撮ってよいか尋ねましたら「どうぞどうぞ(にこにこ)」と言ってもらえました。ですがなにせ真ん中に氷がででんと張られた巨大な空間ですので、似たような写真ばかりを撮ってしまいました。この時点(午前10時半くらい)で寒さによるエネルギーの枯渇を感じましたので、急遽早弁をしました。サンドイッチをよくよく噛んで食べました。
油断していたらばばーんとショーが始まりまして、キャストが客席からぶわっと現れたり、火柱がぶおんっと立ったり、とにかく「楽しませるぞっ」という気概に溢れた素敵なショーでした。
プリンスアイスワールドの魅力は何と言ってもプリンスアイスワールドチーム総勢 24 名(2019 年時点)による群舞。去年までは「何かを目指しているけれど、『何か』っぽい感じの直前で終わっていて、もうすこし資金が潤沢にあったらバレエ団なみに練習をつめて仕上げてこられるんだろうなあ」というようなことをちらっと頭の隅で思ってしまう、そんな、演出と振り付けとスケーターたちの間のちょっとしたずれのようなものがあったのですが、今年はそれがなくて、最初から最後まです〜〜っと夢中で、ず〜っと楽しかったです。
ショーの中心だった八木沼純子さんが辞められてからのこの数年、チームとしてせっせと、こつこつと、一歩一歩やってきたのだろうと思います。一年に一度、ショーを見ているだけの方からすれば、最初の数年は「うーん、がんばー!」という感じで、去年やっと「ちょっとよくなったけど、これからどうなるのかなあ」というところでした。そこに、今年いきなりの「何にも似ていない、プリンスアイスワールドチームというプロフェッショナル集団出現」感。
突然、ぱっと花が開いたように見えました。
ラインだけでなく、隊形で見せる演出が充実していたのもあるのかなあ。うわあ、スケート、楽し〜〜いと思いました。はや〜い、すご〜い、まわってる〜と純にスケートを楽しみましてよ。
パンフレットにはチームメンバー個人毎のページ、3 ページにわたるメンバー同士での座談会、メンバーの加入年・出身地・犬派猫派が一望できる相関図、振付師の方々のインタビューなどが載っていて、充実。そうなのです。これは、パンフレットがほしくなるようなショーで、そのパンフレットを何度も読み返したくなるようなショーでありました。
おすすめです!
インターミッション後最初に「フィギュアスケートの技とは」というお勉強タイムがあって、そこも妙に楽しかったです。「アクセル、トーループ、サルコウ、ループ、フリーップ、ルッツ!」というアナウンスに合わせて、メンバーがぴょんこぴょんこ(アクセルだけダブルでほかはトリプル)飛んでいったのですが、やっぱりルッツで盛り上がりました。
このパートで、ふつうに滑るとブレードが氷をひっかく音はほとんどしない、という説明があって、実際、そのとき滑った方がとても上手で、革靴の中で重心移動する音は聞こえるのですが、ブレードが氷と接触する音はほとんど聞こえませんでした。これに対して、わざと音を立てて滑る場合もある、といってやってみせてくれたのが、アイスタップ。スケートの音だけで音楽を表現。素敵だったわ。何年か前、まだ八木沼純子さんがいらしたころの演目で、音楽ではななく、風や波の音といった自然音だけの演目があったのですが、あれを思い出しました。ああいうの、またやってほしいです。
演目は Swan Lake もあれば Star Wars もあり、夜を徹して働いた勤め人が昇天するという謎の演目もあり、いつも通り「多岐にわたっていた」ともいえるのですが、不思議とまとまりがありました。これがプリンスアイスワールドチームです、というお披露目感があって、"Brand New Story" というテーマにふさわしい充実感とフレッシュさでした。
ゲストスケーターは、私が行った回は荒川静香、本田武史、小塚崇彦、安藤美姫、織田信成、村上佳菜子、樋口新葉、本田真凜、本田望結という面々で、ゴージャスでした。馬鹿みたいな感想で申し訳ないのですが、やっぱりみんな、普通じゃなくうまいのですねえ。
早くも来年が楽しみなプリンスアイスワールドです。
ほわわわ……と外に出たら、「あったかい……」。ずっと雨続きだったのに、この日突然晴れたのです。だから体は色々とびっくり。しばらく雨がちだった中、冷蔵庫の中に二時間以上押し込められたと思ったら今度は真夏の晴天で。
近くに大きな公園もあるので、お散歩しようかなと思っていたのですが、あまりの晴天に驚いてまっすぐ帰りました。
ところで、安藤美姫。私はやっぱり彼女が好きみたいで、彼女が登場して滑り出しただけで震えてしまいました。いつまでこうして、安藤美姫が滑っているところを見ていられるかわかりませんが、見続けられるかぎり、見続けたいなあ。
おしまい