ざべすよ!
ざべすたち、丹後に行ってきました。毎日びっくりするようなものばかり見て、とってもミステリーでした。
西舞鶴というところから、『丹後あかまつ号』という電車に乗って天橋立駅を目指しました。とってもすてきな電車だったのよ。ざべす、ワインをたくさんいただきました。
京都から舞鶴、舞鶴から天橋立と、だんだん海に近づいて、ついに、海の上に出ました。
ざべす、びっくりして大騒ぎしてしまいました。『千と千尋』の気持ちです。
そして、天橋立に到着です。自転車を借りて、橋立部分を自転車で対岸まで渡ろうという趣向です。
橋立の上を自転車で行くのはとってもおもしろかったです! 右を見ても海、左を見ても海。その真ん中を自転車でゆったりと行きました。ちなみにこの間の写真は、雨子が自転車を漕いでいて両手が塞がっていたので、存在しません。一枚くらい撮ればよかったのに! でもざべすも自転車の籠で潮風を受けてとっても気持ちよかったです。
対岸に着いたら自転車を業者さんに返して、展望台を目指します。
不思議な風景です!
あの松並木を渡ってここまでやってきました。今思い返しても不思議です。
たっぷり風景を堪能したあとは、リフトで下まで降ります。
ボートに乗って、元いた場所にもどりました。
すぐそばに文殊堂と呼ばれるお寺があるので、いちおうお参りして、「はじめまして」とご挨拶しました。雨子はこういうとき、「世界平和」の四文字一択だそうです。合理的だと思いました。
さすがにちょっとくたびれてきたので、お宿に向かいました。
この日泊まったのは木津温泉です。
どうしてそんなところまで行ったのかというと、雨夫と雨子が「本で読んだ」のだそうです。松本清張さんというくちびるのぶあついおじさんが、『D の複合』を二カ月かけて書いた宿がここにあって、今夜はここに泊まるのだそうです。そんなわけで『D の複合』をざべすも拝読しましたけれど、なんだかよくわかりませんでした。浦島太郎の伝説が出てきたのですが、実は登場人物のお父さんが浦島太郎のようなヒドい目に遭っていて…………? よくわからないので、興味がある人は読んで下さい。
松本清張さんが二カ月使用した書斎がそっくりそのまま残っていました。雨子たちは「ここで……あの、『D の複合』を……へえ」としげしげと眺めていました。
このお宿は、書斎以外の場所も、とにかくいろんなところが丸くカーブしていておもしろかったです。
予想したよりも部屋はそれほどひどくなかった。年代を経て黒光りのする床柱と煤けた軸の懸った二間床がある。畳は赤茶けているにしても、とにかく十畳の間で、四畳半の控の間付きだった。朱塗りの応接台があり、壁土にヒビのはいった欄間を見上げると、古い横額が懸り、子爵京極某の揮毫が収められてあった。なるほど、ここは京極家の旧領地だわいと、伊勢は思い当った。京極といえば、古川ロッパがその子孫で、伊勢も日劇かどこかのエレベーターの中で、ひどく威張った彼に出会ったことがあった。
これは『D の複合』で主人公のおじさんが泊まった宿について書いた部分です。ざべすたちの泊まったお部屋よりずっと広いけれど、ざべすたちの部屋にも控の間はありました。ざべすはそこにあった冷蔵庫にコーヒー牛乳を入れて、明日の朝飲もうと思いました。
お風呂に入って、ごはんを食べて、もう一回お風呂に入ったら眠くなりましたが、そこで宴会が始まったので、ざべすはりきってお酒をいただきました。おつまみは雨子の好きなものばかりでした。