プール雨

幽霊について

印象派のリアル

今、上野は「ハプスブルク展」で大盛り上がり。駅の改札を出ると、ばばーん! とベラスケスですわ。「青いドレスの王女マルガリータテレサ」。

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ざべすのライバル

しかしこの日のお目当てはベラスケスではありませんでした。

看板の前をわくわくと通過し、夕陽やパンダの気配を楽しみながら、

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上野で日が暮れます

「コートールド美術館展 魅惑の印象派」を見てきました。

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このスペースが好きである

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じゃじゃーん!

サミュエル・コートールド(1876〜1947)は代々絹織物業を営んできた実業家。イギリスで印象派がそれほど評価されていなかった 1920 年代、お気に入りの絵の収集を始め、10 年ほどでコレクションを築きました。芸術を人々と分かち合いたいと願った彼は、自分のコレクションをつくるだけでなく、国立の美術館にも積極的に援助したそうです。また、ロンドン大学に美術研究所ができると、コレクションの多くを寄贈し、1932 年、ロンドン大学付属コートールド美術館が誕生しました。現在のロンドン大学でのイギリス美術史研究の礎を築いたひとりということもできる、そんなお人だそうです。

印象派は比較的触れる機会が多かったのですが、今回初めて、自分なりに「印象派的な状態」になることができました。この展覧会に行って以来、壁の白も白く見えなくなりました。昔、ちょろっと日本画を描いていたのですが、多分、今このタイミングで描いたら私相当下手だろうなと思えるほど、色彩が複雑に見えるようになってしまいました。セザンヌが描きかけのまま終えてしまった風景画を見た後、飾られていたきれいな壁に目をやったら、そこにいろんな色が反射しているのが見えて、そうか、これをこのまま描こうとするとああなるのだなと思いました。

何と言ってもやはり印象深いのは、ポスターにもなっているマネの「フォリー=ベルジェールのバー」。 

吸い寄せられるのは、画面中央にいる彼女の一瞬の表情。「一瞬の表情なのだろうな」という感じのする、外に気持ちの向いていない、思わず出てしまった素顔の、何かと何かの間にある表情です。一方、彼女の後ろにある大きな鏡は、この彼女ではなく、一瞬前なのか、一瞬後なのかわかりませんが、この彼女が肩を落として男性と話しているところを映しています。一枚の絵の中で、ほんの一瞬なのですが時間が動いていて、本人と鏡の映った像にずれが生じています。それで鏡に映る他の客達の動きにも興味が出てしまいます。彼女に流れる時間を目にしてから見ると、彼ら彼女らもまた動いているように見えるのです。

この独特なリアルがすごい。

19 世紀、視線革命の世紀だったのですねえ。

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コートールドさんがお気に入りで詩まで捧げたという「桟敷席」

外に出ると月がぴかぴかと輝いていましたが、うまく写真に収めることができませんでした。

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心眼プリーズ

次はこの秋話題のゴッホかな? 「コートールド美術館展」でも一枚だけゴッホがありました。おっしゃれ〜、うま〜いと思いました。ゴッホはおしゃれで好きなのですが、この私の軽々しい印象が変わってしまうのではとこわくもあります。

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映画もある、ゴッホたん

駅のそばにある、チキンがおいしいお店でごはんをいただきました。ワインも飲んだし、いい気分になりました。

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最後は結局肉