東京で一日遊ぶなら、上野でもなければ新宿でもない。駒込こそ至高。
そういう主張を本日はしたいと思います。
1. まず六義園に行く
JR 山手線駒込駅を降りて、徒歩 5 分もすればそこに六義園。1702 年、川越藩主柳澤吉保が設計指揮して完成させた回遊式築山泉水庭園です。昔の金持ちはやることが豪快ですね、などと言いつつ一歩足を踏み入れればそこは、山……?
うわあ! と歩きつつ、気を落ち着けるために適当なところで休憩。あまりに高級なお抹茶は出汁の味がして不安になりますが、こちらは乾いた喉を適度に癒やしてくれ、「ああ、おいしい」と素直にさっぱりします。
この日はお天気もよく、ことさら木々がきらきらと美しかったです。
そしてあがったりさがったりしているとぱ〜っと開ける視界。
どこから見てもそこが正面のように見えます。
橋を渡る人の姿が池に映るのでそれがおもしろくてずっと見ていました。
今日はちょうど紅葉が見頃だったので、どこを見てもきれいでした。
広大な庭なので、お休み処がちょこちょこあるのも魅力です。今日目に入ったのでは 4 箇所かな? 休みながらお散歩すると情趣も一層増すことでしょう。
2. 東洋文庫に行く
六義園からほど近いところに東洋文庫があります。岩崎久彌設立の東洋学の研究図書館です。有名なのはこのモリソン文庫ですね。
ジョージ・アーネスト・モリソン(1862〜1920)はジャーナリスト。中華民国総統府顧問在任中蒐集した極東関係文献がずらり。
このモリソン文庫の裏に不思議な廊下があって、ここを渡っていくと、企画展の展示室です。今は「東洋文庫の北斎展」を展示中です。美術館の展示とちがって派手さや華やかさはないのですが、「よく、これをここに持ってきたなあ」というような美術の枠を超えた調査力が魅力です。
3. 町歩きも楽しいです
東洋文庫のすぐそばに「青いカバ」という本屋さんがあります。
さすが駒込ということなのか、充実の品揃えでした。新刊の話題作もあり、なつかしい哲学の定番もあり、詩や短歌、俳句などもあり、おもしろそうな本でぎゅうぎゅうでした。うーん、やっぱり『発酵人間』(ミステリ珍本全集 03)、買うべきだったかなあ。他であんまり見かけないものなあ。
六義園、東洋文庫を後にして、次は旧古河庭園を目指します。歩いて 15 分くらいです。一本道なので、のんびり行きます。
この通りは雑貨のお店、イタリアン、フレンチ、お蕎麦、中華、ベトナム料理、カフェと何でもあり、ここから先は想像で言いますが、大体どこのお店に入ってもおいしいのではないでしょうか。駒込に行くと「お昼は適当にどこか入っちゃおう」ということになるのですが、必ずおいしいです。
また、しもふり銀座というなが〜い商店街があって、そこでもちょこちょこといろんなものが食べられます。
そしてこの商店街をぐいぐい奥に進むとそこには魅惑の……
猫だまり。猫だまりには首輪がある子もない子もいました。近隣の猫の集会所になっているようです。
4. 旧古河庭園で気が大きくなる
駒込散歩も佳境です。
旧古河庭園は古河虎之助が 1919 年にばばーんと建てた洋館で、武蔵野台地の斜面に建っているので、「庭が谷の底にある」的なことになっており、「谷のあるひとんち」として、なかなかのでかさを誇っております。
運が良ければ中の見学もできるようでしが、今日は貸し切り。残念。
裏手に回って、お庭を見つつ、斜面を降りていきます。
午前中に六義園を見て気が大きくなっていたので、この古河邸を見ながら「使いやすそうじゃない?」「それほど広くないじゃん」と、大人物感を醸してしまう雨夫さんでした。
この日、12 月 8 日は名残の薔薇の日。12 月 9 日には春薔薇のためにすべて切る予定になっているとかで、ぎりぎりセーフでした。
ふう。
一日みっしり遊んで楽しかったです!
今日は満席で入れなかったのですが、駒込には百塔珈琲というおいしいコーヒーのお店もあります。
そんなわけで、駒込、おすすめです!