プール雨

幽霊について

2019 年に映画館で見た映画リスト

2019 年、まんまと終わりまして、 2020 年にバトンタッチしてすでに一週間です。

2019 年に映画館で見たのは 50 本ちょっとだったようです。以下、そのリストです。

 

  1. 01/09(水)『迫り来る嵐』……まぶしい、と目を細めたらそれは光ではなく雪だったという話。
  2. 01/19(土)『ミスター・ガラス』……打ち上げコーヒー映画界に新たなスター誕生。2019 年コーヒー映像大賞。
  3. 01/26(土)西遊記 女人国の戦い』……豪快かつロマンティック。
  4. 01/26(土)『王朝の陰謀 闇の四天王と黄金のドラゴン』……絵的なおもしろさとお話のおもしろさがかみ合っていてめでたい。
  5. 01/31(木)アイスマン 宇宙最速の戦士』……今、人類はついにドニー・イェンにとくとくと説諭される時代に至った。
  6. 02/08(金)パルプ・フィクション【極爆】……永世コーヒー映像大賞。
  7. 02/13(水)『ちいさな独裁者』……これはこれで『マッドマックス』。
  8. 02/13(水)ライ麦畑の反逆児』……サリンジャー、脱アイドル。
  9. 03/02(土)THE GUILTY ギルティ』……近寄りすぎると見えなくなる、その息苦しさにさらされる二時間。
  10. 03/03(日)狼たちの午後……ひたすら悲しくておかしくて、悲しい。
  11. 03/04(月)『女王陛下のお気に入り……部屋が汚くなるのがとにかく辛い。
  12. 03/04(月)『ビール・ストリートの恋人たち』……"If Beale Street Could Talk" という言葉に相対したとき、「それでも裁判所とメディアは黙殺するだろう」ととっさに考えてしまうような社会に私は生きているのだなあ。
  13. 03/10(日)『運び屋』……冷笑に堕しない方法が示されていると思う。ポケットにリップクリームを。
  14. 03/20(水)『イップ・マン外伝 マスターZ……屋上で理想と希望と夢がぐちゃぐちゃに展開する。
  15. 04/17(水)『魂のゆくえ』……久しぶりに、視線のレッスンを受けた。
  16. 04/24(水)『ねじれた家』……原作は進化論ばりばりで、この映画ではその問題点が解決されようとしている。
  17. 04/25(木)キャプテン・マーベル……猫をなめているとどえらい目に遭う。
  18. 05/11(土)アベンジャーズ エンドゲーム』……彼らは物語をあきらめなかった。
  19. 05/18(土)アベンジャーズ エンドゲーム』【極爆】……トニー・スタークがそうであるように、私たちみんな、この世界への贈り物なんだという気持ちにすらなれる。
  20. 06/01(土)『アナと世界の終わり』……時々びっくりする。
  21. 06/01(土)アメリカン・アニマルズ』……いったんチームになってしまうと、後戻りが効かないという、これはこれで『マッドマックス』。
  22. 06/03(月)『神と共に 第一章:罪と罰……地獄巡り & 地上のミステリで意外なほど見応えがある。
  23. 06/19(水)『ザ・クロッシング Part-Ⅰ……雅子の着物とポーズについて熟考する義務が我々にはある。
  24. 06/19(水)『ザ・クロッシング Part-Ⅱ……2019 年兄嫁大賞。兄嫁大賞は夏目漱石『それから』以来の偉業である。ほつれはちょこちょこあるし、なにより一篇にまとめるべきだったが、愛すべき映画だと思う。
  25. 06/28(金)『神と共に 第二章:因と縁』……神の視点を体験できる。
  26. 07/08(月)『新聞記者』……今にもおしつぶされそうな人物が呆然としながら、猫背でよろよろと「大きな機械の一部」になることを拒否する。
  27. 07/10(水)『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』……彗星『エンドゲーム』の尾のような映画 。
  28. 07/10(水)『ワイルドライフ』……妻の若さと美しさが切なかった。
  29. 07/18(木)『誰もがそれを知っている』……タイトルそのままの映画なんだけど、その意味が変わる瞬間があって、こわかった。こわいかこわくないかでいえば、2019 年こわかった大賞。
  30. 07/18(木)『ペトラは静かに対峙する』……ペトラが一人で立ち直ろうとする姿にどきどきした。
  31. 07/20(土)『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』……暴力と距離を取り個人として強くなるためにはむしろ公共空間を鍛え、維持していく努力が必要なんだな〜といったようなことを思いつつ、美しい図書館を支える人びとの仕事ぶりに見惚れていました。
  32. 08/14(水)『ワイルド・スピードスーパーコンボ』……実際目にしているにもかかわらず、にわかには信じがたい映像が続き、とっても楽しかった。
  33. 08/14(水)『工作 黒金星と呼ばれた男』……直立不動の釈明がアクション!
  34. 09/04(水)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』……振り返る、思い出すということは創造的なことだというメッセージ。そしてそれは大抵失敗する。たまに、うまく思い出せる。
  35. 09/11(水)『感染家族』……固有名のあるゾンビのみなさんの間でじんわり進行するボーイ・ミーツ・ガール、そしてオープニングのようなエンディング。
  36. 09/11(水)『トリプル・スレット』……あらまあ、豪華よ。おしみないわ。そしていやだわ、タイガー・チェンが『カンフー・トラベラー』の方だって気づくのに1カ月以上かかったわ。
  37. 09/18(水)『ザ・フォーリナー 復讐者』……ジャッキー・チェンはこのところ、陽気にしていても沈鬱さを隠しきれないので、いっそこの方がいい。
  38. 09/18(水)『スノー・ロワイヤル』……原典『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』も拝見しましたわ。最高でした。
  39. 10/09(水)『毒戦 BELIEVER』……2019 年コーヒー映像大賞準優勝。きれいな場所で凄惨なことが起きていくのが切なかった。
  40. 10/14(月)『ジョン・ウィック:パラベラム』……2019 年、最もまずいコーヒーを飲みながら見た映画。ジョン・ウィックが大好きな人ばかり出てくるファンクラブ映画にもかかわらず、飽きない。
  41. 10/14(月)『エスタデイ』……オアシスがいないということは……と、とても気になる箇所があるのですが、とにかく、エド・シーランの偉大さがすごい。
  42. 10/23(水)『真実』……是枝裕和は女性が主人公だとちょっとつくりが甘くなる傾向があるような気がする。個々のシーンはどれも魅力的で目が離せない。
  43. 10/23(水)『アダムズ・アップル』……とにかく、マッツがクッキーを紅茶に浸しながら食べるシーンを繰り返し思い出してしまい、あともう少しで夢に見るレベルです。
  44. 10/30(水)『スティング』……若造をみんなで支える話で、今とは世界のつくりが全然違うと思いました。
  45. 10/31(木)『希望の灯り』……高校のとき、山の上にある高校から見ると、夏の水田が海のように見えたことを思い出した。
  46. 11/01(金)『真実 特別編集版』……是枝裕和イーサン・ホークと聞いてすこし期待しすぎていたのかもしれない。うまくはまって見ていないのかも。
  47. 11/20(水)『ジョーカー』……笑わせたい、笑顔になってほしいと、主人公が大気を探るようなしぐさをするのが悲しかった。銃を渡した人物は「貸し」だと言っていたけれど、どんな返礼を期待していたのだろう。ああしたことをどこかで期待していたんじゃないだろうか。
  48. 12/11(水)『ドクター・スリープ』……銃撃戦や肉体のぶつかりあいに衝撃を受けた。
  49. 12/11(水)『ゾンビランド ダブルタップ』……振り返るとちょっと退屈していたような気もするけれど、映画館の中では十分憩っていました。「おひさしぶり〜♪」と思いました。
  50. 12/17(火)『アイリッシュマン』……寂しいとか切ないとか、そういうことを口にするのはためらわれる。ドアをすこし開けておいてくれ、と言われたときに感じていたことが、一言で言えない。
  51. 12/23(月)『マリッジ・ストーリー』……ふっと外界の音が消え、相対する二人だけになる、すばらしいラストシーン。
  52. 12/23(月)『2人のローマ教皇』……告解の場面が映画的に言うとアクションシーンになっていて、見応えがありました。基本的にずっとわくわくするようなシーンが続きました。老いた二人が罪と対峙するお話だけど、この映画自体はきらきらと若いのだと思う。罪と相対する、ということ自体が若さのようなものを思わせるのかな。
  53. 12/24(火)『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』……レイ、フィン、ポーの三人でもっと生き生きとした映画が見たかった。キスシーンに呪われたシリーズだった。
  54. 12/29(日)『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』……すずがこの世界の片隅にありながら、どこかでこの世界の部品になってしまっていたことを思い知っていく過程が、前作よりも痛切なものとして感じられました。そして、彼女の生活や言葉の、多声的なといったらいいのか、ぶわ〜っとあっちからこっちから他者が入り乱れてぐいぐいとふくらんでいく様がおもしろかった。 

こうしてみると、2019 年はいい映画ばかりたくさん見ました。 見る者にフォースが要求される『スター・ウォーズ』や、10 年続いてついに完結した『アベンジャーズ』以外はどれも単純におすすめです。そうですね、私は今、猛烈に『迫り来る嵐』、『スノー・ロワイヤル』、『毒戦 BELIEVER』を三本立てで一気に見たい気持ちです。

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希望の灯り』はポスターもすてきでした