秩父に遊びに行ってきました。
まずは長瀞へ。
この街には色々見所がありますが、とりあえずそれらはおいといて、脇目も振らず酒蔵に向かいました。
行ったらちょうど、酒造りの蒸米放冷という工程の最中でした。蒸した米を冷ましているところです。この工程を見るのは初めてだったので感激しました。
売店では純米無濾過生原酒、純米、純米吟醸、純米大吟醸……と、ほとんどの種類を味見させてもらいました。定番の純米酒、「純米 長瀞」は穏やかな風味が特徴で、全体に苦みや酸味のない、おいしいお酒でした。すてきな蔵です! 私たちはにごり酒やお茶を買いました。
酒蔵のあとは、やはり岩畳です。
この岩畳に腰掛けて、ビールとみそ豚フランクのガレドッグなるものをいただきました。もちもちしたガレットにみそ豚でつくったウィンナーの組合せがあまりにおいしく、写真を撮る間もなく食べてしまいました。「長瀞とガレ」というお店で、店員さんがお話好きらしく、私たちの前にいた男性と(初対面だと思われるのですが)、わりとハードな子育て苦労話をしていらして、「なんと初対面の人慣れしている人だろう」と思いました。ガレット、おいしかった!
岩畳の話にもどりますと、ビールを飲み終えたころ、突如として自分が赤壁のてっぺんみたいなところにいるのがこわくなってしまったのですが、よく見ると、ちょこっとコンクリートで固めて、人が歩きやすいようにしてある箇所を見つけまして、ほほえんでしまいました。
長瀞といえばラインくだり。舟の上からは笑い声がしていました。次回は私たちもラインくだりをして、ガレット食べてお蕎麦と、長瀞フルコースを決めたいです。
ではここから秩父駅へと移動します。
秩父ではどうしても行きたいところが二箇所あるので、早足です。
早足……のつもりがつい神社で人様が書いた絵馬を読みふけってしまい、時間が足りなくなってしまいました。時節柄、受験のお願いが多かったです。
また、ついうっかり猪肉の串焼きにひっかかってしまい、焼いてもらって、ぱくぱくと食べました。おいしかった。どうしたらああいう風にやわらかく焼けるのかなあ。不思議です。
そんなこんなでやっとこさたどり着けた目的地は、喫茶店「珈琲道 ぢろばた」です。秩父に来たら必ず行くコーヒーのお店です。
メニューを見ながら、店主の方に「コスタリカってどんなコーヒーですか?」と尋ねると「そうですねえ……」と長考、しかるのち「コーヒーの味を言葉で言うのは……」と苦悶されるので、雨夫さんは「あ、じゃ、じゃ、コスタリカをお願いします」と決定。その様子を見て私は「アフリカン・ブレンドをお願いします(キリッ)」と単刀直入にオーダーしたつもりが、またそれが何かあれだったらしく、「アフリカンブレンドというのは、もう、いろんなコーヒーを飲んで、どれも飽きてしまったという人がオーダーするんですよねえ。単純にアフリカの豆だけを使って淹れるものなので、おいしいかどうかは、運次第……」と言われ、俄然期待が高まってしまいました。
おいしかったです。コスタリカもアフリカン・ブレンドも、苦みのような、とがった感じの要素のない、甘いコーヒーで「おいしい飲み物だなあ」と思いました。アフリカン・ブレンドの方は植物っぽい風味があったと思います。
実はこのお店で以前、店番を頼まれたことがあるのですが、店主さんは覚えていらっしゃるでしょうか。とても自然な動作で「ちょっと私出てきますので、ここにいてください……」とおっしゃっていたので、よくあることなのかもしれません。
帰りがけに「コスタリカは軍隊を持たない」というところから、「コーヒーを扱っていると、どうしても世界のことを考えざるをえないんです」というお話になり、うれしかったです。次回もまたゆっくりおしゃべりできたらなと思います。
ここから若干駆け足で二軒目の目的地、ケーキの名店「ニューみとや」にかけこみ、話し込んでいるうちにおまけのレアチーズケーキをひとつつけていただくことになってしまい、恐縮しながらお店をあとにしました。
駅で出発まであと 20 分あることが判明し、これまたばたばたと秩父駅の売店でワインをくいっと一杯いただきました。「秩父ブラン 無濾過生ワイン」。蔵に行く以外はここでしか飲めないのかな? 無濾過生ワイン、フレッシュでおいしかった〜。時間があったらもっとゆっくり飲めたのですけど。
ホームからはセメントが切り出された秩父の山が見えます。
特急ラビュー(Laview)、まるっこいラインのおもしろい電車です。
席でケーキを食べつつ帰りました。
雨夫さんは甘い物に目がなく、いつもケーキを買いすぎてしまうのです。でもまあ、しょっちゅう行けるケーキ屋さんじゃないし、ここのケーキはどれもおいしいのでしょうがいないです。雨夫さんがさんざん悩んでバナナケーキを買うことを決心したとき、お店のマダムは「正解です」とおっしゃいました。私もひとくちいただいたのですが、確かに脳に直に作用するおいしさでした。
というわけで、今日は駆け足でしたが、秩父は何度行ってもすてきなところです。何なら次回は泊まってもいいなと思いました。
おしまい