突然ですが、去年の 9 月、台風に怯えながら高橋幸宏のライブに行ったときの感想文をアップします。
わたしが台風と話をつけました。今日は皆さん、楽しんでください。 https://t.co/w65F4p3URl
— 矢野顕子 Akiko Yano (@Yano_Akiko) September 8, 2019
矢野顕子さんが台風と話をつけてくださったおかげで、お店が 8 時には閉店し、終電が早まり、夜中に世界は一変するという非常事態のなか、のんきに、そして無事に高橋幸宏のライブに行ってきました。
やっぱり、台風の最中ってこともあって、いつもなら見かける、極度におしゃれな人はあまりいなくて、みんな T シャツなどのカジュアルな、フェスっぽい装いでした。
突然始まる『Set Sail』『Episode 87』『Looking for Words』『Murdered by the Music』のフルセット。リリース年で言うと、1997→1986→2013→1980 と行ったり来たりがすごい。
『Episode 87』。私、ライブで初めて聞いた気がします。それで、こうした、10 代から聞いてきた曲が 40 を過ぎてからライブで演奏されると、そこで突然「あっ、そういう曲(詞)だったのか」とわかるという現象があり、このとき初めて『Episode 87』の歌詞が聞き取れまして、うずうずしました。
次の曲は「なにか言いたいことがあるの?」「べつに……」という掛け合いがすてきな『Betsu-Ni』。スティーヴ・ジャンセンとつくった曲。いつ聞いてもかわいい曲。
このあとは名盤、『Wild & Moody』より、『Stranger Things Have Happened』『Kill That Tharmostat』。『Stranger Things Have Happened』も『Kill That Tharmostat』も、原曲はビートと歌メロが割合ぱっきりと印象的な曲なのですが、今回のライブはとにかくゴージャス。コーラスに Smoothe Ace の二人が入っていて、金管が二人いて、キーボードが堀江博久だからできる演奏。原曲に忠実な音色を再現という演奏ではなく、演奏者ひとりひとりの主張がはっきりしていて楽しい。
きらきらとした 7 曲のあと、盟友、鈴木慶一が登場して、the Beatniks タイムが展開。『Now and Then』『Ark Diamant』『Dohro Niwa』『シェー・シェー・シェー・DA
この曲は詩人、鈴木慶一の才能が大爆発していて好きです。
と、ここまで書いて仕上げられなかったのは、この "Dohro Niwa" のどこがどう好きなのかを書こうとして極度にシリアスになってしまったからなのです。
シリアスというか、詩的というか。
というわけで、この後のことをもう忘れてしまいました。覚えているのは、幸宏が「(このライブ)後二、三回やれば完璧になる」と言ったことです。それで鈴木慶一が「やっぱり昔みたいにツアーやった方がいいんじゃない?」って言いました。
そのやりとりが聞けただけでも満足です。
アップ・トゥ・デイトされた高橋幸宏はすてきでした。