5 月初旬を思い出そうとすると、すご〜〜〜〜く昔のことのように思えます。
なぜか。
それは『ゴッドファーザー2』と『ゴッドファーザー3』をテレビで見たからです。合わせて 6 時間とすこし。
『1』は 4 月に見ておりまして、『2』で、マイケル(主人公)のお父さんが故郷を追われてアメリカに逃げてくる少年時代から話が始まったときはびっくりしました。青年だったお父さんと老青年マイケルの話を行ったり来たりしている間にすっかり悲しくなるという、印象的な 3 時間でした。このとき、青年だったお父さんをロバート・デ・ニーロが演じていて、「ロバート・デ・ニーロだ」という言葉も出てこないほど、雰囲気が独特でふぁーっとなりました。『3』ではマイケルの甥っ子登場で、これがアンディ・ガルシア。このヴィンセントとマイケルがいかにも親戚っぽい!
とにかく、マイケルがふらふらとした学生だったころからず〜っと見て、最後にあんな地点にたどり着いて……と思い起こしたら、5 月、すごく長く感じました。映画内時間は 1901 年から始まって 1982、83 年くらいでしょうか。もっと? なが〜〜い。人間の一生です。
もっと長かったのが、『アフター・アース』。シャマラン監督の。
シャマランの様々な映画で人びとが「ずっこけた」といった感じの感想をもらすなか、私は「おもしろかったよ?」とかなり前向きにすべてを受けとめてきておりまして、だからこそ、『アフター・アース』はこわくて見ていませんでした。
これ以上ない、逃げ場のない、いい機会ですから、じっとりと拝見しました。
最初の 5 分でふぁーーーーーーーとなりました。
「びっくりした」って言うだけなら、『シャークネード 2』よりびっくりしたかも。
人類が、地球上でやってはいけないことをやってしまい、別の星に移住せねば、ってことになったんですけど(ちょっとこっからすでによくわからないのですがとりあえず記憶で書くと)、人類を倒すことだけに機能を特化した生き物がいて、それを倒さないと人類ほんとに滅亡するので、その戦いのために特別な戦士を育てなければならず、戦士達は自らの恐怖を解き放ちどうのこうのどうのこして時は流れて 1000 年後。からの 3 日前。
と、これが、映画の冒頭にぎゅっ……………………と収まっているのです。
まあ、びっくりしましたね。
その後は噂で聞くほどはひどくなかったです。地球上最悪の映画ってほどではないと思います。
これがメモによりますと、5 月 16 日のことで、そこまでの、5 月の前半 16 日間がびよーーーーーーんと間延びして、変な時間感覚になりました。
みなさんも機会がございましたら、月の初めに『ゴッドファーザー』三部作&『アフターアース』をお試しあれ。
寿命が妙なかたちに変形すること、請け合いです。
今月はこんな感じで、
…… 劇 終 ……
🍀 5 月に見た・読んだもろもろメモ🍀
『刑事コロンボ』
- 「ホリスター将軍のコレクション」
- 「二枚のドガの絵」
- 「もう一つの鍵」
- 「死の方程式」
- 「パイル D-3 の壁」
回を追う毎にこっちがコロンボに慣れて、捜査手法に違和感を持たなくなってきました。
『名探偵ポワロ』
- 「4階の部屋」
- 「砂に書かれた三角形」
- 「海上の悲劇」
- 「なぞの盗難事件」
- 「クラブのキング」
ポアロとコロンボを交互に見ていると、とにかくポアロが短く感じられて。「あーもう終わった」「あっという間に終わった」「今週のヘイスティングスはまじで『いるだけ』だったがそれでもかまわない」と思うことが多いです。
テレビで放送された映画
そういえば巨大蛸 vs. ヒトと聞いて『テンタクルズ』も見たのでした。不思議なスローモーション、不思議なストップモーション、不思議な電子音で不思議な映画でしたよ。『遥か群衆を離れて』は3人の男性の間で揺れる主人公の気持ちがもうさっぱりわからなくて、途中でかなり豪快に休憩を入れてしまいました。お嬢様、さっぱりした、いい人なんですけどね。傾いた農場を建て直すところなんかとてもすてきだったのに、なんであんな、顔がいいだけの男と……?
本
- 『紫式部日記・紫式部集』
- 佐々木健一『美学への招待』
- ピーター・スワンソン『そしてミランダを殺す』
- 大前粟生『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』
- 宇野重規『未来をはじめる 「人と一緒にいること」の政治学』
- コナン・ドイル『詳注版シャーロック・ホームズ全集 (6) 』
- T.A.シービオク、J.ユミカー=シービオク『シャーロック・ホームズの記号論―C.S.パースとホームズの比較研究』
- 藤竹暁『都市は他人の秘密を消費する』
そんなわけでしばらくまじめにミステリを読もうと思うのですが、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』、おもしろかった!「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」というのは結論じゃなくて、登場人物のひとりがそう発言するんです。それを、主人公達が「ええと、どういうことかな?」と考えたり、話し合ったり、喧嘩したり、喧嘩したくなくてただただひたすら考えたり。おすすめです。