プール雨

幽霊について

小さくなった

 日本人に基本的人権はいらない、なぜなら神の国だからという特殊な国家観をこの列島に行き渡らせて美しい国をつくりあげる。

 そういう大仕事をしようというときに、公文書改竄や公選挙法違反といった、(上記の大仕事に比べれば)小さい悪事を重ねてしまったのはなぜなんだろう。「日本」をつくりかえるぞ、おう! という大胆なかまえと、実際に行われたことのせこさの落差に驚き続けています(とはいえそれは法治国家としての、近代国家「日本」の根幹をくずすには十分すぎる犯罪だったのですが)。

 やはり特殊な宗教観のなかで生きている人たちだから、憲法以前に法律そのものを軽んじる気持ちが強いってことなんだろうか。そういう政治が行われたこの数年ずっと「なんか、『日本』、小さくなった」という感じがしていました。広がりや豊かさが切り捨てられて、小さくなっていった。それは具体的には公共空間や公共施設、医療福祉教育への支援縮小というかたちで行われていました。