これは何かと申しますと、
ゲラ(校正用に印刷された試し刷りのようなもの)に貼った付箋を、編集さんに戻す前にそうっとはがし、ペンケースの蓋にはっつけて、次の仕事にも再利用しようともくろんでいるのです。
付箋のノリが強いとゲラ刷りにあとが残ってしまうことがあるので、再利用の果てに粘着力の弱った付箋が私の仕事にはベストなのです。こうしてせっせと粘着力の弱い付箋づくりに邁進している姿はみみっちく見えてもの悲しくなってしまうかもれませんが、決してケチっているわけではないのでご安心ください。
一足先に今年の仕事は終えました。私は編集さんに「よいお年を……!」と言いました。編集さんは「いや、年末になにかあるかもしれません」と言いました。
何もないことを期待いたします。
先日納品したこの仕事は、途中で高熱が出て三日ほど飛んでしまったのがきつかったです。38度6分が出たときは、「これはいわゆる発熱外来行き……」と思い、すぐ自主隔離して寝室から勉強部屋にふとんを移動させ、あちこち消毒しておとなしく寝たら一晩で熱は下がりました。ただすごく眠くて、一日寝ていました。
ここまでの高熱はなかなかないものの、たまに無意味に熱が出ることはあるので、普段だったら「熱が出たナ」で終了なのですが、COVID-19 の問題が解決していない今だと不安になってしまいます。早く「ストレスだな」とか「風邪だな」とかで済む状況になってほしいです。
とにかく、三日ほど熱でこもり、その後は突貫仕事でこもり、ほんの数日穴蔵生活を経たら、見るもの見るものめずらしくてじっと見てしまいます。
お花屋さんの前でぼーっとしていたら、店員さんにこのうえなく親切にされてぽーっとなり、お花を買ってしまいました。
花屋さんはこの花の組合せを「和菓子みたい。おいしそう」と言いました。そして、「瓶がかわいい」という理由でワインを買いました。
私はあんまりスリル的なものは人生に求めていないので、こういうなんでもない日にたいへん執着しておりまして、じっくり味わっております。
🌝 おしまい 🌝