みずからのあるじであるみなさま、おはようございます! 今日は日曜日。どんな状況でも来てくれる日曜日を、ざべすは頼りにしています。でも雨子と雨夫は「日曜日であるからこそ外に出られない」などと言うのです。ざべすはしょうがないので城の中でおでかけします。
こないだ、雨子と雨夫に「どこかに行きたい」と要求したら、町でいちばん、お出かけした気持ちになれるお店、旬菜邑咲(むらさき)さんにつれていってくれました。
「ちょっとした旅行」と言ってもいいくらいの、特別なお店です。ここに行くのは生誕祭などの記念日だけなのですが、今回は「旅行に行けないから、それに相当するところに行こう」と、何でもない日に特別なお店に行きました。
ざべすはわくわくしました。
お店に入るとお膳が用意されていて、ざべすたちはしずしずと座ってお行儀よくしました。なのに、雨子と雨夫は「暑い、暑い」とさわいで「とりあえずビール」「とりあえずチューハイ」などと言うのです。
もっと、しゅわしゅわ泡が立っているワインなどを頼んで、おとなっぽくしてほしかったです。でもこの「とりあえず」的なものはあっという間に飲み干してしまい、すぐ次のお酒へと展開しました。
そしてはこばれてきた前菜の美しさ。
ざべすは真ん中のもずくから時計回りに食べました。このたこ、やわらかくておいしかった。ぽーちゃんはたこが大好きなので目を閉じて、ゆっくり、ゆっくり噛んでいました。どれほどゆっくり噛んでも、やわらかいのであっという間になくなってしまうのでした。
油断していたら、大人達は二杯目に突入していました。
お椀は、
ハモです!
雨子たち、ハモを食べるのは実に二十年ぶりだそうです。そして、写真でうっすら見えている緑のは茄子なのですが、なぜか雨夫が「このネギ、こうばしくてやわらかくておいしい!」と言いだし、雨子も「こんなにふといネギ、あるんだねえ」などと言い、そしてそれをお店の人に言ってしまい、ざべすたちは頰を赤くしました。お茄子、とってもおいしかったです。
次はおつくりです。
ざべすはすだちとお塩で食べたり、おしょうゆで食べたり、そのまま食べたり、こころゆくまでおさしみを楽しみました。
そして焼き物は、太刀魚です!
ふわっとしてじゅっとしてとってもおいしかったです。これが太刀魚なんですねえ。
煮物はとってもきれいでした。
最後のお椀前に、さわやかなお味の煮物で、ざべすはほっとしました。
最後は、
うなぎです!
雨子はこれが目の前に来た瞬間「ありがとうございます」と言っていました。なにを言っているかわかりませんが、こころはわかります。
「これが私たちの食べる、最後のうなぎかもしれない」
と雨子は重々しく言い、あっという間にたいらげました。ざべすはおかわりしました。
デザートは🍑のコンポートです。
とってもいい香りで、お口の中が清められたように思いました。
お昼の、ほんの数時間だったと思いますが、ちょっと特急に乗って旅行に行って一泊してきたような気持ちがしました。
お店の方は、ざべすたちがいつここに来て、どんなものを食べたか大体把握しているようでした。ざべす感激です。
そしていつもならまっすぐお城に帰還するところ、もう一件寄りました。
この町には貴重な、喫茶店です。
ここはホットサンドがおいしくて、コーヒーがお代わり自由で、モーニングを一日中やっているすてきな「町の喫茶店」です。
でも、もうすぐ閉店してしまうらしいのです。
とてもさみしいです。
感染症が発生してから、テイクアウトは利用したことがあったのですが、ずっと来ていませんでした。パンデミックが収まったらみんなで行こうね、ずっと行けなかった分、何度も行こうねと言っていたのに、こんなことになって残念です。
しょんぼり。
行けるときに、行きたいところにはどしどし行きたいと、ざべすは思いました。
みなさんにもお目にかかりたいです。
ではまた来週よ。
🐟 チェリオですわ 🍷