11 月の課題図書
11 月の実際
- 西村賢太『雨滴は続く』
- ケン・リュウ編『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』中原尚哉・他訳
- 平野千果子『人種主義の歴史』
- 米本昌平・松原洋子・橳島次郎・市野川容孝『優生学と人間社会 生命科学の世紀はどこへ向かうのか』
- ダグラス・アダムス『宇宙クリケット大戦争』安原和見訳
- 北田暁大・解体研編『社会にとって趣味とは何か』
- ケイン樹里安・上原健太郎編『ふれる社会学』
- 田島悠来編『アイドル・スタディーズ 研究のための視点、問い、方法』
- デビッド・スーシェ、ジェフリー・ワンセル『ポワロと私 デビッド・スーシェ自伝』高尾菜つこ訳
ダグラス・アダムスの「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズや「ダーク・ジェントリー」シリーズを読んでいると、マーベルシネマティックユニバースとモチーフが共通しているのに、雰囲気が全然違うのに驚きます。大西洋を挟んで SF 界はずっと同じ話を追っていたということなのかなあ。特に「神の介護」というモチーフが印象的です。
マーベルシネマティックユニバースはもう追うつもりがなくて、それは大部分、パンデミックのせいで見損ねちゃったからではあるんだけど、やっぱり自分はトニー・スタークと最初の『アイアンマン』が好きで見てたところがあるので、『エンドゲーム』でけりがついてしまったんだなと思います。
トニーといえばモデルにあげられるのがイーロン・マスク。『アイアンマン』冒頭のトニーは確かにちょっとそんな感じ。でもその後大きく道が離れました。トニー・スタークは心臓と心と友人を得て愛し愛される生活を送っておまけに地球まで救ったけど、イーロン・マスクはどうなるんでしょう。本人はともかく、Twitter はどうなるのでしょう。「週明けまで持たないかも」といったニュースが流れてから数日、とりあえず動いてはいるようだけれど、差別煽動やデマで凍結されたアカウントが続々凍結解除になり、コロナに関するデマ規制もなくなり、アメリカでは民主党員のアカウントが減ってかわりに共和党員が続々増えているとか。私は有名人じゃないんで、「Twitter やめます」と旗幟鮮明にしてもあまり意味がない。壊れるまではあそこにいると思うけど、いつこわれるかわからないし、セキュリティが心配だし、ただでさえデマと陰謀論といやがらせとエロと詐欺が横行しているのに、それがさらに勢いづくわけでうんざりします。「うんざりする」で済むのはましな方で、インフラとして頼みのつなにしていた人たちも大勢いるわけで、そういう人たちが「使わざるをえないが誹謗中傷に怯える」ようなことにならないとも限らない。
富を占有している人がいるって大変なことなんだ。
『折りたたみ北京』『優生学と人間社会』『社会にとって趣味とは何か』『ふれる社会学』は以前に読んだことがあるのですが、『人種主義の歴史』『アイドル・スタディーズ』を読むための参考書としてあらためて読みました。だから 11 月は新しく読んだ本があまりないのです。でも、じっくり読めて勉強になりました。『人種主義の歴史』、おすすめです!
12 月の課題図書
今、このタイミングで読まなければという本が三冊と完全なる趣味本が三冊です。しかし、たった今読んでいるのはアガサ・クリスティー『複数の時計』なのでした。あと、合わせて喜安朗『パリの聖月曜日 19 世紀都市騒乱の舞台裏』も脈絡なく読んでいます。平凡社の叢書「社会史の本」の一冊で、1987 年版なんですけどどうも活版印刷っぽいんです。版面をなでなでしながら読んでいます。
そんなわけで読書ってなかなか直線的に進まず、あっちこっち行ってしまいますね。
📚 おしまい 📚