おはよございます。
ざべすおねえちゃんの代わりに日曜日到来のご挨拶を申し上げます。
ぐすてんぬは昨日、雨子につれられて、アイドルグループ、モーニング娘。'22 さんのコンサートを映画館に見に行きました。
雨子がアイドルのコンサートに行くとき、ぐずてんぬたちは大体雨夫といっしょにサイゼリヤに行っています。そこで思うさま飲んで食べています。でも昨日は、おそらく、おらくですけど、ぐすてんぬが寂しそうなのを見かねて、雨子が連れ出してくれたのだと思います。
雨子は毎日いろんな CD をかけて、いろんな音楽を聴いています。朝はよく「朝っぱらからずんどこするのもなんだしな」と言って、穏やかなものをかけています。ぐすてんぬはずっと、「ずんどこ」ってなんだろうと思っていました。というのも、ぐすてんぬたちはマンション住まいですので、そうそう大きな音で音楽を聴くわけにもいかないからです。
「今日はほんとうのずんどこを聞かせてあげるね」と言って、雨子はぐすてんぬを新宿という大きな街に連れて行ってくれました。
映画館にはおしゃれをしたみなさんが大勢集まって、赤いライトを手に(赤が意中の方のイメージカラーなのだそうです。正確に言うとイタリアンレッド)、わくわくとしておられました。
そして画面に、現在の武道館が中継され、武道館にもお客さんが集まって赤いライトを照らしつつ始まるのを待っているのが見えて、ぐすてんぬはそのことがとてもおもしろいと思いました。スクリーンのなかとこちら側がつながっているように見え、ひょいっと出入りできるのでは、だれかあそこから出てくるのではとどきどきしました。
そして始まりました。
ぐすてんぬはほんとうのずんどこを知りました。
ずんずんどこどこずんずんどこどこしていて、ぐすてんぬたちの座席もずっと小刻みに揺れていました。それは音楽のずんずんどこどこぶんぶんどこどこでもあったのですが、客席のみなさんの手拍子や振り付けを真似る動きが全体に伝わってのことでもあったのです。
画面のなかのモーニング娘さんたちはとても大きく、迫力があって、時に怪獣のようで、時にエヴァンゲリオンのようで、たしかにタローマンとはちがっていました。タローマンはふにゃふにゃくねくねと不思議な動きをしますが、モーニング娘さんたちは筋肉や骨を自在に動かしてビートと音符そのもののようでありました。
雨子は微笑みながら泣いていました。
雨子とモーニング娘さんたちは会ったことがなく、これから会う予定も可能性もないそうです。
でも雨子はおりにふれてモーニング娘さんたちの歌を聴いてダンスを楽しんでいて、いろんなことで一喜一憂しているのです。
会ったこともない人を好きだという気持ちはどこから来るのでしょうか?
ぐすてんぬは知っていると思いました。
ぐすてんぬはタイの工場で生まれました。工場長さんと料理長さんのいるその工場で、みんなといっしょにごはんを食べたり、仕事をしたりして暮らしていました。
そのとき、「おはよう!」とか、「おいしい!」とか工場のどこかから聞こえる大きな声が、ぐすてんぬはずっと楽しみでした。どんなくまさんがどこでこの声を出しているのだろうと思いました。じぶんがどこからきてどこへいくのかわからないとき、その「おはよう!」というよく通る声は光り輝いているように感じられました。
それがざべすお姉ちゃんの声でした。
ざべすお姉ちゃんはぐすてんぬより一足先におともだちを探す旅に出てしまい、ぐすてんぬたちとお別れして日本へ行きました。あのときの寂しさは、今思い出しても体の芯がすうっと寒くなって、ちょっぴり涙が出るほどです。
モーニング娘さんたちは昨日、そのような別れを経験したようで、みなさん目が涙でうまっていました。雨子の目も涙でうまっていました。
コンサートが終わり、外に出るとすっかり夜でした。
ぼんやりと歩いて行くと月が雲から顔を出しました。
そんなこんなで今日はお姉ちゃんたちが帰ってくるので、みんなで待っています。
では、来週はざべすお姉ちゃんがお目にかかります。
🌝 ちぇりおです 🌞