今年、やっとこさ読んだ本
読まなきゃいけない、読みたい、だけどいかにもしんどそうで積んでいる本がみなさんのお部屋にもあると思います。本じゃなければ、映画やドラマ、音楽などで、そんな作品があることと思います。そうした作品群からはちょっとした圧力が醸されていて思わず目をそらしたくなることも。
でも、どんな作品、どんな読者にも「波」というものがありまして、あきらめずに待っていればそれはいつかやってきます。あきらめて古書店に持ち込んでしまう前に、表紙をさすさすとさすったり、任意の頁を開いてくんくんと香りを確かめたり、そのようなことをしてまた本棚にもどすのも一興です。そういう本を読み終えたときの感慨はひとしおです。多分健康にもよいでしょう。
本は積まれていくもの。あきらめないで。
今年読み損ねた本ベスト5
- ショーン・フェイ『トランスジェンダー問題 議論は正義のために』高井ゆと里訳
- 金思燁『古代朝鮮語と日本語』
- 鈴木泰『語形対照 古典日本語の時間表現』
- エルヴェ・ル・テリエ『異常(アノマリー)』加藤かおり訳
- 中野敏夫『詩歌と戦争 白秋と民衆、総力戦への「道」』
なんとな〜く「次に読む本」リストにずっとある本。どれもおもしろそうだなあ。それに喫緊の課題ではないか。読もう、山をくずそう。
私はやっぱり本が好きです。なぜ好きかは説明しづらいけれど、ひとつには自分のペースでできることだから、というのがありそうです。これが多分、一番自分にとって健康にいい。
あと、今年実感したこととして、「初読では『やっとこさ』だった本も、二度目三度目となると別の楽しみが生まれる」ということで、「映画は二回目がおもしろい」と言われますけど、本もそうだなあと繰り返し読むことが増えました。
まあ、一読して「もういいか」という本もあるにはあるのですが、そんな本も結局読んでみなければわからないわけで。
ではでは、年内は今日が最後です。すっかりお世話になりました。来年もよろしくおねがいいたします。
ฅʕ·ᴥ·ʔฅ ちぇりお ฅʕ·ᴥ·ʔฅ
今年読んだ本全部(読んだ順)
- 山本文緒『シュガーレスラブ』
- ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』土屋政雄訳
- 北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』
- 北村紗衣『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち 近世の観劇と読書』
- アガサ・クリスティー『火曜クラブ』中村妙子訳
- ホン・サンス『ヘイトをとめるレッスン』たなともこ・相沙希子訳
- 萩原朔太郎『猫町』市川曜子挿画
- 岸本尚毅『文豪と俳句』
- リチャード・オスマン『木曜殺人クラブ』羽田詩津子訳
- 津村記久子『現代生活独習ノート』
- 西村賢太『夜更けの川に落葉は流れて』
- 若竹七海『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』
- 大沼保昭・江川紹子『「歴史認識」とは何か 対立の構造を超えて』
- 松田青子『英子の森』
- 深町秋生『アウトクラッシュ 組織犯罪対策課 八神瑛子Ⅱ』
- 堀辰雄『燃ゆる頰・聖家族』
- 和泉悠『悪い言語哲学入門』
- アガサ・クリスティー『ホロー荘の殺人』中村能三訳
- 田中克彦『ことばは国家を超える 日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義』
- アガサ・クリスティー『エッジウェア卿の死』福島正実訳
- エマ・バーン『悪態の科学 あなたはなぜ口にしてしまうのか』黒木章人訳
- マリヤ・アリョーヒナ『RIOT DAYS プッシー・ライオットの革命 自由のための闘い』
- M・W・クレイヴン『ストーンサークルの殺人』東野さやか訳
- 小林賢治『最新 差別語不快語』辛淑玉企画
- 『江戸川乱歩全短編1 本格推理1』日下三蔵編
- 深町秋生『アウトサイダー』
- 桑野隆、大石雅彦編『ロシア・アヴァンギャルド 6 フォルマリズム 詩的言語』
- 西田太一郎『新訂 漢文法要説』
- 大熊肇『文字の骨組み 字体/甲骨文から常用漢字まで』
- 深町秋生『インジョーカー』
- 柚木麻子『本屋さんのダイアナ』
- 全卓樹『銀河の片隅で科学夜話』
- 速水融『歴史人口学で見た日本 増補版』
- 太田忠治『浅倉玲一は信頼できない語り手』
- アガサ・クリスティー『満潮に乗って』恩地三保子訳
- トーベ・ヤンソン『小さなトロールと大きな洪水』冨原眞弓訳
- トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の彗星』下村隆一訳
- デラルド・ウィン・スー『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション 人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別』マイクロアグレッション研究会訳
- 『大岡昇平全集12 小説11・戯曲』
- 大岡昇平『事件』
- 北村紗衣『お嬢さんと嘘と男たちのデスロード』
- アガサ・クリスティー『マギンティ夫人は死んだ』田村隆一訳
- アガサ・クリスティー『ヒッコリー・ロードの殺人』高橋豊訳
- 田中克彦『差別語から入る言語学入門』
- 田中克彦『チョムスキー』
- ゾラン・ニコリッチ『あなたの知らない希少言語』藤村奈緒美訳
- サイモン・ウィンチェスター『博士と狂人 世界最高の辞書OECDの誕生秘話』鈴木主税訳
- 丸山正樹『ウエルカム・ホーム!』
- 王谷晶『どうせカラダが目当てでしょ』
- 原沢伊都夫『考えて、解いて、学ぶ日本語教育の文法』
- 桜井英治『室町人の精神』
- ダグラス・アダムス『長く暗い魂のティータイム』
- 塚田穂高編著『徹底検証 日本の右傾化』
- 入矢玲子『プロ司書の検索術 「本当に欲しかった情報」の見つけ方』
- カール・マルクス『共産主義宣言』金塚貞文訳
- 市原淳弘『血圧リセット術』
- ガイ・ドイッチャー『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』椋田直子訳
- 落合淳思『漢字の成り立ち 『説文解字』から最先端の研究まで』
- 中島敦『光と風と夢・わが西遊記』
- 中島敦『斗南先生 南東譚』
- 森まゆみ編『伊藤野枝集』
- 円城塔『文字渦』
- 金井マキ『世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑』
- 藤野可織『私は幽霊を見ない』
- A.ラーマー『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』高橋恭美子訳
- 村田雄二郎・ラマール編『漢字圏の近代 ことばと国家』
- 佐藤忠男『見ることと見られること』
- 香月孝史・上岡磨奈・中村香住編著『アイドルについて葛藤しながら考えてみた ジェンダー/パーソナリティー/〈推し〉』
- アガサ・クリスティー『死者のあやまち』田村隆一訳
- 松村圭一郎『くらしのアナキズム』
- アンソニー・ホロヴィッツ『殺しへのライン』山田蘭訳
- アガサ・クリスティ『ポワロの事件簿1』厚木淳訳
- アガサ・クリスティ『ポワロの事件簿2』厚木淳訳
- 山室新一『モダン語の世界へ 流行語で探る近現代』
- 瀬尾育生『文字所有者たち 詩、あるいは言葉の外出』
- 牧野智和『日常に侵入する自己啓発 生き方・手帳術・片付け』
- シルヴィア・フェデリーチ『キャリバンと魔女 資本主義のに抗する女性の身体』
- 田村隆一『1999』
- 西村賢太『雨滴は続く』
- ケン・リュウ編『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』中原尚哉・他訳
- 平野千果子『人種主義の歴史』
- 米本昌平・松原洋子・橳島次郎・市野川容孝『優生学と人間社会 生命科学の世紀はどこへ向かうのか』
- ダグラス・アダムス『宇宙クリケット大戦争』安原和見訳
- 北田暁大・解体研編『社会にとって趣味とは何か』
- ケイン樹里安・上原健太郎編『ふれる社会学』
- 田島悠来編『アイドル・スタディーズ 研究のための視点、問い、方法』
- デビッド・スーシェ、ジェフリー・ワンセル『ポワロと私 デビッド・スーシェ自伝』高尾菜つこ訳
- 川添愛、花松あゆみ『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』
- アガサ・クリスティー『複数の時計』福本和夫訳
- 『ちいさな手のひら事典 薬草』
- 草野理恵子『有毒植物誌図鑑』
- アガサ・クリスティー『第三の女』小尾芙佐訳
- 樋口毅宏『民宿雪国』
- 川島幸希『英語教師夏目漱石』
- 金井真紀『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った』
- 岡本真帆『水上バス浅草行き』