2023 年上半期の音楽生活をまとめます。
下半期に入るまで CD を買わないように自分を戒めるためです。
2023 年上半期に買った CD はこちらです。
今年は年初から坂本龍一『12』(楽しいアルバム)、クラムボン『添春編』(うきうきするアルバム)、Yo La Tengo "This Stupid World"(喜びがわいてくる)、The National "First Two Pages of Frankenstein"(タイトルがいい)、スピッツ『ひみつスタジオ』(不思議)と大物の新作リリースが続いたので、「え、出るの!」とびっくりしているうちに 5 月になりました。湯川潮音『10 の足跡』は去年出ていたのを今年になって気付いて慌てて買いました。「風のうわさ」がすばらしいです。
どれもまだ全然聞きこなしていません。
高橋幸宏が出口から行ってしまって、しばらく高橋幸宏しか聞けない時期があって、その後坂本龍一にも出て行かれてしまったので、そうなってくると坂本龍一ばかり聞いているうちにもう 5 月です。
そもそも今年は「坂本龍一を聞き直そう、といっても『千のナイフ』からだが」と年初に考えていて、高橋悠治第一ピアノ、坂本龍一第二ピアノの CD とか発掘……と、今その話をすると果てしなくなるので、自分でしといて恐縮ですが、それはおいといて、とにかくあまり新譜に対して構えが取れていないのです。
でもどれも好きです。今後何年もかけてゆっくり聞いていくと思います。
『イエローマジック歌謡曲』はタワーレコードで貯めたポイントで引き換えました。YMO の三人が提供した曲を集めた三枚組。私こういう編集ものって結局聞かなくなる傾向があるので買ってなかったんですが、いい機会だと思って買いました。買ってよかったです。柏原よしえの『しあわせ音頭』や三田寛子の『夏の雫』なんて、初めて聞きました。びっくりしました。それらの曲に限らず「これ、歌メロか?」という感じのおかしな歌がたくさん収められていて、よく歌手が「こんなの、歌えるか!!」とキレなかったなとしみじみしました。いや〜うちに郷ひろみの物理アイテムがまぎれこむことになろうとは。端的にひどい曲もたくさんあり、どきどきします。
しかし、そんななかでも異彩を放つ原田知世です。『リセエンヌ』と『クララ気分』が収められています。今ちょろっと確認したら、容易には聞けないようです。そうですね、たまには「CD で買うしかない」という事態もあってしかるべきだと思います。
これら以外に、私には「夕方から夜にかけてどうしても聞いてしまう曲」というのがあります。ごはんをつくるときに聞いている定番の曲、ふと気付けば毎日聞いている曲です。
2023 年上半期はこんな曲でした。
The White Stripes "The Big Three Killed My Baby"
今、The White Stripes のファーストがたいへんにしっくり来ており、繰り返し聞いています。何回聞いてもいい。20 年くらい前のリリースでしょうか。あれから色々あったがいつ聞いても目が覚める優れた作品です。
Girls' Generation "Sweet Talk"
2017 年リリースの曲が今年突然の大ブーム。歌に聴き応えがあって、日常の挙措一つ一つに力がこもります。立っているだけで走っているような気持ちになります。
The Beths "Future Me Hates Me"
2018 年リリースの曲に今はまっています。CD はたしか、2018 年に買った。The Beths はこの後二枚アルバムをリリースしているので、そちらもおいおい聞いていくでしょう。
こうしてみると、大体世の中から数年年遅れ、数十年遅れで自分の音楽生活は推移しているようです。が、たまに、現にヒットしている曲にぴたっとはまっていることもあります。それがこちらです。
boygenius "Not Strong Enough"
この動画をついつい日に二度くらい見てしまう。すばらしいと思う。boygenius は以前出た EP を持っていて、このアルバムはまだ。9 月頃に買う予定です。すでに spotify などで何回も聞いてしまっています。このように、物理アイテムを入手する前に相当聞き込んでしまうことがあります。自分でも「買う前に飽きちゃうじゃん」と不安なのですが、PC で延々聞いたあとにいざ CD で聞くと音が全然違い、そのときにまた出会い直すことになるのです。毎回毎回「あれ、全然聞いたことない感じだ!」と驚きます。だから大丈夫。
坂本龍一が集めていた曲のリストが公開された関係で、私も初めて spotify を使ってみています。携帯で音楽を聞かないので、今まで必要性を感じていませんでした。
Ryuichi’s Last Playlist.
— ryuichi sakamoto (@ryuichisakamoto) 2023年5月15日
We would like to share the playlist that Ryuichi had been privately compiling to be played at his own funeral to accompany his passing. He truly was with music until the very end.
- skmt managementhttps://t.co/QPeSnthq9p pic.twitter.com/lK7B2ltUM9
便利さに驚きました。どうして無料でこんなに聞けちゃうんだろう、と思いつつ聞いているとたまに CM が入ってむしろ安心します。その CM だって音楽の CM だから、なんなら番組の一部のように感じるし、あまりに便利すぎて不安になります。もし自分が高校生で spotify があったら、CD を買うなんて発想はもたないと思う。でもこれでどうやって作家に収益がまわるんだろう。世界中をツアーで回れるような人でなければやっていけなくなるのでは。と、こんな話題も周回遅れではあるのですが、遅れているなりに『誰が音楽をタダにした?』を読まないとなあ。
というわけで、何もかも世間から十年単位で遅れているのでした。
まあ、しょうがないです。
♪ おしまい 🎶