すこし酷暑もやわらいできましたので、どこか一泊旅行に出かけましょうという話になりました。今なら、御嶽山なんていいのではないか、暑くもなければ寒くもない。たぶん。そういうことに決まりました。
御嶽山へ行くにはまず、JR 青梅線で青梅から御嶽駅へ。そこからバスに乗り換え滝本駅に行き、ケーブルカーに乗ればよいのです。御嶽山駅から御嶽神社までは歩いても 20 分くらい。
病み上がりにぴったりの穏やかなルートで、きれいな風に吹かれて夜はすやすやと休む、そんなつもりでした。
途中で、鳩ノ巣渓谷に寄りました。
ここに泊まったこともあるな、と思いつつ、御嶽を目指しました。
バス、ケーブルカーと接続がスムーズに行き、あっという間にケーブルカー車内です。
御岳山駅ではうりぼうがお出迎え。
そして、霧。
霧の中をしばし歩くと、
りっぱな集落に出ました。
このうどん、おいしかった。つるつるもちもちとしていて、食べ応えがありました。
問題はここからで、なにせ山は山。古くから山岳信仰の対象となり、多くの人びとをひきつけてきた、武蔵御嶽神社を擁する、山なのです。したがって、脚でのぼらなければならない。
二カ月じっとしていた脚に山がきつい。
しかし、登山というほどのあれではないのです。
なんせ神社があって、昨日今日整備された参道ではないのですから。みなさん、さらさらとのぼっていかれます。
私は、上り坂と自分の角度が限りなく平行に近づきそうになるのを、「苔を撮影しています」という体でごまかしながら、脚を交互に前へ前へと進めました。
そしてこの神社には色々とあった。歴史も文化も信仰もばりばりにありました。だが私はただただ、ぜーはーぜーはーとしていました。
そして振り返ってみますと、基本的にこの辺りからずっと眠かった。
こういうところで飲むコーヒーは格別でした。「ここでとらさんなら何を食べるだろう」とメニューをうすらぼんやり眺めていると、お酒+ごはんだと、何をどう組み合わせても 1500 円を超えてしまうのが辛かったです。とらのやつのために 1000 円以内におさえたかったのですが。
ふらふらになりながら予約した宿を目指して歩いていますと、するりとやってくるお猫さまが。
あら、なにか? と思うと、お座りになるお猫さま。
このお猫さまが、
ついていきましたら、そこがその夜のお宿なのでした。
それで私はほんとに安心しまして、この猫さんたちに導かれた宿でぐうぐうと寝ました。
🐈 おわり 🐈