二十七 昔のこと。 男が女のもとに一夜だけ通い、それきり行かなくなってしまった。朝になり、女が、手を洗う所にかけてあった貫簀(ぬきす)をよそへどけてみたら、たらいの水に自身の影が見えたので、女みずから 我ばかり(私ほど 物思ふ人は(思い悩んで…
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