プール雨

幽霊について

伊藤理佐の新刊

 伊藤理佐の新刊を読みました。新聞でエッセイの連載はあるけど、彼女の漫画は久しぶり。やっぱり絵がうまい! いろんな視点から描けるし、無意識にする、人間のすっとしたきれいな表情とか、ばつぐんにうまいと思う。しげしげと眺めてしまうコマが各話にいくつかあって充実していました。
 一方、話の方は読んでいて苦しくなるようなものが多く、立ち止まることしばしばでした。「棘のある、当たり前の毎日」という感じなのかなあ。盗撮なんかは私は笑って終わらせることができない。世界の見え方が変わってしまうと思う。でも「盗撮をしてしまう人」を含めた世界を笑って、愛そうという感じなのかなあ。愛することはできるかもしれないけど、笑えないなあ。

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