プール雨

幽霊について

『ハクソー・リッジ』

沖縄戦「慰霊の日」の翌日公開だった『ハクソー・リッジ』(Hacksaw Ridge、メル・ギブソン監督、2016)を見ました。

  • 映画館で映画を見る人の身体感覚に優しい 139 分で、短く感じた。音楽をいくつかカットしたら更に苛烈な表現になったと思う。
  • いわゆるひとつの「ばかには勝てん」映画なのだけど、このジャンルとしては上品な仕上がりで、結局ほんとに馬鹿にされている人がいないのが良かった。主人公と相対する人もちゃんと、完全に一人の人として登場して重みは主人公と変わらなかったし。特に、婚約者が「プライドでしょ」って言って自分のその言葉にはっとして、気がついて、引き返すところなんかは印象が強かった。
  • 戦争もの、しかも第二次世界大戦ものなのに「アメリカ」「アメリカ人」という言葉があまり出てこないこと、出てくる時はしょうもない文脈か、はっきりと「問題の根源」として出てくるのが見識だと思いました。