プール雨

幽霊について

びっくりした

みなさん、これを読んだことがありますか?

honto.jp

びっくりしました。
ミステリ作家(本格もの)の鮎川哲也(登場人物の名前)の短編が、十年ばかし前に発表された石本峯子のものにそっくりだということで、盗作の疑いがかかり、鮎川は名誉挽回のために自ら事情を探り、石本峯子を探すことにします。しかし発表された雑誌はとうに廃刊しており、関係者のほとんどが出版界に残っておらず、捜査は難航するのです。
というわけなのですが、難航するのはこの「鮎川哲也」って人がふらふらふらふらしていて、六割方が関係ないどたばたで占められているからなのです。「この店番描写、なんだろう」「この飲み会描写、いつまで続くんだろう」「このセクハラってか痴漢描写、いつまで続くんだろう、そして何の意味があるんだろう」とか思いつつ読み進め、「ま、でも全然関係ないってことないんだろうな」と我慢していると、衝撃のラストが鮎川とはほぼ無関係に向こうからやってくる。ほんとびっくりしたよ。口に大福をつっこむっていう謎の……まあ、いいや! いいの。びっくりしただけで十分ですわよ。