プール雨

幽霊について

『さよならの手口』

honto.jp

 葉村晶シリーズ 5 冊目を読みました。
 この前の長編『悪いうさぎ』から実に 13 年も空けての出版だったので、発売された当時はうれしくてうれしくてたまりませんでした。

 でも内容はハード。

 フリーで契約していた探偵事務所が店じまいして、所属も後ろ盾もなくなった葉村晶がいろんな人に利用されてずたぼろになってしまいます。所属する組織がない、口はうまいが嘘はつけない、まじめ、そして女。そんな葉村晶がちょうどよいところにちょうどよいタイミングでいてしまい、ひどい目に遭って遭って遭い尽くして、自分自身に対しても失望する。そこから彼女が立ち直ったきっかけは、他人のために駆けだしたことでした。

 やっぱり、時に自分の非力さにさいなまれはしても、やましいことのないシンプルな生活は最高です。

 おすすめです!