2015年ベスト人類「フェリオサ大隊長」
2016年ベスト人類「スポットライト 世紀のスクープ」のみなさん
に続き、2017年ベスト人類はこの人、嗣永桃子に決定!
嗣永桃子アイドル 15 周年ということは、この 15 年、私の人生は嗣永桃子とともにあったということで、どうも
「大変な 15 年を生きてしまったなあ……」
と思います。
この 15 年、まわりでは様々な困難があったのですが、私自身は至って穏やかに暮らしており、その静かな暮らしになぜかももちの格闘がぴたっとはまり、結局ももちなしでは生きていけない生活習慣ができあがってしまいました。
ももちは決して悪口を言わない。
かわいいこととおもしろいことしか言わないという姿勢は大いに評価できる。だから私も二ヶ月に一度くらい「金輪際悪口を言わないようにしよう」と決心して結局一日と持たず「嫌いっ」とか言ってしまうのであるが、悪口は良くないという姿勢はこの 15 年で大分リアルなものになりました。あと 10 年くらいでなんとかできそうな雰囲気です。
ももちはオリジナルにかわいい。
アイドルとしての仕事がある中、黒髪、薄化粧で通すのは大変だったと思う。色白そばかす、かわいい! だが芸能界では(多分)鋼の心がなければ押し通せない。もちろん私達が「ももちかわいい、かわいい」を言い続けたというのも少しは支えになっているかとは思うけれども、それにしても強い。私も自分の着たいものを着て元気に暮らしていきます。
ももちはなんとかする。
これがいつ見てもすごかった。最初は歌もダンスもそれほどうまいわけじゃなくて、ZYX の頃の映像なんかを見るとそれなりにあわあわしているのですが、その頃から、回ってきたパスは必ず何とかするところがあって、ソロに強かった。上手いわけじゃないけど、何となく「場がもつ」歌で、曰く言い難い魅力がありました。いろんな声が出せるのがいいのかな。
鈴木愛理と夏焼雅っていう歌手が生まれたわけだから、ハロプロキッズはプロジェクトとして成功したと言っていいんだと思う。そこに嗣永桃子が加わらないのはとても寂しいけれど。
Buono! のラストライブ「Buono! ライブ 2017 〜Pienezza ! 〜」、「楽しい」ってことで言えば、ちょっとこれまでに味わったことのないような楽しさを味わいました。立ち見席だったので、ライブハウスの PA 前みたいな空間を想像していたのですが、一人ひとりにゆったりした空間が確保されていて快適で、舞台にも近くて嬉しかった。そこで Buono! の歌をじっくりと聴いて「もし、ももちが高校生のときにこの二人と出会ってバンドを始めていれば、音楽を一生の仕事にしたかもしれないなあ」なんていう妄想を搔き立てられました。別の物語が見えました。
6月30日の「嗣永桃子ラストライブ ありがとう おとももち」は朝からの雨も昼過ぎには上がり、夕方には何と晴れ間もあり、残照に映える嗣永桃子がかっこよかった。登場した瞬間「あっ……!」と息を呑むほどの美貌、ふくらはぎの筋肉、繊細なビブラート、ひばりのような高音、温もりのある低音、はにかみながらのトーク、立たせ続けた小指をぎゅっとたたんで拳を見せつけての退場、すべてがかっこよかった。
ほんとはセットリストの一番上、アンジュルムの「次々続々」から事細かにコメントしたいくらいだけど、そうすると全部で30曲くらいになってしまうような気がするのでそれは自分だけでするとして、今日は一つだけ、メドレーで披露された「大人なのよ!」について。
これはイントロが好き。
雅ちゃんの曲というイメージ。でも一度、ももちのソロで聴いてみたかった。正確に言うと、聴いた瞬間、ずっと自分がそう思っていたことがわかった。ももちの喉によくあってたし、「ああ、こういう曲だったんだなあ」というひらめきを与えてくれました。ももちの「この曲はこういう曲よ」という主張はいつもはっきりしてる。そのはっきりした主張のもとで一度聴いてみたかったの。とても良かった。
ハロプロの曲は、レコーディングしてからライブという順番で歌われていくので、CD 音源が一番歌としては質が低くて、その後ライブを通じて良くなっていく傾向があります。今回、彼女が 15 周年ということで「がんばっちゃえ!」といった昔の曲から最近の曲までカバーしてくれて、「ついに完成形が CD に収まったなあ」と感慨深く思いました。
細い道になってしまったアイドル歌謡の、ひとつの完成した姿が手元にあって幸せです。
私は大丈夫です。
と、彼女は言い、そして後輩の山木梨沙ちゃんと小関舞ちゃんに歌わせて、小指をたたんで引退していきました。かっこいい! 「私は大丈夫です」って若いときに言ってみたかったな。あのとき、会場にいた全員がそう思ったんじゃないでしょうか。
ももちがいるテレビやラジオはおもしろかったです。特にテレビって全体に保守的だから、そんなにフレッシュに楽しい時間ってないけど、あの中に数年間ももちがいたと思うとそれだけで愉快な気持ちです。
今後もももちの歌とともにおもしろおかしく生きていきたいです。どんなときも薄ら笑いを浮かべて。