プール雨

幽霊について

尾瀬あきら『どうらく息子』

尾瀬あきらどうらく息子』第一〜十八集(完) 小学館

どうらく息子(18) (ビッグコミックス)


落語の世界に飛び込んだ関谷翔太を中心にした群像劇。完璧。おもしろかった!

たった十八巻で終わった。あんなに、みんなに色々あって、完全に群像劇なのにラストのシャープさに驚きました。題材が落語というのも生きていて、日常触れているロジックとは違うロジック、違う文体ですっすっと物事が動いていって、どの人の「サゲ」にもドキドキしどおしの全十八巻でした。読んだ次の日、道を歩きながらふっと彼ら彼女らのことを思い出して泣いてしまった日もありました。こんなにはまっているにもかかわらず書店でタイトルが思い出せず「ええと、なんとかもんっていうタイトルで落語の」と言ったら店員さんが華麗に最新巻を出してくださったこともありました。みんないい思い出です。特にヒロインの描き方は斬新。ヒロインというか……ある、主人公のそばにいつもいた人物のなりゆきには「おおっ!」となりました。おすすめです。