プール雨

幽霊について

丸山正樹の手話通訳士のシリーズ

 丸山正樹の手話通訳士のシリーズ、おすすめです。「聞こえない声に耳を傾ける/聞こえない声を可視化して届ける」、そういう構えで生きることで主人公がじわじわ成熟していきます。最初はがんばってがんばって誠実にふるまっていた彼が、無力さを実感しながら静かに、当たり前に、誠実さを身につけていく姿にわくわくします。小さな声をないことにすることで保持されるのが「公共性」なのかと、日々逡巡している私たちの喉に耳に背中にそっと触れるような物語も素晴らしいです。

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