寒中お見舞い申し上げます。
2018 年は劇場で 60 本の映画を見ました。以下、そのリストと一言感想です。
- 『ロープ 戦場の生命線』……原題 “a perfect day” がぱっと出る瞬間、それが皮肉やしゃれではなく、まさに a perfect day だというのがすばらしいです。
- 『ウィンドリバー』……永世お見舞い大賞。
- 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』……駆け出す子ども達の背中を見ているときに大人が感じることについて。
- 『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』……映画『銀河鉄道の夜』以来の輪転機演出に感動。
- 『ボヘミアン・ラプソディ』……いつも水を湛えたようなフレディの目と、静かなブライアンの目との対照が印象的。
- 『スリー・ビルボード』……「腑に落ちる」ということに関する魔法が見られる。
- 『search サーチ』……親が知らなかった普段の娘が、親にも想像できないくらいいい子だったっていうのがよかった。
- 『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』……かわいそうな幽霊が家にすみついていて、自身それがなにかもわからないままなにかをまっているだけの話で、ただひたすら哀しかった。
- 『ドリーム』……三人三様の仕事に対する献身が見事なのと並行して、冒頭の車から始まっていろんな機械が不具合を起こしたり壊れたり壊されたりしながら話がすすむのがおもしろかった。
- 『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』……正義も不正義も善も悪もないところでのヒーロー誕生譚。キュートな神話のような味わい。
- 『オーシャンズ 8』……サンドラ・ブロック特有の、一対一の関係で魅力を発揮する能力がいかんなく発揮されていて終始どきどきしました。
- 『いつだってやめられる 10人の闘う名誉教授たち』……三部作のラストで、三部作であることに納得させつつ、新しい倫理に手をかけたところが見事でした。
- 『マンディ 地獄のロード・ウォーリアー』……すごくシンプルな話なのに、何を観ているかわからなくなる、近年のニコラス・ケイジものでも出色の楽しさ。
- 『女神の見えざる手』……主人公の頼りなさに胸を打たれました。
- 『マンハント』……あとで罵倒されることになってもかまわないから誰彼かまわず勧めたい。
- 『トレイン・ミッション』……妙な味わいの残る佳品。2018 年エンドクレジット大賞。
- 『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』……シリーズ第一作らしく、まとまりがあって、わかりやすく、楽しく、そして切ない。
- 『カメラを止めるな!』……おもしろかったあ。
- 『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』……後悔がなければ何度も語ったりしないわけで。
- 『イコライザー2』……マッコールさんは意外と「スリー・ビルボード」のミルドレッドに近いものがある。
- 『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』……ロケットの目が美しかった。瞳孔映画大賞。
- 『ピーターラビット』……鶏さんと鹿さんがお気に入り。
- 『デッドプール2』……大真面目な話。
- 『ビューティフル・デイ』……とにかく、へとへとだというのが伝わってきた。
- 『リミット・オブ・アサシン』……2018 年イーサン・ホーク大賞。
- 『プーと大人になった僕』……プーを抱きしめるクリストファー・ロビンの腕に運命を感じた。
- 『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』……夏休み、光り輝く密室で子どもたちが感じる恐怖。
- 『15 時 17 分、パリ行き』……途中で何を観ているかよくわからなくなった。楽しかった。
- 『万引き家族』……終盤、ある人物が口にする心ない言葉がきっかけとなって、主人公が大きな決断する展開は忘れられない。
- 『馬を放つ』……人から生産手段を奪うという罪を慈悲深く描き、かつ、未来を感じさせてくれた。
- 『シェイプ・オブ・ウォーター』……ほんとはみんな、こんな風に消えちゃいたいんだなと思った。
- 『パディントン2』……パディントンを受け入れる街は豊かで、それだけで楽しかった。
- 『タクシー運転手 約束は海を越えて』……これが韓国の民主主義が危機的だった状況下で制作されたという点も含めて見事。
- 『1987、ある闘いの真実』……一人の大学生が泣きながらするするとデモのなかに身を投じていき、その運動が学生から一般市民へと広がっていったクライマックスに拍手。
- 『沖縄スパイ戦史』……一線を越えた人にとって、戦争はそう簡単には終わってくれず、苦しみは続き、引き継がれさえするというところに、『アクト・オブ・キリング』を思い出すようなものがあった。
- 『勝手にふるえてろ』……原作から受ける感じに意外と近いことにびっくり。
- 『ブラックパンサー』……きれい。
- 『ヴェノム』……元カノの謎っぷりがおもしろかった。
- 『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』……三部作の二話目で、ギャグが一番細かい。
- 『デトロイト』……テンポが独特で現実っぽかった。
- 『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』……素晴らしいダンスシーンがあり、素敵な映画だったが、『15 時 17 分、パリ行き』の直後に見たため、古びた印象になってしまった。
- 『はじまりのうた』……彼女の選択のすべてに拍手。
- 『毛虫のボロ』……きもちわるいところはきっちりきもちわるかった。
- 『バーフバリ 王の凱旋 完全版』……豪快な気持ちになった。
- 『バーフバリ 伝説誕生』……風すら意志をもつ。
- 『ダークタワー』……長いコートでひらひらくるくると美しかった。
- 『ゲティ家の身代金』……まさかのマーク・ウォルバーグの説教一発で事態が動く。
- 『死霊館のシスター』……タイッサ・ファーミガの顔の見応えがすごい。
- 『修羅 黒衣の反逆』……チャン・チェンが困惑し、チャン・チェンに困惑させられているうちにふわっとおわる。
- 『ミッション:インポッシブル フォールアウト』……イーサン・ハントの視点から見るチームのみんながかっこよかった。
- 『MEG ザ・モンスター』……ジェイソン・ステイサムなら人類よりサメを選ぶのではないかという気がした。
- 『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』……広大な屋敷のはずが、狭く感じた。
- 『カンフートラベラー 南拳』……2018年「何度もあらすじを読みましたが意味がわかりませんでした」大賞。
- 『長江 愛の詩』……長江を上ると時間も遡る。
- 『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』……マジカルだった。
- 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ 吹き替え』……みょうちきりんだった。
- 『花咲くころ』……身も蓋もなかった。
- 『7 号室』……話の途中で終わった。
- 『バンクシーを盗んだ男』……解決していないので、みんな話が長くて字幕を読むのがたいへんだった。
- 『SPL 狼たちの処刑台』……アクションはすばらしいけれど、最初の方で「ああなってこうなってそうなったらいやだな」と思っていると大体そうなってしまう。