プール雨

幽霊について

「美少年の恋」

「美少年の恋」(1998年 ヨン・ファン)を見ました。


ダニエル・ウー演じるサムの劣等感が凄まじくて痛ましかったです。彼が好きになる相手も、劣等感でぱんぱんの彼が好きになる相手として深い説得力があって、また、そういう彼のことを忘れられなくなる人物もまた説得力があって、どこもかしこも納得の行く悲しい話でした。
でもサムが恋をする瞬間は、「ああ、ひとって好きな人を見つけるとこういう顔するよね」と思われるような自然さがあったし、坂道と古い建物と階段で一杯の入り組んだ香港の街が不思議な優しさを醸していて、とても好きな映画でした。