- 見終わって灯りがついて、やけにぺかぺかしたビルの中を歩いていると、こっち側が嘘で、自分がカメラの前で演技をしているような気がしてしかたなかったし、それでいて行き交う人々の顔がとても重たく見え、ほんものとほんものらしさと嘘の間をぐるぐる回っているような気になりました。
- シーンの切り替えや、登場人物たちのやりとりのタイミングが穏やかで、彼ら彼女らの気持ちに心ゆくまで付き合えるような長さがあって、それが「間」だとか「ため」ではなく、ごくごく自然に生じた長さだと思えた。
- これはどこにでもある話で、誰にとっても切実な話だと思う。