プール雨

幽霊について

反省と展望

お弁当とくまちゃん

 5 月は家電が壊れていたのでその修理を手配したり、実際修理してもらったり、病院に出頭したりと、気がかりだったことに一応着手して片付ける方向に向かった月でした。

 よかった、よかった。

 台所の明かりの調子が悪いのは 2 月頃から始まっていて、しかし交換したばかりの LED がもったいなくて対処をためらっていたのですが、いざちゃんと点くようになってみると、思いのほかうれしいのでした。

今夜は、父が、どうもこんなに電燈が暗くては、気が滅入っていけない、と申して、六畳間の電球を、五十燭のあかるい電球と取りかえました。そうして、親子三人、あかるい電燈の下で、夕食をいただきました。母は、ああ、まぶしい、まぶしいといっては、箸持つ手を額にかざして、たいへん浮き浮きはしゃいで、私も、父にお酌をしてあげました。私たちのしあわせは、所詮こんな、お部屋の電球を変えることくらいのものなのだ、とこっそり自分に言い聞かせてみましたが、そんなにわびしい気も起らず、かえってこのつつましい電燈をともした私たちの一家が、ずいぶん綺麗な走馬燈のような気がして来て、ああ、覗くなら覗け、私たち親子は、美しいのだ、と庭に鳴く虫にまでも知らせてあげたい静かなよろこびが、胸にこみあげて来たのでございます。 (太宰治「燈籠」より)

 こういう感じで、ああ、まぶしい、まぶしいと言って数カ月ぶりにまともな照明の下で撮ったお弁当写真がこちらです。

おにぎり弁当

たこめし弁当

たこめし弁当ファイナル

 うむ。

 あまり変わりません。

 しかし気分だけはかなり爽快です。

 修理のとき、電器屋さんが「この照明はすっごく、修理しやすくできてますよ。とりつけた人があとの人のことを考えてやってくれたんですね。それにあのエアコンの付け方もいいです。わかっている人が付けたって感じで、修理や交換がしやすいです」とおっしゃったのがことのほかうれしく、今度また何かあったらこの人に頼もうと決めたのでした。

 読書ではミック・ジャクソン『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』がとても印象的でした。熊が人間社会に無理矢理つれてこられ、ときには友情めいたものを結ぶも捨てられ、のちには人間社会にそれとわからないように紛れ込むようになり、さらには人間を見捨てる話が集められた短編集です。

 おすすめです!

 イギリスって熊は絶滅しちゃったんですね。狩りのせいで熊も猪も絶滅してしまって、その後、見世物的な興行のために輸入までしていたというから驚きです。大型の動物がほとんどいないイギリスではしかし、テディベアの文化があって、成人になっても三割程度の人はテディベアとともに暮らし続けるという調査もあります。そういうことを考え合わせると、ミック・ジャクソンのように熊の方から人間を見捨てる物語を書くのは実にまっとうというか、批評的な態度で、納得のいくことだなあと思いました。

 色々片付けつつあるし、6 〜 9 月をなにかの期間とみなして、目標を立ててがんばってみることにしました。

 ひとつは、朝の運動をとりあえず継続すること。ストレッチをしてみると足首も膝も腰もかっちかちになっていていることがわかります。これが急にはやわらかくならないでしょうけど、とりあえず毎日続けて身体の変化を見てみようと思います。

 もうひとつは、9 月一杯まで本を買わず、ある程度積ん読を片付けること。まあ、ほんとに、積みきっております。ほんとは『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』も買うつもりはなかったのです。でも書店で残り一冊だったし、「これを最後に」と決めて買いました。CD も買わない。なるべく。いや、多分買わないんじゃないかな。

 6 〜 9 月はこの 5 月までにやり残したことをこつこつやっていく期間にしたいです。

 アジサイが咲いているのでしばらくお散歩的には退屈しないでしょう。

かわいい

こんなのもまた、いい

不思議な形状でいい

最終的にどうなるのか見えないのもいい

ちいちゃい

 ハードだった 5 月よさようなら。

 また来年会いましょう。

 

☔︎ おわり 🌈