みなさま、おはようございます。
日曜日の時間です。
いつもざべすがお世話になっております。
今週はぽーちゃん、どうしても報告したいことがありまして、ざべすに代わってもらって、こうしてお便りをしたためています。
みなさん、千葉県に「発酵の里」があるのをご存じですか? 千葉県の神崎町には 300 年をこえる歴史をもつ酒蔵が二軒あります。名を鍋店(なべだな)、寺田本家とおっしゃいます。この二件の酒蔵の間を歩行者天国にして、酒蔵と町が一体になって発酵を楽しむ祭り、「発酵の里こうざき 酒蔵まつり」が開催されましたので、ぽーちゃんたちははりきってお出かけしました。
こうざきの町に行くには特別な電車に乗らなくちゃいけません。特急です。こうざきに行ったらすぐにでもお酒を飲むことになるので、まずは軽くお腹に固形物を入れることにしました。
特急車の車内はこうざき発酵祭りに行くみなさんで浮き浮きで、元気いっぱいでした。ロッタちゃんみたいな子がいて、車両のなかをきゃははきゃははと笑って走り、お母さんもあはは、あははと笑って追いかけていました。みんなみんな、はりきっていて、これから始まる祭りに向けて準備に余念ないのでした。
そして到着しました。
スタート地点は鍋店さんです。蔵に囲まれた広場みたいなのがあって、そこに出ている売店でふつうにお酒を飲んだりおつまみを食べたりしてもいいし、試飲コーナーをねりねりと歩いてもいいのです。
ぽーちゃんたちは落ち着くために、まずは売店で飲み比べセットと酒まんじゅうをいただきながら、風に吹かれました。
甘い酒まんじゅうと甘い日本酒で気分が落ち着きましたので、いよいよ試飲会場に突入です!
何種類もあるお酒がずらりと並ぶカウンターがあり、ひとつ並んでひとつ飲んでは隣の列に移り、また飲んではとなりに……を繰り返し、みんな一斉に相当いい気持ちになりました。
雨子は「ここらで本格的なおしょくじをいただきたい」と言って、ポキ丼を食べました。ぽーちゃんも食べました。雨夫はお酒の列に並んでいて食べませんでした。
ひととおりお酒もいただき、お魚も食べて落ち着きましたので、この日のメイン・イベントすなわちお目当て、蔵見学に行きました。
ここで、蒸し米を食べさせてもらいました。お酒の仕込みに使う蒸し米は、おうちで食べる用につくる蒸し米とは全然違うもので、おくちの中にほんのひとくち入れただけでも、くちの中がいっぱいになって、いつまでもいつまでもかみ終わらない、大変にかみ応えのあるものでした。ぽーちゃんはくちの中に蒸し米が残った状態で、次のコーナー、製麹の現場へと行きました。
種麹を蒸し米にさらさら〜とかけて、麹をつくります。
なんと、この麹も食べさせてもらえるのです。
でもぽーちゃん、このとき、くちの中にまだ蒸し米があったのです。そこにこの麹を入れて、一緒に噛んだら、ぽーちゃんのくちの中でお酒が出来てしまうのではないかとどきどきしました。
お口の中でお酒ができそうな状態になりながら、蒸し米に麹を加えて酒母がぷくぷくと育っているところを見せてもらいました。
そして、見学の最後には、できたお酒を機械絞りにした場合と、手絞りにした場合の両方を試飲させてくれました。ぽーちゃんは感激しました。
雨子とぽーちゃんは「心なしか、てしぼりの方がおいしい気がする」と発言しました。が、そのとき二人のくちの中にはまだ蒸し米と麹が残っていたので、ほんとならそんなことを言っている場合ではなかったのです。
すっかり満足しましたが、祭りはまだまだこれで全体の半分も来ていないのです。道中は歩行者天国で、すてきな屋台が出ており、辻辻で音楽が披露されていました。
さて、もう一方の酒蔵、寺田本家さんです。ここはほかの酒蔵とちがって、変わった造りをするところなので、変わったお酒が飲めます。ヨーグルトみたいな、強烈な味のお酒もあります。
この表の広場からぐいぐい通路をつたって行くと、
広場に出ます。
ここにもいろんな屋台があって、どぶろくを飲んだり、
牡蠣の蒸し汁を使ったお味噌汁を飲んだり、
敷地をうろうろしたりして楽しみました。
特に気に入ったのは、お酒の保管庫です。お酒をいっぱい保管している蔵は大きく、広く、涼しくて、いい香りがしました。
「さいこうだ。ずっとここにいる」と雨子が気持ちよさそうでした。しかしふと気付くと、雨夫は酒まんじゅう以外、全然固形物を食べずひたすらお酒を飲んでいるだけだったので、ちょっと心配になりました。
この日はうんと晴れて、うんと風が強かったのです。
ぐるりと祭りを一回りして、帰る前にもう一度鍋店さんに戻りました。
そしたら、なにやら三味線をつかった素晴らしい演奏に、素晴らしいダンスが披露されていました。
みんなで拍手をいっぱいしました。
午前中は満員でぎゅうぎゅうだった試飲会場が少し空いていたので、雨夫はまた列に並びました。
これがその会場です。
名残惜しいけれど、そろそろ帰る時間です。
駅にもどる道すがら、すっごく酔っ払ってしまった方を何名かおみかけしました。だいじょうぶかなあと思いました。
朝の意気揚々とした風情とはかけ離れた、へとへとになった大人のみなさんが次から次へと駅に吸い込まれていくのを見ました。雨夫もちょっぴりへとへとになっており、駅横の公園で一眠りしていました。
このお祭り、しばらくお休みをしていて、久しぶりの開催だったので、みんなはりきってしまったのだと思います。酔いの疲労につつまれた帰りの車内はとっても静かでした。
その頃ぽーちゃんは、蒸し米と麹を食べさせてもらったことを考え続けていました。雨子からスマッホを借りて、Wikipedia で口噛み酒を調べ、ふむふむと思いました。ぽーちゃんの自由研究にこれはとてもいいかもしれいない……そんなことを計画するにつれ、日は暮れ、酔った人間の皆様も無事、東京に到着し、それぞれの家路についたのでした。
お酒はほどほどにねฅʕ·ᴥ·ʔฅ
ではまた来週、今度はざべすが書きます。
ここまでおつきあいくださり、ありがとうございました。
🍸 ちぇりおです 🍶