プール雨

幽霊について

【2011年の映画を振り返る】( 2 )

「ザ・タウン」(ベン・アフレック

大鹿村騒動記」(阪本順治

英国王のスピーチ」(トム・フーパー


「そんなに造りの大きな大作というわけではないけれど、隅々までよかった」映画三作。
「ザ・タウン」はシンプルなストーリーラインを生かす濃密な街と人々の描写が良かったし、「大鹿村騒動記」も手練の役者たちが縦横無尽に魅力を発揮してた。「英国王のスピーチ」は扱いは大作だけど、実際の佇まいは主人公の言葉の射程と一緒で小さくて、そこが良かった。歴史的には勝ち組の話なので、どうしてもそこが鼻につくというのもわかる。でも自分は兄弟ものとして見て主人公に同情したし、励ましたいと思った。
こういうのは時期を逃すと見逃す率が非常に高いので、劇場で見られて良かった。三作とも、それまでとくに好きじゃなかった俳優を好きにさせてくれたという意味でも大事な映画です。