プール雨

幽霊について

爆弾低気圧で

 新幹線に乗ったら強風でしばしストップしてしまったことがあったが、私は平気だった。

 なぜなら、後ろに、まるで2時間ドラマのようなやりとりをする熟年夫婦がおり、斜め前にこれまたドラマかというほど仲の良いサラリーマン三人組(年は離れていて、白髪の方が一番の上司だと思うのだが、この人が機嫌よくビールを買いにちょいちょい立っていたのも印象的だった)がいて、観察に忙しかったからだ。
 カップルの方はついに女性が「別れましょう……!」と言って立ち去りもどって来ず、ある駅に近づいたところで男性が荷物を二人分持って座席を後にしたので、尾行してみると、ステップの辺りで「これで仲直りだね……」という男性の声が聞こえた。私はそれを車両のみなさんに報告したかったが我慢した。
 三人組の方は、若手が「きーてくださいよ、きーて!」という絵に描いたような後輩風を吹かせ、最終的にでこぴんされてた。