プール雨

幽霊について

Dreams on Ice 2013 を観て来ました!

新横浜スケートセンターにて開催の "Dreams on Ice 2013" に行って来ました。
常設のリンクなので、中は結構寒く、まわりを見渡すと上着を着こむ人もちらほら。私は長袖のワンピースと、中にもう一枚キャミワンピを着ていったのでそこまでではなかったのですが、「新横は寒い」という噂はほんとでした。
日本スケート連盟所属スケーターの中でも、強化指定を受けている選手たちの、新年度へ向けてのお披露目ショーで、ファンクラブイベントようなアットホームさがあって、ゆったりした楽しさがありました。それに何と言っても、神宮 Ice Messengers Grace のシンクロは、なかなか生では見られないですし、眼福でした。
どの選手もストイックにがんばってる様子があふれていましたが、中でも強く強く印象に残ったのが、今井遥村上佳菜子織田信成鈴木明子の 4 人。
今井遥があんなにはっきり目立つとは驚きでした。薄暗いリンクにしゃーっと入ってきた瞬間、「あ、なんか水準が違う人、きた!」と思わずこっちの背筋もしゃっきりしました。曲はメンデルスゾーンの「無言歌 ニ長調 Op. 109」で、本人が今まで滑った中で一番気に入っていた曲をブラッシュアップしたものだとか。ブラッシュアップされてました。可憐、キュート、チャーミング、happy kid といった形容のされ方をしてきた彼女の印象が、かなりはっきり、きっぱりしたものになってました。「爆走してるのにふわっとした感じ」はそのままに、どこかきっぱりした部分が出て来ました。そしてとにかく、うまい! 動きがとぎれなくて、一つの動きから次の動きへ行くときの動作ひとつひとつが繊細で、最初から最後まで素敵。今季はこの人の演技をたくさん、たくさん見たい。
村上佳菜子は、オープニングで披露したステップの組み合わせから印象が鮮烈でした。変わった動き方をする人で、それが力みやこわばりのようなものとして見えることもあるのですが、その「彼女にとって自然な動き」がうまく音楽表現に結実しつつあるような感じです。何でも、直せばいいってものでもないんだなーと思いました。
織田信成は、見終わった時、おもわず「わお!」と叫んでしまいました。明白にかっこよかった。揺るぎないスピードがありました。ほとんど普通に滑ってるところがなくて、ずっとステップ、ステップ、間にぴょんこぴょんこジャンプが入り、それがよどみないだけでなく、とにかく強かった。彼が後ろ向きで滑ってるとき、上半身がひょこひょこするのが、あのランクの選手としてはちょっとなあと気になっていたのですが、急に、すっぱり、完全にそれがなくなってしまった。
そして、鈴木明子
思わず涙がこぼれる演技でした。披露したのは、今季のエキシビションナンバーで、「シルク・ドゥ・ソレイユ」から。濃い緑の衣装が彼女の美しい背中のラインに映えます。美しい。ためらいのようなものが一切なく、自信持って、音楽に没頭できてる感じがして、とても良かった。
ケヴィン・レイノルズはじめゲストスケーター含めて、新シーズンに向けて、まっすぐに進んでる感じがして、また、充実してる感じもして、とても楽しい一瞬でした。行ってよかったです。
あ、安藤美姫
私の見た回は「ボレロ」を披露しました。
これが、良かった。
やっぱり、良かった。
見るまで、実は不安だったのですが、良かった。とても頼もしかった。
怒りのようなものがとてもスマートに表現されていました。大人で素敵だった。何かを蹴っ飛ばすような振り付けがあって、私、蹴っ飛ばされたい!