プール雨

幽霊について

新聞で「こころ」

新聞連載が終わりました。

連載でちょっとずつ読んでみると、

  • 前半の、「私」と「奥さん」の関係にはかなり伏線がはってあって、本でまとめて読むよりこの二人の関係が印象深い。
  • 中盤の「私」の実家のくだりはやっぱりおもしろい。充実してる。
  • 遺書の、Kと先生の押し引き、長い。「まだやってる」「今朝もやってる」って感じがする。そして先生の失敗の印象が強い。あーあ、ばかだな、やっちゃったな、っていう感じがひしひしと。
  • 殉死のくだりは唐突で、着地に失敗してるような印象。中盤の「私」の実家のくだりとつながりはあるものの、あの長いKとの攻防をゆっくり読んだ後ではなんだかなって感じがする。「なんだかな」で良いのではないかという気すらする。

……という感じがしました。おもしろい体験でした。次は「三四郎」で、私が漱石作品で最も苦手としているものなので、印象が変わるのが今から楽しみです。