今日、日曜日。
原宿を散歩しました。
まず、降りたってびっくりしたのが、駅の前の横断歩道で、この信号がひんぱんに切り替わるのです。駅から出て「あ、青だ〜」と横断歩道に向かっていって、ちょっと人とぶつかって「すいません」とか言っているともう赤になっている。
スピード感が大都会です。でも駅は不便です。
本日のお楽しみは太田記念美術館「異世界への誘い 妖怪・霊界・異国」でした。
大体 19 世紀中頃〜末の浮世絵から、妖怪や幽霊など異世界を描いたものを一挙大公開。歌川国芳と月岡芳年を中心にした展示で見応えたっぷりでした。
妖怪の撃退方法は「一喝」「煙に巻く」などで、撃退できない場合は放置するという態度が素晴らしいと思いました。幽霊に対しても大体そうで、根本解決をしないため、ずっと出続けるという、大変なことになっておりました。また、どの浮世絵も一枚のポスター(?)として隅々まで充実していて、やはりなにかを売ろうと思ったら手を抜いてはいけないのだなと思いました。たいへん勉強になりましてよ。
見終えた後は人の波に逆らうでもなく、逆らわないでもなく、流れ流れてベアードタップルーム原宿という、クラフトビールが飲めるお店に行きました。クラフトビール。たまに、まずい場合があるクラフトビール。「にがすっぱうす」となってしまうこともあるクラフトビール。ここのはおいしかったです! 何を飲んだかは忘れましたが、フルーティでおいしかったねえ。
飲みながら、話は「西島秀俊のこれから」について。「香川照之、西島秀俊、加瀬亮が真ん中にいるのが日本映画界の現状、ならば……」といった話で、どうかって思うくらい盛り上がりました。加瀬亮の名前が思い出せず、「筧利夫みたいな、漢字三文字で、宮崎あおいと結婚してたのにある日突然失踪してどっかの牧場に潜り込んでた薄情な男をやってた……吉高由里子と妻子持ちのくせにつきあって調子いいこと言ってた……あ! アウトレイジでいちばん嫌な死に方した! あのひと……」とかなり長時間にわたって苦しみましたが、思い出せてほんとうによかったです。
西島秀俊については、コーヒーの CM でえらい人に一目置かれる若造を演じているが、どう見ても若造ではないので、意味がさっぱりわからないことになっている、ああいうことをしていてはいけない、といった話になりました。
意外にも相当酔っ払って外に出ると、手袋が落ちていました。私がトム・ハンクスなら素敵なポエトリーを添えてこれを公開するところですが、私にその腕がないのがざんねんです。
ところで話は変わるのですが、私はこの日、「帰りに銭湯に寄ろう」というさくせんでした。たまには大きなお風呂に入りたい。ところが上記のように酔っ払ってしまったので、このままでは銭湯に入場不可ですから、「銭湯にたどり着くまでにこの酔いがさめていますように」という願いをこめて、ゆっくり、ゆっくり、線路と夕陽を見ながら帰りました。
工事中の原宿をじっとりと眺めたり、
乗換駅で無意味にホームの端まで歩いてみたり、
夕陽を眺めてセンチな気持ちになったり、
線路脇の花壇を眺めたり、月を見たり、
そんなことをしながら歩いても、酔っぱらっているという事実から逃れられなかったので、すごすごとじぶんちに帰って、ぬるい風呂につかりました。
おしまい