プール雨

幽霊について

こんな夢を見た

 街道沿いの食堂兼飲み屋のようなところに入ると、貧しい姉弟が働かされていた。姉弟はぴったりと荷物を体に巻き付けていたが、姉の方が背中にしょっていた荷物を酔漢に奪われてしまった。姉が「やめてつかあさい、かえしてください」と懇願するも、酔っ払いはその荷物を開いて、うけけ、うけけと笑いながらわずかながらにあった金目のものを奪おうとした。それでかっとした私はその酔漢を銃殺してしまった。とっさに姉弟についてこいと命令し、三人で逃走をはかったが、駅のエレベーターで渡辺謙につかまってしまった。渡辺謙は眉間に皺を寄せて

 「なにも殺すことないじゃないか」

 と言った。

 まったくその通りだと思った。