プール雨

幽霊について

新聞で『それから』

 絶賛連載中。

 先週あたりは延々と平岡と代助が飲みながら喧嘩をしていたのですが、その裏で代助の気持ちは三千代のことで大きく動いていたと見え、彼女のために兄嫁、梅子に借金を再度申し込んでいる展開です。梅子は非常に魅力的に描かれていて、彼女が出てくると話がすっすっと小気味良く動きます。そして代助がそんなことでばたばたしている裏で、長井家はにわかに慌ただしくなっており、メインに描かていることの裏で実は別の事態が進行していて、という描写が続いています。
 これ、本で読んでいたときは、傷のない、読みやすい完璧な小説だなという印象だったのですが、新聞連載で毎日少しずつ読んでいくと、その時その時でテンポも変わるし、主人公の代助は時間が止まっていてじりじりするし、印象がぜんぜん違います。すごくがたがたしてる。やっぱり本の形にまとまっていると早く読んじゃうんだなあ。