プール雨

幽霊について

明日日記

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 昔、日記を三種類書いていたことがありました。ふつうの日記と、完全に嘘の、別の人の日記、そして明日日記です。三種類書いているとそれで日が暮れるので、よしました。特に別の人の日記は手間がかかるので想像するにとどめて、書くのは自分の、それもやったことだけにするようにしました。

 明日日記というのは、明日の日記を前日にあらかじめ書いておくもので、ある日、明日の予定を列挙するのも味気ないしな、と思い書くようになりました。「さわやかな目覚め」で始まって「いい一日だった」で終わる、ひと連なりの文章です。そのなかで、見る予定のテレビ番組や、読んでいる最中の本の先の展開も書くようになり、これはこれでやはり骨が折れるので、いつしか書かなくかりました。

 最近、この明日日記が復活しまして、長々と続いた日記迷走人生がひとつの決着を見ました。

 以下、記入例。

4月7日

さわやかな目覚め。 

午前中に確定申告がおわってほっとした。

おひるごはんはつぼみ菜と黒豆のオムレツ。おいしかった。

午後はおさんぽしてコーヒーを買った。ひさしぶりに買えてうれしかった。

美容院やスマッホの予約もすませて気持ちのいい一日だった。

 このように前日の夜書いておき、翌日就寝前に、それを見返しながら、真実を赤ペンで書き込みます。

4月7日

さわやかな目覚め。 まあまあよく寝た。

午前中に確定申告がおわってほっとした。気分が出ないのでやらなかった。

おひるごはんはつぼみ菜と黒豆のオムレツ。おいしかった。

午後はおさんぽしてコーヒーを買った。ひさしぶりに買えてうれしかった。OK(激安スーパーのことです)にも行った。

美容院やスマッホの予約もすませて気持ちのまあまあいい一日だった。

 この習慣は、ある日突然やめたとしても痛くもかゆくもないのがいいところです。やってみたからと言って、それで人類が幸せになり宇宙がクリーンになるわけではなく、ただ手帳に「さわやかな目覚め」と「いい一日だった」が並ぶとえもいわれぬおかしみが生じます。

 手帳に悲しい文字(「復讐」など)を書いてしまいがちな人におすすめです。