昨日は、一年以上会えていなかった友だちに、久しぶりに会えました。
お洒落なカフェのテラス席を予約してもらって、みんながケーキやガレットといったかわいいものを注文するなか、
私はパスタ。
「外でパスタ食べたい」とずっと思っていたので、念願叶ってうれしい瞬間でした。
そして積もる話が大展開してなぜか『グレートウォール』の話で盛り上がりました。
『グレートウォール』(長城/The Great Wall)は 2016 年の中国・アメリカ合作珍品映画で、たまに「あれは一体何だったんだろうな」と思い出しては消えていきます。「脚本があがる前に頭から順番に撮ったのではないか」といううたがいが生じるタイプの映画で、見ている間はびっくりしつづけるので(予測が立たないというか予測を立てる気が起きない)、最後まで見続けることはできるのですが、見終えた後、人に説明しようとすると「ええと、なんだっけな?」となってしまう、そういう得がたい経験を与えてくれます。ちなみに主演のマット・デイモンはのちに「大惨事」と語っているようです。
おすすめかどうかはともかく、2021 年あれほど熱く『グレートウォール』について語り合いが展開した空間はほかにないと思います。
会食後は紅葉が進みつつある横浜の街をお散歩。
嬉しいこととして、「初めてのブルーボトルコーヒー」があげられます。
これまで、近づいてはみるものの「メニューが難しいのではないか」「いっぱい、豆の種類がのっていて、そこから瞬時に選ばなければならないのではないか」「へたすると焙煎具合とかも聞かれるのではないか」といったことが心配され、入ったことがありませんでした。みんなもそうだというので、勢いで入ってみたら、メニューは極限までシンプルで、とても気楽な空間でした。
コーヒーは最近はやりの風味で、果実味重視でさっぱりとしていました。
このとき、「web では書きづらいがどうしても話したいご近所話」で盛り上がりました。「旅先でのびっくりシチュエーション」など。いやあ、生きていると驚くべき、語り合うべきことが起こるものです。
その後もひたすらおしゃべり。
私はつい「(虫を)ころ……た」「速水真澄をころ……たい」「桜小路優のやつ、し……でくれ」など、物騒な言葉を口にしてしまい、反省しています。以後気をつけます。
また映画オフしたいねえ、龍が出てくるような映画が見たいねえということでこの日は解散しました。
また、みんなと会っておしゃべりするために、健康を維持しなければいけないなという気持ちになりました。体と心と言葉を健康に保つのは、みんなと会っておしゃべりするためともいえるし、みんなと会っておしゃべりする機会があるから、健康を保っていられるなあとも思いました。
横浜への行き帰りで読んでいたのは早見和馬『店長がバカすぎて』です。
バカすぎる店長がほんとにバカなだけなのかを追うミステリなのですが、家で一人で読んでいたときは文体や思考の枠組みがちょっと軽薄かつ古い感じがして「楽しいけど今ひとつ」という印象でした。それが、友だちに会いに行く過程で読み、会って話して「じゃあ、またね」と別れてからまた読んで、と外で読んでいたらとてもおもしろくて、最後は一気に読みました。
一人でいると言葉が煮詰まってしまって、先鋭化されすぎてしまうのだなあと思いました。『店長がバカすぎて』は野心的、意欲的で凝ったつくりの楽しいミステリでした。恋愛要素と、時々差し挟まれる軽薄な表現は好みでなかったけれど、好みでないからと途中で読むのをやめなくてよかったです。
映画も本も、やっぱりみんなといっしょに見たり読んだりしていった方が絶対にいいんだなと思いました。
映画オフや読書会がどしどしできる日々をつくっていきたいです。
🌹 おしまい ☕