音楽は CD で聞いています。レコードはプレーヤーがないし、今持っている CD が全部レコードだったらと思うとぞっとします。スペース的に。床が抜けるのでは。うちの床は下の階の人にとっては天井なので抜けたら困ります。
また、スマホや PC で音楽を聴こうとは思いません。なんかせわしなくて。去年長年生活をともにしてきた iPod がついに壊れて、そのときイヤフォンもいっしょに捨ててしまいました。
音楽は部屋でスピーカーから流れるものを聞くか、ライブに行くかのどっちかでいいです。
それで、ただでさえ見失っていた「音楽界の文脈」みたいなものを完全に見失いました。現時点で自分が好きなものを追っていくだけで手一杯で、はやっているものを追う手段もメディアもなくなり、動機も消えました。
でもたまには無目的に CD ショップに行って試聴をたくさんして、その中から二、三枚選んで買う、場合によってはジャケ買いも! というようなことがしたいなあとは思っています。
Courtney Barnett とはデビューアルバム "sometimes i sit and think, sometimes i just sit"(2015)をジャケ買いして以来の関係です。
これは三作目。昨年 11 月発売だったので、まだ聞きこなしているとはいえないのですが、気に入ってよく聞いています。"Before You Gotta Go" は公開された MV も大好きです。
こういう、話していても歌っているように聞こえるような人には憧れてしまいます。ルー・リードが大好きだったことを間接的に思い出させてくれる人でもあります。
the White Stripes のベスト盤はどうするか散々迷ったあげく買って、一日中聞いているような日もあります。ベスト盤は買っても聞かなくなることが多いのですが、これはよく聞いています。
ベスト盤で聞いてみて、the White Stripes はミステリによく合うということを発見しました。映画でよく流れる印象も手伝っているでしょうか。the White Stripes がかかる部屋でアガサ・クリスティを読みながらコーヒーを飲むのは至福です。
新しいところでは、LUWTEN のセカンドアルバム "Draft" をよく聞いていました。
何回見てもかっこいい MV。ふりまわされることと拒むこととの間で自律を保っている音楽で、ダンスミュージックだけど踊りきらなくてもいいところが好きです。
イ・ランの新しいアルバム『オオカミが現れた』は歌詞カード付きの日本盤が出るのを待って買いました。
すばらしいでしょう。必然の権化です。
ここまであげた音楽みんなに共通しているのですが、私は「考えること」と「話すこと」と「歌うこと」がシームレスに繋がっているか、繋がっているように思わせてくれるものが好きです。
だから、赤い公園の最後の DVD についていた未発表曲を聞いて、やっぱり好きだなあって思いました。
最後のシングル『オレンジ』を聞くと『今更/交信/さよならは言わない』に戻ってしまうというループから脱出できません。
そして久しぶりに Perfume のシングルを買いました。
「廃墟のアイドル」という感じでとても好きです。
ただ、今ちょっとモチーフを見失っているのかなという感じもします。
とはいえ、モチーフを見失って当然というか、そもそも現実の側が Perfume に何も与えてないよなあと思います。
どうしていくのかなあ、私たちは。Perfume にふさわしい世界じゃないよなあ、今のところ、とか、Perfume がいてくれるなんて、分不相応な世の中だよなあ、とか、そんなことばかり考えてしまう『ポリゴンウェイヴ EP』なのでした。
好きな音楽にふさわしい自分でいたいなと思います。
🎼 おしまい 🎼