プール雨

幽霊について

とんぷく、「窓ぎわのトットちゃん」を見ました

はたらくくまさん

くまさん、労働してます

ちょっとおつかれのくまさん

ぶたさんも働いてます

重労働のぶたさん

 おはようございます。

とんぷくです

とんぷくって呼んでね

 みなさん、ごきげんいかがですか。

 とんぷくはおかげさまで元気です。

 今日は、ざべすに代わってもらって、とんぷくが日曜日の挨拶を申し上げます。

 とんぷくはちょっと前、映画「窓ぎわのトットちゃん」につれていってもらいました。

 トットちゃんはすぐ心が遠くに行ってしまう人です。学校の教室でお勉強していても、たとえば机の開け閉めが作り出す音色や、窓の外のチンドン屋さんの音にすぐ心を移してしまいます。それで、学校の先生がトットちゃんのことをとってもあずかっていられないと言って、トットちゃんは転校することになってしまいました。

 とんぷくは悲しかったです。

 トットちゃんにはトットちゃんのありようがあって、それを決まり切った形におしこめることはできないです。それに、トットちゃん以外の子だって、みんなそうだと思います。それぞれみんな、ひとりひとりのありようがあると思います。それを学校の方に、社会の方に合わせて行くと、心も体もかすかすになってしまいます。そうしたら学校や社会の方だってどんどん小さく、かすかすになってしまうんじゃないでしょうか。

 そんな風にとんぷくが心配しているうちに、トットちゃんは藤の花が咲く学校の門から小林先生のいるお部屋に行って、小林先生に話したいことがあったら話してごらんと言われ、どんどん、どんどん話し出したのです。

 小林先生はトットちゃんがどんなことをしても、トットちゃんのことを待っています。トットちゃんは話したいだけ話したら、遊びたいだけ遊んだら、ちゃんと満足して落ち着けるのです。

 そんな気持ち、とんぷくよくわかります。自分のしたいことを、じっくり、満足ゆくまでやりぬくと、そのなかから、自分でできることが育っていきます。そうすると、ちゃんとお片付けしようという気持ちもわいてきますし、おなかがすくのでごはんも残さず食べられて、夜はねむたくなります。そのようにして熟睡すると、朝、元気いっぱい起きられます。

 トットちゃんは藤の木がある学校で、「したいこと」と「できること」の間をともだちといっしょに行ったり来たりして、毎日おもいきりがんばっていました。

 でも、ある朝、ラジオが天気予報を伝えてくれませんでした。

 それまでトットちゃんがラジオから受け取っていた天気予報の代わりに、戦争のニュースが飛び込んできました。

 そして、国はトットちゃんたちの暮らしから楽しみや明るさや希望や余裕といった、そういった、生きるうえでどうしても必要なものをみんな剥ぎ取って行ってしまいました。トットちゃんは路上で泣きました。

 余裕と呼ばれるようなものは、生きることの上や外側にあるのではなく、生きることの土台なのだととんぷくは思います。おなかがすいたとき、歌を歌って気を紛らすことさえ、見ず知らずの人からどなりつけられ、奪われるなんて、そんなんじゃ、生きていけません。

 トットちゃんは、そんな風にして、突然、強引にむき出しの命の危機に向き合わされてしまいます。突然引き合わされた死と傷と病と貧しさに、トットちゃんは泣き崩れます。とんぷくも泣き崩れました。雨子は「うちのめされた」と言っていました。

 この映画に、戦争が起きなくても、トットちゃんはちゃんと、まわりに気を配り、人に優しい言葉をかけ、面倒を見てあげる人になっていたと思います。だって、トットちゃんは、そういう風に育てられていたからです。お父さん、お母さんはいつでもトットちゃんの気持ちと、できることとやりたいことと夢を大事にし、小林先生は「きみは、ほんとうは、いいこなんだよ」と言って待ってやり、友だちはトットちゃんが困っているといっしょけんめい、助けてくれました。だから、戦争は絶対的に、なくていいこと、あっちゃいけないことです。とんぷくは、戦争のない世界で、トットちゃんがもっと夢をたくさん見て、そしてゆっくりと夢を実現する大人になっていくところが見たかったです。

 この映画では、日本のほかの戦争映画と違って、ラストで戦争が終わっていません。それがとんぷくはすっごくこわかったです。トットちゃんの現実はトットちゃんの現実なのですが、今、とんぷくがいるこの現実と地続きなんだと思えて、こわかったし、まだあの映画の中にいて、戦争が終わってないんじゃないかって、すごくこわくなるときがあります。

 国の都合や勢いや計画に人間を合わせるのじゃなく、トットちゃんのご両親や小林先生のように、人間一人ひとりが生き生きと生きて、その結果が社会である、そんな風にしていけたらいいのに。

 見どころは全編ですが、なかでも、トットちゃんの見る夢がすばらしかったです。子ども時代を突然終わらせることになったトットちゃんへ、今、この映画がつくられたこと自体がプレゼントになっているんだなあと思うような場面がいくつもありました。

 映画館でかかっているうちに、ぜひみなさま、ごらんください。

 映画のあとは、とんぷくの大好物、オムライスをみんなで食べました。

ふわふわです

 「これ、とんぷくのために?」と雨夫に聞くと「そうだよ」と言ってもらえました。ふわふわのオムレツを食べながらも、とんぷくは涙がとまりませんでした。でもとってもおいしかった。

ケーキも食べました

日に当たるとんぷくのともだち

 じゃあ、みなさん、この辺りで失礼します。

 来週はざべすがお目にかかります。

 本日はありがとうございました。

🐖 ちぇりおです 🐖