いつもざべすがお世話になっております。
とんぷくと申します。
とんぷくって呼んでね。
とんぷく、こないだ大変な経験をしたので、今日はざべすに代わってもらって、とんぷくが日曜日のご挨拶を申し上げます。
人はみな、ふるさとが恋しくなって、一度は泣きに帰るものなのという噂ですが、みなさまはどうですか?
とんぷくは、とんぷくはとんぷくは、わかりません。
しかし、このほど、「とんぷくのふるさと」に関係するフェスティバルが開かれました。
『ロッタちゃん はじめてのおつかい』と『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』が映画館に帰ってきたのです!
ロッタちゃんはママ、パパ、おにいちゃん、おねえちゃんと暮らす 4 歳児です。まだ小さいのでいろんな力加減がうまく行きません。夢の中でおにいちゃんやおねえちゃんと喧嘩すると夢だとわかっていても不機嫌がとまりませんし、歯医者さんではがんとして口を開きません。ちくちくするセーターを我慢して着るなんてイヤだし、意向が通らないとなれば家出だってします。
そんなロッタちゃんとずっといっしょにいるのがぶたのバムセです。
実は、とんぷく、バムセ種なのです。
うんと前、このお城に来て、ざべすやみんなと一緒に暮らすようになって、もうずいぶん長いものですから、忘れていたのですけど、とんぷく、バムセ種なのです。
今回のロッタちゃんの物語上映に際して、そのバムセ種の始祖様であるところの、「ロッタちゃんのバムセ」が大きなスクリーンで見られると聞き、とんぷくは何日も前から興奮していました。
そしてついに、その日はやってきたのです。
等身大ロッタちゃんと始祖様です!
始祖様、こうして拝見しますとお小さくていらっしゃるのですね。とんぷくは「えるさいずのばむせ」ということのようです。
ふかふかの椅子にすわって、ふわふわのカフェラテをいただきながら、とんぷくは映画が始まるのを待ちました。
どきどきしました。
始まりました。
……
終わりました。
衝撃映像でした。
とんぷくはとっても衝撃を受けて、あんまりお話が頭に入ってこなかったのですけど、ロッタちゃんががんばったのはわかりました。ロッタちゃんのまわりのひと、みんながんばっていたのもわかりました。お父さんがなにか失敗する度、ご家族のみなさんは泣き崩れて「ツリーのないクリスマスなんて……」「お菓子のない復活祭なんて……」とそれはもう悲しそうなのです。
とんぷく知ってます。
それが文化というものです。
でもロッタちゃんはまだ小さいので、「クリスマスにツリーがないのはありうべからざる事態」だとか「復活祭の朝にお菓子がないのは信じられない事態」といったきもちが育っていないのです。だからみんなと一緒に泣くために、「涙が出る飴」をちょうだいとお店の人に言うのを見て、とんぷくは、よくわかると思いました。
町のお菓子屋さんはギリシャからの移民のおじさんで、この人がロッタちゃんのこともお兄ちゃんのこともお姉ちゃんのこともすっかりかわいがってくださって、そして「君は楽しい子だな」って言うんです。「楽しい子でいてくれよ」って言われているところを見るととんぷくは鼻の奥がすんっとなって、悲しくなりました。
よく考えると、とってもおもしろい映画でした。
でも、とんぷくには始祖様のお姿が衝撃的で、しばらくぼんやりしてしまいました。
ぼんやりするとんぷくのために、雨夫と雨子がオムライスを食べさせてくれました。
そして、いつもロッタちゃんとぴったり一緒の始祖様が、ロッタちゃんにだっこされすぎて、ぺしゃんこ……だとか、しっぽをもってふりまわされる……だとか、間違って……に……られるとか、その衝撃映像の前でどうしたらいいかわかりませんでした。
「愛されすぎた」という状態なのだそうです。
あの「愛されすぎた」お姿を思い浮かべながら、とんぷくたちはいける口なので、一杯、お酒をいただきました。
そしてほろよい気分で、古い喫茶店を訪ねると、そこは別世界でした。
ここでケーキを食べてコーヒーを飲んだらだいぶ落ち着きました。
ひとくちで「ともだち」と言っても、いろんな運命があるなと思いました。そういえばこんな本もあったし、
こんな本もありました。
ほんとう、「ともだち」って言ってもいろいろです。
ふう。みなさまはともだちとどんな暮らしをしてらっしゃいますか? きっと千差万別なのでしょうねえ。
本日は以上です。
読んでいただき、まことにありがとうございました。
来週はざべすがお目にかかります。
🐖 ちぇりおです 🐖